「ベンチマークとしての岡田准一さん」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
ベンチマークとしての岡田准一さん
私の先輩に私と同レベルのバカがいます。
類は友を呼ぶ、ってやつですね。
40代以降、年齢に関わる話題になるたび、
「俺さ、トム・クルーズと同い年だからさー」
と言って、自分を鼓舞したり、励ましたりしています。
別に似てないし、さしてカッコよくもないのですが、いつもそう言ってトムを友達のように意識しているので、若さとか勢いみたいなものが結構維持されてるんですよね。
他人がどう思おうと、自分にとってのベンチマークとなる有名人をしつらえるというのはそれはそれで若さを保つのになかなか有効なのかもしれません。
岡田准一さんもそんなふうに、歳の近いおじさんたちが
「俺さー、岡田准一とほぼ同い年なんだよね。」
などと言いたくなるような存在感のある俳優さんになりました。
トム・クルーズと比べてもまったく遜色がないほど、〝ストイックないい男〟の代名詞となったのではないでしょうか。
アクションやコメディの表現は、私にとっては宮崎駿監督のアニメを実写化したような楽しさでした。
崩れていく工事現場の足場を重力に逆らって駆け上るシーンや転落する車からヒナコを抱いて飛び出し身を挺して助けるシーンなどは、カリオストロの城やヒロインのクラリスを思い出しました。
超猫舌のオーバーアクションやジャッカルに大笑いするシーンなども、ラピュタの女盗賊ドーラの大食いのシーンなどと重なって見えました。
スピード感と不殺のアクションは『るろうに剣心』の現代版のようでもあり、このシリーズ、まだまだ楽しませて欲しいと切に願ってます。
笑いがなくても成立するレベルなのに、すっとぼけたネタが小気味良く挿し込まれていて楽しいし、スカした感じが無いのが良いですよね。
その辺の構成の上手さかな、宮崎作品と被る感じ判ります。