天才画家ダ・ヴィンチのすべてのレビュー・感想・評価
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【レオナルドの神】
この作品の、年代に沿って、解説する構成は、さまざまな人に受け入れてもらえるものになっているのではないかと思う反面、ちょっとだけ物足りなさも残る。
近年、明らかになりつつある、レオナルドの新たな作品や、謎について盛り込んでくれたら、僕はもう少し楽しめたなと。
まあ、独り言です。
ただ、キリストを描いたとされる「サルバドール・ムンディ」のパートで述べられたことにハッとさせられることがあった。
面白いのは、「最後の晩餐」で描ききれなかったと後悔していたキリストの顔を描くことが「サルバトール・ムンディ」では出来たというところもそうだが、左手に持つ大玉の水晶が世界、つまり、地球を表していると解説されていたことだ。
当時は、天動説が信じられており、レオナルドも、その「レスター手稿」の中で天動説を受け入れているとされているからだ。
地動説は、もう1世紀ほど経ってから注目されたのであり、地球が球体という考え方は、当時はポピュラーでなかったはずだからだ。
レオナルドは、カトリックの神の物語を多く描いたし、教会や修道院からの製作依頼を多く受けている。
しけし、レオナルド本人がゲイで、カトリックのみならず(カトリックで同性愛は認められていない)、家や家族といったものからも自由であったとしたら、レオナルドの神は別にいたのではないかと思わせてくれる。
レオナルドは多作ではありません。
未完成のものも多いのですが、それは、鑑賞者の想像力や、気持ちを揺さぶるために、敢えて未完成にしたのではないのかという見解も有力になって来ています。
僕達は、ずっと、レオナルドのトリックの中で彷徨っているのかもしれません。
この映画は、上手くコンパクトにまとまっています。
「ダヴィンチ 没後500年展」と合わせて観ると、より理解が深まるかもしれません。
できるだけ前の席で観たほうがいい
この映画を観に行くなら、
できるだけ前の席で観るのをオススメします。
この映画はレオナルドの作品を観ながら、
その作品の解説を聞くという流れなのですが、
作品そのものはもちろん、美術館の中、美術館がある街の中も、
この映画のキャラクターなので、
前の席で観ることで、視界がスクリーンだけになり、
その美術館の中や街の中にいてるかのような没入感も体感できるからです。
私はレオナルドの作品がもともと大好きで、しかも前から2列目で観たので
作品の素晴らしさも感じながら、同時に没入感も体感できたので
最高に満足してます。
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