空に住むのレビュー・感想・評価
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後からじわじわ
元々見たいと思ってたけど、評価が低いので尚更興味をそそられた。
タワマンからの景色と生活を垣間見ることが出来て幸せ!
多部ちゃんはなんかいい。大好き。素朴なんだけど華があるし、衣装によって全然違う。アイコとの掛け合いは絶妙で面白かったし。
岩ちゃんはキラキラオーラを消して、陰りのある素の俳優を演じてた。「人との関わりは別れてもずっと死ぬまで続く」みたいなことを言ってたのが印象に残った。
美村さんは美しく明るく、夫の愛情と生活には恵まれているけど虚無感を抱えてる。
多部ちゃん演じる直実は両親が事故で死んでも泣けないことに傷付いているけど、自分への愛情を感じられなかった関係では仕方ないんじゃないかな?愛猫の死では涙を浮かべてたもの。
最後に直実の起こした行動は愛情だったのかな、とか見た後もいろいろ考えたくなる映画だった。後からじわじわ来そう。
淡々とした話だけど眠くならないのは監督のお力なのかしら。
二項対立を溶かしたら
二項対立に生きるのをやめる、という言葉の先にあるものを描いているのだと思う。
時戸の言動に顕著にあらわれていたし、
また、直美も雲のようだという言葉の通り、見え隠れしながら漂いながら生きている。
2人の生き方は、愛という土台がとても脆いためか、直接的な言い方だけれど刹那的であることが共通している。
それが、わたしの様に周囲との関係性を調和しつつ生きるタイプの人間にとっては、身勝手に生きることに映ってしまう。
強烈な嫉妬もあって穿った見え方になってしまうのは仕方ないんだろうな。
刹那的な生き方すごく抵抗感を感じるのは、受け取り手の私自身が、のびのびと身勝手に生きることができないからなんだと思う。
周りの関係性の中で窮屈に感じながらも生きているからなのだとも。ただ、社会人ってそういうものだと想像していたし、その息苦しさはたまにしか感じない程だ。
ある意味刺激的な映画になった。
そして多部ちゃんの演技に引き込まれる、静かに魅せる演技すごかった。
涙が出ない涙
物語としては両親を失くして叔父夫婦の計らいで、同じタワーマンションに住む主人公の多部さん中心の人間ドラマ。映画的な日常が多くて感情移入はしにくいが、そこは多部さんや岸井さんなどなどの演技で、心情の移り変わりはよくわかる。やはり自然に涙が出るのは幸せ。
淡々としたストーリーなのに何故か面白い。観てみて欲しい。
両親を亡くしても泣けない。そんな自分自身に戸惑いあるいは幻滅さえしている直実。父は直実のことを「雲みたいなやつ」と評していた。おそらくこの『雲』とは白くてフワフワなどの可愛らしい意味合いではなく、実体が在るように見えて実はただの霞みであるという冷やかな例えなのではないか。仕事に夢中の父、その父に夢中の母。直実は両親の眼中に無い自分自身を憐れみ構ってくれない両親を心の奥底で恨んいたんじゃないだろうか。だから涙が出ない。
直実の叔母さん。料理が全く出来ない彼女はおそらく親に甘やかされて育ったのだろう。直実とは真逆。天真爛漫なお嬢様がそのまま大人になったような人。しかし天真爛漫が許されるのは子供の頃まで。きっと彼女には友達がいない。夫と直実しかいない。だから子供を欲する。
直実の同僚、愛子。彼女は結婚を控えた身でありながら妻子持ちの子を孕む。
バレやしない。バレてるかもしれないけど大丈夫。直実を呆れさせる強気な発言は全部フェイク。結婚式当日、ウェディングドレス姿で鏡に写る彼女の強張ったあの笑顔。あの表情は凄い。
で、時戸森則。彼は難しい。解らない。
「俺も両親はいない」と言っていた。これがそのまま意味なのか、健在だが切り捨てたという意味なのか。
スキャンダルの相手が相当年上という情報はマザコン気味を意味するのか、ただ見境が無いだけなのか。
本当に謎な男だよ。
「気を使われると淋しい。だから気を使っていると悟られないように気を使っている」という台詞。位牌を前にして帽子をとる姿勢。
その一方で「一生続く人間関係は地獄」と言う。お腹に子供を宿した妊婦を気色悪と言い、卵さえ厭う。
ああ…解らない。森則が気になり過ぎてもう一回映画館に行くしかない。
映画自体もすごく良かった。基本淡々としたストーリーなのにあっという間に終わってしまった。いや、本当に数日前に観てからずっとこの映画のことを考えてる。
決して完成しないパズル…
決して完成しない!?
