ニューオーダーのレビュー・感想・評価
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誰も救われない胸糞映画
YouTubeの胸糞映画紹介で知り鑑賞。その通り誰も救われない胸糞映画だった。
前半と後半のギャップがやばい。華やかな前半と絶望しかない後半、もはや別の映画をみてるみたい。
緑の水に始まり徐々に不穏な空気になってくのが怖い。不吉の象徴が緑ってのがエイリアンの血みたいで不気味。
サイレンや叫び声など直接画面を見せずに、聴覚で恐怖を伝えてくる演出がうまい。BGMがないのもリアルに感じる。
まじで救いようのない映画なので万人向けではないだろう。胸糞映画好きじゃないと見てられないと思う。
今もどこかで
同じようなことが起き得る。
貧富の差が激しい南米、中南米。(メキシコ想定)
リッチ層、調子に乗ってると痛い目に遭うぞ。
貧困層の使用人を優遇しないと牙を剥かれるぞ。
というようなメッセージ?
国内の階級(インドのように明確なものはないが)による反乱。
とはいえ、これは酷い。
地獄絵図である。
使用人達の逆襲は暴徒化した下層(多分)兵士によって先導されたものなのか?
どんな風に先導したのかよくわからない。
少なくともクリスチャン(使用人の息子)は知っていた?
不機嫌そうにパーティーを手伝ってたおばちゃん達もタイミングを見計らっていた?
嬉々として金目のものをバッグに詰め込むシーンは反吐が出そう。
心優しいマリアンヌ。
元使用人の奥さんのためにパーティーの途中で外へ出たことは、逆にすぐに殺されずに済んでよかったかとも思えたが…そんなことはなかったか。
手術代20万ペソってどのくらいの金額だったんだろ。
富裕層数人のポケットマネーを合わせれば出せる金額?
保釈金(払うのも腹立たしい!)を払って解放された後の射殺…もう絶望感しかない。
マリアンヌがかわいそう過ぎ。
クーデター。
日本とは無縁と平和ボケの私達は思うけど、今も世界のどこかで起きてることだからね。
怖い作品だった。
ポスタービジュアルがミスリード
蛍光緑のポスターで勝手にパンデミックものかエイリアン的なのを想像してましたが、もっと社会的なやつでした。冒頭の雰囲気はとても良い。元使用人が病気で金の普請に来る、金持ちたちは適当にあしらおうとする、確かに8年前に働いてたってちょっとつながり薄すぎるよね、でもきっとこの金持ちたちにとっては小銭レベルじゃない?20万を出し渋ってたけど娘の身代金80万はその場で出てきたもんね。冒頭贅を尽くしたパーティをしている金持ちたちが襲われるのは本当に小気味が良かったです。元使用人を追い返した家族に反発したマリアンがそれを逃れたのもとても良いよ。最後その善人たちが助からないというのもシニカルで良いと思う。でもいまいちニュー・オーダーというその体制がよく分からんかった。最後死刑を見届けてたのってビクトル?この金持ちを誘拐して資金稼ぎするということがニュー・オーダー?でも人質みんな殺されてるっぽいし。細かい描写や人物像はとても丁寧で見やすいのに、ストーリーの幹の部分がなんかぼやけすぎてて消化不良した。
86分に凝縮されたディストピア
最初の幸せな時間からの、暴動が起こるまでの時間がちと長く感じたけど、貧困層の暴徒がお屋敷に入り込んできたと思ったら使用人もバッシバシに裏切ってお宝持って逃げるし妊婦だとしても容赦なく殺すし、おおおおお…ってなったのも束の間、昔の使用人が妻の手術費をどうにかしてくれないか、、というお願いを主人公の家族全員が体よく断ろうとしてるのに、あたしがなんとかする!と使用人の男の子を連れて出て行く。
正義を貫いたから家での残虐な暴動に巻き込まれなかったんだね、よかったねーと思いきや、もっとひどいやん。
金目当ての下級兵士に誘拐されて、布団もないアスファルトの床で雑魚寝、レイプされるわ、拷問されるわ、お風呂は水をホースで浴びせられるだけ、という信じられない地獄に突き落とされ、兵士同士の抜け駆け施策に主人公も使用人も使われて、結局色気を出しすぎた兵士のせいで地獄の生活場も無くなってよかったねーと思いきや。
主人公をやっと家に連れて帰ってくれるのか、そこだけハッピーエンドか、うんうんと思いきや。
身内の不祥事は隠せ、と言わんばかりに善人の使用人の家で守るべきはずの軍人が主人公を射殺、息子はその隠れ蓑にされて射殺され、お母さんは公開処刑。
