「瑞々しい駒井蓮」いとみち 太陽傅さんの映画レビュー(感想・評価)
瑞々しい駒井蓮
久し振りに素晴らしい映画に出会いました。
ベタといえばベタな方の映画ですが、その直球がまた良かったのではないでしょうか?
主演の駒井蓮は初見だったので、三味線の弾ける素人さんの中からオーディションで選ばれたのかな~と思っていましたが、4.5年のキャリアのある女優さんだそうで、びっくりしました。実年令は当時19.20歳ですね。どう見ても16才の高校生にしか見えませんでしたが、またまたびっくり。
その初々しさと演技演技したところのない演技にまた驚きました。
例えば中学の時の三味線の大会で優勝した際の額入り写真を気恥ずかしさ(大股開きのため)で急いで取り外そうとしたり
例えば、メイド喫茶で、永遠の22才と自称する先輩に髪を梳いてもらいながら、亡き母に同じことをしてもらった記憶がダブり感極まるシーン
そして家出する時の、怒気を含んだ眼差しで父を睨みつけるシーン
最後の、父と一緒に登った山頂で大声を出して叫びつづけるシーン
数え上げればきりがありませんが駒井蓮の瑞々しさ溢れる、明澄な表情は心に沁みました。
横浜聡子監督の前作『俳優 亀岡拓次』見ましたが、こちらは何かケレン味が見え隠れして、少し残念でした。
この作品のようなベタでド直球のようなオーソドックスな作り方のほうがいいのではないかな~と思いました。
とにもかくにも、このような瑞々しく情感豊かな作品を作って頂き感謝します。