ザ・ヴィジル 夜伽のレビュー・感想・評価
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恐怖なお通夜
夜伽とは日本で言うお通夜に値するものだが、ユダヤ教のお通夜は故人が迷い無く旅立てる様に夜通し行われる様だ。普通は親族で行われるのだが、身寄りのない故人は全くの他人がその役目を買って出るそうだ。(本当にそうかは不明)主人公はあるトラウマから信仰をしなくなった人物なのだが、お金のためにその役を引き受けるという所からスタートする。本編が短いためここら辺の人物像の掘り下げが少なく、あっという間に問題の屋敷にやって来てしまう。 入ってからの展開も早く、じわじわ寄ってくるような演出が続き、極めつけは認知症の老婆が不気味すぎて怖い以外の何でもない。 時折この老婆がヒントをくれるのだが、残念なことに登場人物が少ない為、謎を解く展開やサブキャラがピンチに陥るいわばホラーの見せ場が少ない為、本作を鑑賞して特別怖いとは思わなかった。本作で描かれるものは「ポゼッション('13米)」でもテーマとして扱われたユダヤ教が根底に存在する。あちらの作品でも終盤に登場するエクソシストは髪を伸ばして帽子を被っていたが、ゴリゴリのユダヤ教徒はそれが正しい格好であり、主人公はそれが原因でトラウマを抱えているのである。本作にも過去虐げられて来たユダヤ教徒らの苦悩や無念さが故の物が描かれており、主人公と並ぶくらい感情移入してしまった。ブラムハウス製作のホラーとしては王道で地味過ぎる印象だが、たまにはこの様なド直球ホラーも良いかもしれない。
日本のお通夜のユダヤ版
アメリカでは180万ドルの興業収入があったそうですが、日本人が観ても全く面白くも何ともない映画です。 ニューヨークで撮影された様ですが、映画はしっかり作られています。 日本ではユダヤ教をほとんど知らないので、怖さが分かりません。 レベルは「リング」並ですか? ただ、勉強にはなりました。
見送る人
ユダヤ教のしきたりである夜伽(ヴィジル)という、亡くなった人に一晩中寄り添い聖書を読むという役割を引き受けた主人公の周りで起こる不可解な出来事を描いた作品。 このヴィジルは、普通、親族が行うものだが、身寄りのないものは本作のような他人がバイトで行うこともあるらしい。 過去に、あるトラウマを抱える主人公が、悪霊に取りつかれる家で、不気味な認知症お婆さんとの関わりの中、怪物と闘うという、オカルトダークファンタジーといったところか。 お婆さんの存在が良かった。いや認知症ではないだろうとも言いたくなったが、いつの間にか現れていたり、ビデオの中から…のシーンも中々怖く、終わってみればアレだったかもしれないが、鑑賞中はそれなりにビビらせてもらえた。 冒頭とラストの繋ぎなんかもよくあると言えばあるけど、個人的に好きだった。 今年はあんまりホラー色の少ない6作品のなかでは、王道海外ホラーといった印象だし、シチュエーション等々、この中では一番気に入った作品かも。
魂のヒーリング
ワンシチュエーションホラーなのはいいとしても、もう少し変化をつけて欲しかった。あまりにも単調なので、うとうとして音でビックリの繰り返し。 フラッシュバックする過去のトラウマの繰り返しが多すぎ。エンディングでかかる曲がいい具合に心洗われる感じで、魂のヒーリングにはなったかな。
知識さえあれば怖くない?
トラウマを抱えてユダヤ教の信仰を捨てた青年が、金の為にヴィジル(夜伽 )呼ばれる、死者の見守りを行い巻き込まれる話。 夜伽の説明字幕から話はスタート。 日本でいう通夜の様なもので、親戚や友人、いなければ人を雇い、死者に一晩寄り添う慣例らしい。 痴呆の夫人の代わりに夜伽を行う人物を雇っていたが、ドタキャンされたと急遽依頼され、朝まで5時間400ドルでバイトすることになった主人公。 夫人に何故かこの人はダメと言われるも、婆さんは直ぐに寝るからと、バイトを決行する中、不穏な出来事が起こっていくストーリー。 突然の大音量で驚かすところが多いけれど、そういう箇所より、地味なネタの方が怖さを感じる良くわからないつくりで、何事かが判ったらあれ?婆さんボケてない? どうすれば良いかが判ったら、案外チョロい結末で、迫力はあまりないけれど、まあ主人公の心情的にはハラハラドキドキなのかな。 判りやすいオカルトホラーで、怖さよりもそういう環境に置かれた主人公のドラマを楽しむ作品という印象が強い様に感じた。
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