もう、なんなのよ…
結局軍事国家になると、暴力を支持できる人が一番強いんだな。
で、あんなに暴動起こしててもブルジョワのお家の方はちゃんと守られてるってところに、暴力とお金の切っても切れない関連性が垣間見れる。
ライムスターの宇多丸さんがオープニングの絵のタイトルをラストにドンっと出すのがスマートだ、と言ってたけど、読めなかった…!なんてタイトルだったんだろか。
追記:初めてトラウマ級に脳みそにこびりつく作品だった。
【”新しい秩序。”社会派ミシェル・フランコ監督が”格差社会を解消しないとこの映画の様になるかもしれないよ・・。”と物凄いシニカルな視点でメッセージを発信した恐ろしい作品。】
ー 冒頭は、格差社会の上位と思われる人たちが、主人公マリアンの結婚式を祝いに来ている。皆、瀟洒な衣装に身を包み談笑している。
だが、その外部では暴徒化したメキシコの軍勢が今までの社会秩序を崩壊させるが如く、非道極まりない行いをしいていた。-
◆感想・<Caution!やや内容に触れています。>
・社会派ミシェル・フランコ監督の言わんとしている事は良く分かったが、観ていて相当にキツイ映画である。
・マリアンは式を抜け出して、元召使のロランドの娘、エリサを助けに町に車で出るのだが、アッサリ暴徒化したメキシコの軍勢に捕まり、非道なる仕打ちを受ける。
ー 善が機能していない事を、示している。-
■因みに、リドリー・スコット監督の「悪の法則」では、メキシコの麻薬カルテルの異常なる残忍さが描かれている。
ペネロペ・クルス演じる美女が恋人の弁護士が麻薬カルテルと接触してしまった事から、トンデモナイ事をされるのだが、ブラッド・ピットが演じた男が”メキシコ人の一部は人間の姿をしているが、中身は別の生き物だ。”と言う台詞がある。
何故か、今作を観てその台詞を思い出してしまったよ・・。
<舞台はメキシコであるが、もしかしたらどの国でも起きてもオカシクナイ気がする映画である。
マリアンにとって、人生最良の日となる筈の日が、最悪の日になるというシニカルな展開も、鑑賞後の実に嫌ーな感じに輪を掛けて来る作品である。>
新しい気付きを得られる=これは良い映画だ
公開時より観たかったがなかなかタイミングが合わずDVD化してから鑑賞
良い映画というのは言わずもがな面白い(興味深く、関心する)という意味である
ストーリーについては救いもなく、息を呑む容赦ないシーンが見どころ
鑑賞後は幾つかの疑問が残るが、鑑賞中は難しいことは考えずに観ることができた
やはりラストの展開
一見すると市民が暴動を起こし、富裕層が襲撃めちゃくちゃに振り回される主人公。暴動は鎮圧されつつあるが軍の力が強くなりさらに振り回される。その時警察は味方なのか…?という話だが。
"振り回される"で済んでいい展開ではなくそれは強烈なものになっている。
他の評価者のレビューから色々と分かったこともあり、「なるほどなぁ」と感心する点は多かった
反体制を描いているように観ているだけではこの作品の真意は汲み取ることができていないかも
軍も警察も、上層部は富裕層の一部や政治家と手を組み新秩序へ誘導されていたということなのか
エンタメ性が高い一方で監督の格差への批判も鋭く刺さった作品だった
個人的には一市民の自分はエンタメとして楽しめたが、国としての根幹を揺さぶられる感覚は恐怖でしかない
90分足らずと見やすいが、展開(特にラスト)はあっさりしておりこれはこれで物足りなさもある
三色鬼
ミシェル・フランコの作風がどんどんミハイル・ハネケに似てきている、そう感じているのは私だけでしょうか。一見、貧富格差が原因で起きた暴動を描いたディストピアムービーのような体裁をしていますが、本作には目に見えない別の伏流水が流れています。しかもそのヒントとなるキーの開示が極めて不親切でハネケっぽいのです。あの傑作スリラー『隠された記憶』のように、気づけない者を嘲笑う監督の意地悪い顔が目に浮かびそうなのです。
メキシコのとある市長宅で、娘マリアンの結婚を盛大に祝うパーティーが開かれていた。そこにヒョコヒョコと現れた屋敷に昔雇われていた使用人。かみさんの手術代の無心にやってきた男を哀れんだマリアはなんとか力になってあげようと元使用人の甥と共に、暴動が起きている中元使用人の家へと向かう。その時、市長宅に賊が押し入り拳銃を乱射、市長もその銃撃に倒れてしまうのだが.....
