「それは違うチチです。」ビューティフルドリーマー bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
それは違うチチです。
大林宣彦監督と「高橋留美子さん」に捧ぐ。ですよね?もう、丸っ切り「うる星やつら」やんw
不覚にもポロリと行きそうになりましたけど、冷静になってみれば、押井守と本広克行の取り合わせなんだから、このクオリティは予測してなきゃいけなかった訳で。
「聖なるもの」と「映像研に手を出すな」を、足して2で割った風なプロットです。クスクスさせながら、サクサク進む物語りは、所々にノスタルジーを感じさせるトラップあり。飽きさせずに最初から最後まで一気に飛ばします。
小川紗良は、将来、マジで作り手側に行っちゃいそうですね、出演作の選択を見ても。森田甘路も、升毅さんも、藤谷理子も、最高に楽しませてくれます。役者さんが活きてる映画は、見てて楽しいw
良かった。とっても。
日本映画界、金の使い所を間違ってるって思ってしまう映画でした。
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(11/9 追記)
ミリヲタとしては、ここに触れないではおかれませんでしょ。って事で、健康的なチチが魅力の、陸自(元)女性隊員の脇にあった61式戦車について。本物は、もちろん踏んでも壊れません。
61とは、正式に採用された西暦の下二桁。(現)三菱重工業で560兩が製造され、価格はおおむね1億円。2010年に全車退役しており、実戦への投入は、もちろんありません。ヨルダンのアブドッラー2世国王からの依頼により、国立博物館に貸与と言う形で寄贈されたのは昨年の事。ぼくらの7日間戦争に登場した61式はレプリカなので、90mmライフル砲はダミーです。このレプリカは角川61式と呼ばれています。退役後は、全国の自衛隊駐屯地に展示用として使用されている車体が20以上あると思われますが、「射撃訓練の的」として生涯を終えるものも多く。悲しい運命です。ちなみに、あまりの装甲の薄さから、100mm砲をはじき返すこともできず、粉々になると言われています。象が踏んだら壊れるかもw
民間に卸されることはありませんので、映画に登場したのはレプリカ、もしくは自衛隊からの貸与品。あのシーンの撮影は、自衛隊駐屯地内かも知れません。90mmライフル砲の先端は、T字型をしたマズルブレーキ。役者さんの口に突き刺さった画の大砲とは、ちょっと形が違うので、あのシーンには合わなかったでしょうねw
怪獣映画でもおなじみの61式戦車。世界最弱との陰口もありますが、今の国産戦車の最新は4代目。2010年に採用されましたので、10式戦車と呼ばれています。電子制御の塊のハイテク戦車。初代ゴジラに吹っ飛ばされたのは61式。シンゴジラを攻撃したのは10式。日本の怪獣映画には、戦車がつきものですが、なんかいつもやられてるばかりで不憫です。