ピースを無理やりつなぎ合わせるように、最終的に絵が完成しない…。
達成感が感じられない映画でした。
原作を読んでいないでこのようなコメントを残すのは大変失礼に思ってますが。
観なければ良かったかもと考えてしまうのは、自分だけではないと思う所です。
哲学的て、心理的に高尚な作品なのかもしれませんが、高所嫌いな人は観ない方が良いと思います。
恋愛映画って感じでもなかった
面白かったです。何で面白いと感じたか、自分でもよく分からないんだけど。
岩田さんがスターの役と聞いて、キラキラとした恋愛映画をイメージしていたのですが、全然キラキラしていなかった。
それどころか、恋愛映画って感じもしなかった。
タワーマンションが舞台で、小物や料理も綺麗なんですよ。けれども、キラキラとしてないの。
逆にドロドロしてたり、重苦しい感じもしない。
じゃあ、どんな映画なんだと聞かれると答えられないんだけど。
それでですね、この映画は抽象的で回りくどい台詞が多いんですね。
編集者、スター俳優、セレブ妻って職業を考えると、そんなもんかなと思っちゃうんだけど。
その抽象的な台詞達が、分かる様な分からない様な微妙な感じなんですよ。そこは面白かったな。
ただ、映画全体を面白いと思った要因かと言われると、違う気もするけど。
結局、自分が何で面白いと思ったか分からない映画でした。
だけど、私はプロの映画評論家じゃないから、よく分からないけど面白いって感想でいいかな。
関係ないけど、私の住む平凡なマンションも、笑顔の住人が多いから良いマンションだと思えてきました。
毎日見てたら飽きるよ。それ、持ってる人のセリフ。
親密な家族の話をしているが、どこか空虚な会話をする叔父夫婦。
「きっと誰のでもいいんですよ、今が自分のなら」と前向きのようでいて、不実な行為を隠し通そうとする後輩同僚。
「俺はどっちでもいいんだけど」と自分からモーションかけておきながら判断を女性に投げる厭な男。
そして、愛猫ハルを含めて、みな一人ぼっち。でも、どこか寄り添ってあげようという気持ちになれない。なぜならば、けっこうみんな独りよがりだから。どいつもこいつも自分の都合を持ち込んでは、寂しがり屋を気取っているようで、全然、映画の世界に共感できない。なぜだろう、似たようなストーリーで心に響くのはいくらでもあるのに。おまけに、場面に合わない音楽がその気分を増長させる。
たしかに、たべちゃんは可愛かった。でも、「これは経費で~」の凛とした彼女を狙っていたのなら、間違っているよ。
終始眠かった。 独りよがりの脚本。 アート映画じゃないんだから、も...
終始眠かった。
独りよがりの脚本。
アート映画じゃないんだから、もっと観客を面白がらせる努力をしてほしい。
青山監督だから見たけど、なんでこんな企画を、と最初絶望したけど、青山監督も大変なんだなって思った。
たべちゃんは最高にかわいい。
ファーストカット
ファーストカット。Helplessと同じ。主人公の登場の仕方。こういう映画だからこそこっそり青山節入れてこられるとキュンてする。
この映画は役者のファンが喜べば正解だと思うしそこに映画人としての技をほんの少し感じれたら120点なのだけど多部未華子さんの僕が見たことなかった素敵すぎる魅力が見れたから150点映画です。
空だけに空々しい
登場人物の会話が空々しい。本当にそんな風に考えているのかと思うほど、生々しさがない。主人公が猫を飼っているのだけど、猫は家具や壁で一切爪とぎをしないし、布団におしっこもせず、本当に飼っている感じが全くない。職場の出版社が一軒家で、床に座って仕事しており、スタッフは腰痛がひどいことになるのではないだろうか。
で?