ここで不自然なポイントを箇条書きで整理してみましょう。
①暴動が起きているにも関わらず何故軍か動かなかったのか?
暴動が起きることが予めわかっていた、もしくは軍によって導かれた群衆がおこした計画的暴動だったのではないでしょうか。市長宅を襲った輩の中に警備の連中も混ざってましたよね。さらに、ボスと呼ばれる軍のトップが賊が侵入する前にちゃんと屋敷を脱出していました。予めこれから起きることがわかっていた証拠でしょう。
②何故、市長は殺されなかったのか。
軍と市長が予めつるんだ計画だったからです。後で怪しまれないよう、賊には急所をはずして市長を撃つよう指示があったはず。一命をとりとめた市長が後に軍によって手厚くガードされた理由もこれで説明がつきます。冒頭、市長とボスがズルズルの関係にあることをマリアンが揶揄ってましたが、後々起こることの伏線だったわけです。
③なんのための計画だったのか。
すべては『ニュー・オーダー(新秩序)』のため。市長のライバルとなる他の金持連中を潰し、暴動をおさめた軍の権力をより拡大、ロイヤリティの欠片もないパンピーへの監視を強化、体制に逆らった者や体制維持に都合の悪い者は容赦なくパージしていく『1984』のような社会を築くためといってもよいでしょう。現代社会がその過渡期にあることをミシェル・フランコは我々に鋭く警告しようとしているのです。
④マリアンは何故殺されたのか?
娘が屋敷を脱走して使用人宅へ向かうことははじめの計画にはなかったはずです。息子や娘むことともに生き残りリストに入っていたと思われます。ちなみに、前妻姉妹の命令を無視した市長の看護担当は新しい奥さん候補なのでは?マリアンは軍の一部が金に目がくらみ密かにおこした、クーデター内クーデターの餌食になってしまったのです。そして、真犯人が軍人だとバレると何かとマズいと思った制服トップが、全てを使用人たちのせいにして揉み消しをはかったのでしょう。
こういう映画を見た後だと、何もないけどとりあえず平和にだけはこれ幸い恵まれている日本に生まれて本当に良かったと思うのです。クリーンに見える輩ほど中身は真っ黒、皆さん気をつけましょうね。
予告動画だと面白そうだった。
予告動画だと、水道から出る緑の水、ゾンビ?ぽい人間。パニックホラーかな?と思って、レンタルでパッケージを見ないで借りたら・・・・内乱と言うかクーデター、貧困層に襲われた富裕層の話だった。
うーん、襲撃・惨殺、性的暴行などのシーンはリアルかなぁと思ったけど、政治的あるいは軍事的な背景が殆ど無視されていて、「だから?」って感じだった。
鑑賞動機:何か大変なことになっているらしい10割
つい欲張って手を出して、2022年の終わりが緑で塗りつぶされてしまった。何となく暴動の中でのサバイバルみたいな話だと想像していたが…。暴動は単なるきっかけで、不条理と理不尽の嵐の始まりでしかなかった。ノブレス・オブリージュどこいった。軍隊という暴力装置の恐ろしさは、中の人も実はよくわかってない。自己保存が何をおいても優先されるってことか。
時間が短めなのがせめてもの救い。
Getting Worse
だから。ますます悪くなってるんじゃないですか....
