「何が幸せかなんて人それぞれ」ノマドランド chibirockさんの映画レビュー(感想・評価)
何が幸せかなんて人それぞれ
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ファーンの旅に寄り添いながら、自分のこれまで、これからの生き方について思い巡らせました。
すべてを無くしたファーンは不幸せだったかもしれないけど、帰る家があって家族があってが幸せの条件かといえばそんなことはないし、結局、家とは自分の中にあるもの、という言葉に集約されている気がします。
ファーン自身すでに、ベッドでは眠れない身体になったようだし…笑
私は個人的にコミュニティー的なものが嫌いで、おそらくファーンも苦手な方だったのだと思うけれど、普通とは言えない生き方を選んだ以上は、人、特に同じ境遇の人と交わることは実用面でも精神面でも不可欠なのだということを痛感。
ファーンは結局一人でいることを選んだけれど、そのまま死ぬまで一人を謳歌したのだろうか。もしかしたらしばらくしてどこかに、誰かと落ち着いたのかも知れない。
スリー・ビルボードと同じく、観客の想像を掻き立てるラストシーンは、ファーンの再生を予感させるもので、まああれこれ考えさせられつつも、鑑賞後の気持ちはいいものでした。
ファーンが寡黙な方なので、説明は最低限に抑えられているのも良い。
ファーンに子供がいないことを、赤ん坊の扱い方で表現するなど巧みな演出が不明点をうまいことカバーしています。
ついでに、ヒルビリー・エレジーと同様、トランプにあれだけの票が入った訳が、少し理解できました。
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