145本目。
今日も時間があるから平日観賞。
多部ちゃんも人妻なんだた、ちょっとしみじみ。
派手さのないトレンディドラマと思いつつ、妬み嫉みだけで、生きている俺には何か鼻につく事が。
キスがどうこう言っといて、あの演出はないでしょ。
だったら、最初からやらなきゃいいと思うし、まあ後はいいや。
同世代の女性とかには分かるんだろうけど、オッサンには全くです。
観終えた後も、で何なんだと。
タワマンからの景色はよき
多部ちゃん好きだし、多部ちゃんが作り出す独特な空気も好きなんです。景色は綺麗だったな。タワマンのお部屋もとってもセレブで素敵。
でも、なんだろ、観た後何も残らない。テーマがわからない。劇中の音楽が浮いてる。なんでこの場面にこの曲合わせた?ってのが何回もあった。
美村さん演じる明日子はテンション高くて怖いし、岸井さんはいろいろ問題ありで妊娠してて、この先大丈夫かなって心配になる。ガンちゃん、ワイン飲み過ぎ、カッコいいけど。
あと、柄本さんとか永瀬さんとか大御所を、ここで使う?ってとこに出てきて、うーん、本当によくわからなかった。
泣かなかったではなく泣けなかった
正直僕はこの映画の登場人物に全く共感することは出来なかった。
だからこそ雲の上の世界を見ているような不思議な感覚だった。
主人公は雲のような人だ。フワフワしている。
この映画自体もふわふわしている。
なので、この映画はかなり人を選ぶ。
すべてに答えを出さずふわっと終わる。
僕自身もよくわからなかった。
ただ、観ながら色々と考えたりしていて充実した時間ではあった気がする。
そして、僕が一番共感できなかった後輩役を演じた岸井ゆきのさんは凄いなぁと改めて感心した。
雲って自由っていうけど実際は自由じゃない
2020年映画館鑑賞101作品目
原作未読
黒い猫ハルが死んじゃうのがとても悲しかった
自分も高齢の猫を飼っているのでいつかはこの日が来るかと思うと泣けてきた
軽トラで海の近くに運んできたから海に放り込むのかと思ったがさすがにそれはなかった
軽トラの荷台に焼却炉がついているのね
住まいは大都会のタワーマンションの39階(だっけ?)で職場は田舎にある一軒家の出版社という対比が面白い
時戸はイケメンだけどいけすかない
でも男らしい男といえる
正直に自由に生きている
岸井ゆきのがウェディングドレスを着たら見違えるほど綺麗になった
ちょくちょく編集が変だなと思うときがあった
好みじゃない部分が多かった
全体的にはまずまず
共感はできないし何を言いたいのかさっぱりわからない
だけども僕はそんなこと映画に求めていない
タワマンなんて羨ましいと思わない
僕の住んでいる家だって山の上の標高が高い所に建っているからいい勝負だ
リモコンでカーテンは開かないけどテレビの向きは変わるぞ
悔しくなんかないやい
貧乏くさくなくていい
日本映画って鬱屈した感情をもった登場人物が涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら『うわあああああ』って叫ぶ感じあるよね。「はい、愁嘆場です」って感じの。それはそれで面白くていいけど、この映画はそういうのが一切ないの。そこは良かったな。
それと合わせて、金持ちの生活が描かれてるのもいいのね。貧乏くささがない。ヨーロッパ映画みたいなお洒落な感じもあるのね。
最初に多部ちゃんと岩ちゃんが部屋で話をするとき、二人のアップでカットが切り替わってるのみて「ゴダールみたい」と思ったの。部屋の灯りの感じがなんかそれっぽかったのかな。あと多部ちゃんの顔が実はヨーロッパっぽいの。
台詞が浮いてるのもいいんだよね。「日常で、そんな話し方しないよね」っていう話し方をするの。映画らしい映画っぽい。
エンディングテーマが三代目なんだけど、そこはどうかと思ったな。そこまで締まってた映画が、そこだけ緩んだ感じしたからね。
「何を言ってるか解らないけど、お洒落なこと言ってるんだな」って脚本だったから、これは青山監督の作・演出だと思ったのね。そうでないとOKでないだろうって。それでエンドロールみたら原作あるんだね。それに池田千尋さんが脚本で入ってる。
