ルーシー・イン・ザ・スカイのレビュー・感想・評価
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宇宙飛行士でなくても。
宇宙飛行士の起こした実際の事件を元にしたようだが、不倫相手の浮気が原因の嫉妬による事件、宇宙飛行士でなくても、普通の人でも起こしうる事件、現役の宇宙飛行士であり、事件現場に向かう道中に宇宙服着用時につけるオムツをつけていたことでかなり話題になったようだ。
確かに宇宙空間を体験すれば、物の価値観、考え方に影響はあるかもしれないが、現実が退屈に感じたからとはいえ、浮気相手の襲撃事件を起こしたことは本人の元々の問題ではないか。
事件後、ルーシーが蜂の養蜂の仕事をしていたが、宇宙服に似ているから選んだ職業なのか?ラスト、帽子を外したことに意味はあるのか?
自業自得…
結局のところ、遊びのつもりで誘った男に夫がいる真面目な女性が熱を上げてしまい、他に女がいたことがわかり、男に復讐を果たそうと事件を起こしてしまった実話ベースの話。しかし、この男女がNASAの宇宙飛行士だったという点が映画になるといったところ。一度宇宙に行き、帰還すると、ルーシーにとっては地上の暮らし全てが平凡に映り、宇宙に変わる激しい衝動を求めた結果、それが別の宇宙飛行士との火遊びだったのだろう。再度の宇宙飛行への挑戦が閉ざされ、男との恋も終わったとき、彼女には何も残らなかった。真面目な人ほど、陥る傾向、彼女の旦那が不憫でならないし、遊び人の男は自業自得。優秀な宇宙飛行士だろうと何だろうと、人間は人間、弱い生き物。ダークサイドに堕ちていくナタリー・ポートマンはブラックスワンを思わせる。ラストの蜂避けスーツは宇宙服とも被り、精神が安定して暮らしていたら良いな。
ルーシーが少し不憫
ベースとなったのはリサ・ノワックという宇宙飛行士が巻き起こした、ただの不倫と痴話げんかというありふれた事件なのですが、今作は「着想を得た」と挿入されるとおり、彼女を不倫に走らせた「そもそもの原因」を想像で膨らませた物語。
とはいえ、やはり不倫ぐらいしか大きな出来事は起きないし、物語が大きく揺れ動くのは後半なので求心力はやや弱いと感じた。はっきりいって、どんどん堕ちていくナタリー・ポートマンの演技を見たいがために見続けたようなもの。
実話は置いておいて、ルーシーには少し同情してしまう。
一度高山に登ってしまうと低山の景色では物足りなくなるのと同じで、最高の経験をしてしまうと他のことでは満足できなくなる気持ちもわかる。
まだ体力も衰え切ってはいないし、再度宇宙へ行く夢を諦める条件には置かれていない。
潜水服浸水のときに心拍数が上がらなかった(パニックにならなかった)ことが評価されるのかと思いきや、それが選考に落とされた原因になったことは不思議だし不運。何でもいいから彼女を宇宙に行かせてやれよ、と思ったのが本音。そうすればこれほど堕ちなかっただろうに。
最初から馴れ馴れしく近づいてきたマークは逃げれば追う典型的な浮気男で、宇宙からの帰還後に彼に出会ったのも不運といえば不運。
そして終盤の姪ケイトの立ち位置が微妙。共犯バディ物のようにコミカルに描きつつも結局裏切る形に。群れの中にスズメバチがいるという例えは、元夫と近づきになる姪のことだったのか…?というのは勘ぐりすぎだろうか。養蜂場で宇宙服に似た防護服で宇宙を夢想するルーシーが、あまりに不憫だった。
余談ですが、タイトルで真っ先に連想したビートルズの同名タイトル曲は、ルーシーが母を見舞いに行く場面でのみ使用。茫然自失の感覚を表現した演出がうまいと思った。
気分は空のように・・・
宇宙で超越した体験をした宇宙飛行士が
地球に戻って男狂いする映画かな。
宇宙飛行士って理知的でもちろん体力的にもスーパーで
理性の塊のような人間だと思い込んで信じているので
主人公の行動にはかなりイライラしました。
宇宙飛行士もひとりの普通の人間であることを
否が応にも見せつけられて、気分は空のようには晴れませんでした。
ウィズ・ダイヤモンド
主人公(ナタリー・ポートマン)は宇宙飛行士、宇宙での体験に魅了され、もう一度行きたくてしょうがない。
そんなとき、女たらしの同僚に誘われ本気になってしまう。
異常性が傍目からもわかるようになり、ついに爆発する。
宇宙飛行士は精神的にもタフだと思っていたが・・・。
宇宙に魅入られ、やがて軌道修正できなくなった宇宙飛行士
事実にインスパイアされて作られたストーリーらしいが、それよりBeatlesの曲に影響された気がする。冒頭から宇宙遊泳しているルーシー・コーラ(ポートマン)。地球の俯瞰図から徐々に縮小していき、自宅まで眺めている。これは私の歴史・・・
結婚して6年になるルーシー。しかし、地上に降り立つと、骨密度や筋肉量の減少にもかかわらず、退屈な日常に我慢できなくなり、もう一度NASAのミッションを志願する。過酷な訓練、優秀な頭脳、しかしライバル多し、といった状況の中、社交的な同僚のマークからボウリングクラブに誘われ、そのまま不倫関係へ。そして、女性の志願者の中に強力なライバルが立ちはだかるといった展開。
ビートルズの「Lucy in the Sky with Diamonds」が聴けるかと思っていたら、まったくのカバー曲でした。母が危篤状態になったときも面白い映像表現だったし、大きな特徴がスクリーンサイズの変更。しかも、よくあるスタンダードサイズからスコープサイズといった単純なものではなく、1:1からシネスコ、さらに縮小、3:1、4:1などと縦横無尽に変化するのです。ルーシーの心象表現や地上生活とNASA生活の違いもあるんでしょうけど、前半では目まぐるしく変化するため『ゼロ・グラビティ』を観た時のように眩暈すら覚えてしまうほど。このサイズ変化だけは評価できると思う。
しかし、ストーリー展開はとんでもない方向へ。チェック項目を暗記している様子が何度も描かれますが、母の死というショックもあってかルーシーはおかしくなった?逆恨み、嫉妬、色んな要素が彼女を狂わせ・・・
姪っ子アイリスが微妙な役柄でしたけど、彼女も宇宙飛行士の道を歩むのか。いや、やっぱりルーシーをずっと見ていたのだから無理だよなぁ。で、3年後の養蜂場ってのは意外。防護服が宇宙服にも見えるし、結局はミツバチという宇宙に魅入られたのだろうか・・・
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