打ちこわし/略奪系な訳だから革命に非ず。ジリ貧はミエミエです。人質を一か月も閉じ込めるなんて、国内のその辺に。無理でしょ。
軍の不良分子の関与がバレるとマズいんで、全部闇で処理。人質も、あの後全員、同じ様に「処理」されたんでしょうね。
新しい体制・秩序は、以前にもまして、更に悪くなったよ。
って言う、暴動が更に状況を悪化させただけに終わったと言う惨劇。
ショッキングで情け容赦無しの展開ですが、なんか一本調子で面白くなかった。と言うか、処刑シーン等々、恐怖をあおる演出が全く無いんですよ。銃声だけ、ってのが数か所。これって、どんな狙いがあるんでしょうか。また、さすがに、あの誘拐&身代金振込の組織犯罪は、ずさん過ぎて現実感が無いです。
これがショート・フィルムなら、「面白かった」って言えると思います。
よかった
貧困層と富裕層の対立を描いているのだけど、一部を切り取って富裕層側からの目線で描いていて、全体像がよく分からず非常に食い足りない。もっとすごい面白いのを期待していて、実際面白くできそうなので残念だ。メイドが貴金属をごっそり盗っていくのがらしくていい。
根は階級格差か
(劇中で明示的な説明がないので想像だが、)メキシコを擬した某国で、貧富格差を背景に起こったデモが暴動と上流階級への襲撃・略奪に発展、これを契機に軍が政権を掌握(クーデターか戒厳令か)。秩序回復がままならない中、下級兵士の一団が上流階級子弟の誘拐ビジネスに精を出す。
裕福な一家の娘である主人公も誘拐された一人で、事件は父の知己である軍政の指導者とおぼしき将軍の知るところとなり、当該兵士たちは即座に銃殺される。
そして、救出された主人公は彼女を保護した兵士により殺害される。彼女の解放に奔走した使用人の親子が誘拐の「犯人」とされ処刑される。
娘を失った父は将軍と並んで、自分の使用人や同様に犯人に仕立てあげられたのであろう人々が絞首される場に立ち会う。国歌とおぼしきファンファーレが鳴り響く。
ニューオーダーというタイトルだが、この映画は今までと違う新たな秩序の到来というより、
・階級格差と相互不信
・組織犯罪の担い手が実は政府側の人間
・治安組織は組織内の不正に厳しく対処するが(犯人兵士の死体がガソリンで燃やされたのは見せしめ)、身内の恥は隠蔽する(娘を殺害したのは明らかに口封じで、他の被害者も殺されただろう)
・暴力を持つ者が支配する
といった、今のラテンアメリカ(と決めつけられるほど知識がないが)社会の病巣的問題を濃縮したディストピアの一例として寓話的に描いたように思える。
特に、使用する側とされる側の間で育まれた信頼や疑似家族としての階級を超えた親愛の情が、無意識あるいは意図的な悪意により、下層階級へのヘイトとして固定化され、結局は支配の道具となってしまう様がどうしようもなくやるせなく感じた。
個人的胸くそ悪い映画のトップ3にランク入り。
"予定調和なんかしてやらない!"な映画
なかなか衝撃的場面の連続でしたね…。
背筋も凍ると言うか…中途半端なホラーよりもよっぽど寒気しましたわ、これ。
中盤から後半は、もうほとんど人質にでもなったような気分で過ごさせていただきました…笑
で…
"新しい秩序"下では、不都合なものは、徹底して闇に葬り、"それ"は無かったこととなる。
そして、下らない映画的、ハリウッド的予定調和なぞ…
Mierda!…でした(笑)
*90分間ドキドキしたい方は、どうぞ!
でも、心臓弱い方はダメダメ!笑
*ちょっと補足。
中南米では、empleada(エンプレアーダ)と言って、超金持ちでなくても中流家庭であれば普通に"お手伝いさん"を雇っている事が多いです。だいたい低下層のインディヘナのようです。そして、お金持ちは、だいたいヨーロッパ系の白人ですね。
この作品では、低下層の人々が反乱を起こして政府を乗っ取ったのかと思いましたが、違いましたね。やはり、バックにいるのは白人の金持ちでした。
あるのは、暴力
幸せになるはずの結婚式
そこに、貧困者が暴徒となり現れ
従業員達は、裏切る
さんざんこき使いやがってって。
助けてくれるはずの軍も同じ
安月給で命かけられるか!
今のウクライナの戦場も同じ
掠奪、レイプ、殺人
やるせない
話だが
これから
ありえる話だろうなあ!
恐ろしい作品
最初は、結婚披露パーティーだったけど、突然暴動がおき人が殺された。
その後、政府だか軍隊だかなんだかよくわからない奴らに制圧され、お金を要求され全く理解できない!最後は、そいつらは悪者で射殺され焼却されたが、その前に主人公が使用人と一緒に射殺された。とっても気分が悪い作品でした。
だとしたらまだ序章
経済格差によるデモを切っ掛けに暴徒が溢れ混沌とする地域で、結婚式を行う富裕層の家が襲撃を受ける話。
冒頭、不穏な病院や外の様子を映すプロローグから一転、豪邸で行われる結婚式と始まって行くけれど、プロローグは後の様子をみせているものではない!?
イタズラと思われた緑は、そんなものでは収まらず虎が暴走。そして威をかる狐達。と思っていたら、まだまだ子猫ちゃん!?
町の状況考えると、皆さんお花畑ですか?
現実世界で言ったら、そんなんだから国として貧しいし国民も貧しいんだよとか、食い潰すだけで滅びるだけだろうにとか感じるけれど、見え隠れする第三帝国感。
兎に角胸クソ悪くて堪らない(誉め言葉)けれど、結局それ一辺倒で少し単調だった。
流石にここまではとは思うけれど、メキシコに限らず、中南米辺りではちょっと現実味がある様にも感じるのがまた恐ろしい。
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