「原作はどんなんだろう」って読んでみたんだけど、原作はつまらないね。そこから設定の一部を借りて、大きく話を作り直した手腕はすごいよ。池田さんがやったのか、青山監督がやったのか解らないけど。
「これだけ話を変えて『原作』っていえるの?」って感じなんだけど、原作者は三代目にも詞を提供してる作詞家なんだね。そりゃ、イメージだけ残ればいいか。
筋を追いかけようと思って観たらつまらない作品だけど、フワフワした感じを楽しもうと思えば面白いんじゃないかな。
「スポンサー三代目なんじゃ?」っていうのは気付くとちょっとイヤになるけど、観てるときは気付かなかったから良かったよ。
モヤモヤがいつまでも心にわだかまる
多部未華子の直実、岸井ゆきのの愛子、それにムミラ改め美村里江の明日子の3人の現代女性の心模様を描いた作品である。多部未華子に可愛らしさを封印させた演出は賛否が分かれると思うが、本作品を文学作品と見るのであればこういう演技もありかなとは思った。
同じマンションに住む若手俳優時戸森則と直実との間で文学的な会話が繰り広げられるのだが、この会話がどうにも頭に入ってこない。言葉が上滑りしていて真実味が感じられないのだ。自分の言葉で話していないからだと思う。敢えてそういう演出にしているのだろうとも思う。
ひとつだけ「地面に足がついていない」という時戸森則の言葉が印象に残る。タイトルの「空に住む」に呼応するような言葉であり、つまりは生と死、現実を実感として受け止めきれていないという意味に理解できる。
直実にとっての現実は両親の死である。墓に納めた両親の骨よりも遥かに高い39階に住むことで、両親の死が抽象的になってしまう。本作品の直実は両親が事故で死んでも泣くことが出来なかったことを悩む。しかし文学的な人にありがちな話で、親の死を無意識に相対化して抽象化することで、悲しいという感情に結びつかなくなってしまう。
当方は高校時代に国語教師から「親が死んで泣かない奴は人間じゃない」と言われたことがあるが、アルベール・カミュの「異邦人」は「Aujourd'hui, maman est morte.」(「今日、母が死んだ」)ではじまる。母が死んでも悲しまないムルソーが非難される話で、カミュはこの小説によって「親が死んで泣かない奴は人間じゃない」という短絡的なパラダイムの終焉を告げたのだ。
「異邦人」は社会と人間関係のありようの変化について書かれた小説でもあり、それは現在日本の冷血とも言えるSNS社会を予言したかのようでもある。本作品では、地面に足がついておらず、情緒が貧弱になって、自分でも信じていない上滑りのする言葉を呟きながら生きていく、そういう「異邦人」のような精神性に対して、現実を受け入れて生と死を実感する体験を対比させることで、脆弱な現代人のありようが浮かんでくる。モヤッとした作品でありながら、そのモヤモヤがいつまでも心にわだかまる、なんとも不思議な映画だと思う。
傑作は、それを必要とする人に届くのか?
大切なものを失うことでしか、成長できない人がいる。
そんな不器用な(完璧な人はいない、という意味)人の話だった。
多部未華子さんの、海でのシーンで、溜まった涙が落ちる前に、カットが変わった。涙を流すところは見せてくれない。
親が亡くなり愛猫を失った悲しみを、口にしないし態度にも出さない、そんな「雲みたいな人」もごくごく小さい声で叫んでいる。
そんな声に耳を傾ける、とても優しい映画だった。
メッセージは分かるが
交通事故で両親を失った編集者の直実は叔父の好意で叔父の所持するタワーマンションに移り住むことになり…。
同名小説原作映画。十人十色的なメッセージは分かるものの登場人物が軒並みクレイジーすぎるため、流石にそれはダメでしょとモヤモヤの残る作品でした。
因みに多部未華子と猫ちゃんは可愛いし岩ちゃんの顔はイケメンすぎるので、画的には最高の作品ではあります。
全94件中、61~80件目を表示