劇場公開日 2021年3月26日

「また この道の何処かで。」ノマドランド bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0また この道の何処かで。

2021年3月27日
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鑑賞方法:映画館

老いて行く実感。明確に意識せざるを得ない死。世間の同情で思い知らされる自らのまずしさ。疎遠になった家族。社会からの疎外感。愛する者を喪った哀しみと消えない愛おしさ。雪も積もらない砂漠の冬。バンのルーフから染み落ちて来る冷気。

何かから逃れて放浪している人々。その人々と一所で過ごす時間の暖かさ。友情を口にしてくれる人が目の前にいる幸せ。姉夫婦の前や、招かれた家で感じるのは居心地の悪い暖かさ。自分の脚で立っていたいと言う欲求。

そこから眺める人生。

また、この道のどこかで、ふたたび会えるから、サヨウナラは言わなくても良いのだと。

その言葉は、もう、「生」が長くは残されていない事の寂しさや不安を忘れさせてくれる。

たとえ。
そこに見えているものが、素晴らしいとは言い難かった人生の歴史(過去)と、冬枯れの砂漠(未来)だけだとしても。

てな感じの、現代文学作品。

今年は、これがオスカー総なめかも知れませんね。少なくとも、ミナリよりは好き。

bloodtrail
masamiさんのコメント
2021年4月13日

blood様コメントありがとうございます😸
確かに文学作品ですね。
あと映画では語ってはいないんですが、アメリカは銃社会。
東アジアの人間は無理です。
S&Gの分析は鋭いです。

masami
kazzさんのコメント
2021年4月8日

bloodtrailさん
コメントありがとうございます。
あんな生活をするなら、時々再会できる適度な距離感の仲間って重要かもですね。

kazz
りあのさんのコメント
2021年3月28日

bloodさん
なるほど、文学作品ですか。そういう見方をすれば良いのですね。
つい、だからどうした、みたいなオチを探すような見方ばかりしていて、反省です。
私もミナリより良いと思いました。

りあの
グレシャムの法則さんのコメント
2021年3月27日

bloodさん、talismanさん
私もそう思います。

グレシャムの法則
talismanさんのコメント
2021年3月27日

ミナリよりいいと私も思いました。

talisman