「砂漠と海と老人たち」ノマドランド またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
砂漠と海と老人たち
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とても好きな映画。今のところ今年の一番かな。うっすらした老年のロマンスはあるものの、それ以外に物語はほとんど無いに等しい。それなのに美しいレイアウト・映像と語り過ぎない演出、必要十分なモンタージュで興味を散逸させない。後半に映る荒れた海がずっと続く内陸の風景の後で印象に残った。
登場するノマドたちはほとんどが高齢者だ。うまく説明できないが、50代半ばになった自分には納得する要素がある。主人公を含め、ノマドという生き方を選択をするにあたっては、もちろん金銭的な要素が大きいと思うが、「残された時間をどう生きるか」という問題が強く影響していると思うのだ。
この中国出身の監督がこんどMCUを撮ることになったとは事前に聞いていたので、映画館の看板にアベンジャーズが出てきたときはちょっと(かなり)微妙な気分になった。映画を見た後で宣伝の意図ではないとする記事を読んだ。たとえそうでなかったとしても、そのように勘繰られる要素はこの傑作映画に不要だ。正直省いてほしかった。
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