ニューオーダーのレビュー・感想・評価
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緑怖い
序盤の絵や画像で精神をぐぐっとやられ、鬱ダメージが6分目くらいになった。
予告とか観てなくて、覚悟をしなかった自分を呪った。
蛇口から緑の液体が流れるも楽しい結婚パーティ
一気に貧民街の方々から襲撃、強奪、殺戮されてしまう。
優しい花嫁マリアンヌ。
主人公かと思ったらモブ化してた。
要は軍はこんなえげつない事をしてますよって他人視点ではなくマリアンヌ目線で観てた人への恐怖の植え付け成功。
あんなに暴動やデモ、強盗などが蔓延る街で何故彼らはお引越ししなかったのか…
ストーリィ上仕方ないとはいえ、お金あるなら安全地帯に行こう。
ユートピアとディストピアは薄い壁一撃で崩れ落ちる。
現代日本ではなかなか無い光景だが、どこかの国ではきっと行われている日々なのだなぁ。
爛々と輝く瞳で家中のものを強奪するメイド。
対して主人の為と思って支える使用人。
それを誘拐犯と決めつける主人。
銃弾のようなドラムロールの中、処刑される使用人。
見守るお偉いさんの癒着。
悪とか正義とかがごちゃ混ぜになっていまは緑の世界になる。
そのうち黒くぐちゃぐちゃになるのが予想できる。
期待していたヒーローは来ない。
経済格差が引き起こす上流国民と下流国民との対立
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」の流れで鑑賞。
コレはまたどぎつい映画でした。メキシコという事で?、ストーリーが開けっ広げで単調ではあるものの、作り込まれてないリアルが垣間見れた。
皆、日本ではこんなことはないに違いないと思っているが、近年の闇バイトでの押し込み強盗、俺俺詐欺にもみられる様に、一定のきっかけがあれば一気に流されてもおかしくない状況にも思える。
この映画を観る人の立場によっては、もっと規制をかけて体制を維持しないとと思う人もいれば、金持ちが富を独り占めしてるんだから奪われる可能性もあるだろ、自業自得だと思う人もいるかもしれない。
過去の大戦が終わって約90年、次第に分断が広がっている今日この頃の日本人の心理に一石を投じる映画なのは間違いない。
誰も救われない胸糞映画
YouTubeの胸糞映画紹介で知り鑑賞。その通り誰も救われない胸糞映画だった。
前半と後半のギャップがやばい。華やかな前半と絶望しかない後半、もはや別の映画をみてるみたい。
緑の水に始まり徐々に不穏な空気になってくのが怖い。不吉の象徴が緑ってのがエイリアンの血みたいで不気味。
サイレンや叫び声など直接画面を見せずに、聴覚で恐怖を伝えてくる演出がうまい。BGMがないのもリアルに感じる。
まじで救いようのない映画なので万人向けではないだろう。胸糞映画好きじゃないと見てられないと思う。
まさにディストピア。
メキシコを舞台にした、胸糞が悪くなるディストピア映画だが、メキシコ人はどう見るのだろうか❓フランスとの合作だが、フランスも革命で出来た国なのでこういうことが再び起きても不思議でないのかもしれない(そう言えばオリンピックの開会式も胸糞が悪くなったが)。心優しいマリアンにはどんな形であれ生き残ってほしかった。日本ではこういうリスクは低いのだろうが、共産党勢力が伸びてしまったら全く有り得ない話ではないのかも?
シミュレーションみたい。
これからの貧富の差が広がり続けた少し先の未来の様な作品だったがコレは映画なのか? 数人の視点でストーリーが進んでいるが何も解決せずただただ状況が悪化しいき流されるままの登場人物を観ているだけだった。
資本主義と分断の行き着く先。金より命があまりにも軽い。
ひと昔前なら主人公が自らの選択によってひたすら悲惨な目にあう実存主義的な不条理映画と捉えたでしょう。ですが、この作品で気が付くのは、世界ので起こってもおかしくないリアリティです。特にメキシコにおいては実話に基づくとか言われても納得しそうです。 そして、この映画を見るときに誰の視点で見るか?というのもポイントになる気がします。金持ち、労働者階級のどちらでしょう?入院云々の話などで主人公のマリアンをいい人に描いているし、はじめの方の展開が彼女中心なのでマリアンに乗っかる感じもあります。一方で、前半では金持ち階級が嫌な感じで描かれていましたので、彼らが悲惨な目にあって悪い気分ではないのも事実です。裸で水をかけられるシーンも、エロというよりみじめさが際立っていて、金持ちも剥かれれば一緒などと思ってしまいます。 ですので、ひょっとしたら我々の打倒金持ちの妄想を映像化したという意味もあるかもしれません。 で、この映画なぜ緑か?ですよね。緑は自然…ではなく、アメリカでは不吉な色の様です。毒のイメージもあるみたいですね。キリスト教だと異教徒の意味があるそうです。メキシコの国旗を最後に移したので国旗が表す色として、緑・白・赤は、それぞれ独立・信仰・統一の意味だそうです。つまり、独立ですよね。ニューオーダーとは新体制の意味ですので、この映画の内乱の意味が独立ということなのかなと思わなくないですが、やっていることは誘拐犯罪とテロリズムなので何とも言えません。 逆にマリアンの印象的な赤いスーツとあわせて、映画そのものがメキシコを表現したともとれます。 一方で、冒頭にマリアンが全裸で緑の床に白壁の中、びしょぬれで立っていました。つまり、「統一」の赤がない状態です。そこに屍の山が血(赤)だらけで映されるので、統一は血によってなされているととることもできるでしょう。 20万ペソとか80万ペソとか金と命の比較を強調していました。細かい金のやり取りで命が奪われていくところ、軍のエライさんが国を牛耳っていること。金より命。それがメキシコの現実でもあるでしょうし、世界のどこでこの事件が起きても不思議ではないです。つまり資本主義と分断の行き着く先でもあります。日本では起きませんようにと祈るだけです。 具体的な話ですが、象徴的なイメージもあって少し難解です。1度見ただけでは正解到底たどり着いたとも思えませんでした。グロテスクな映画と言われているようですが、私は世界で起きていることの方がよっぽどグロテスクな気がして、そこは気になりませんでした。
ドキュメンタリータッチだが中途半端
ドキュメンタリータッチといえばいえるのだが、単に汚い構図と雑な編集とも言える。要するに中途半端。 善人たちが虫けらのように殺されていくのを淡々と乾ききった描写で撮るのがリアリティーだと思っているのかもしれないが、撮影も編集も雑すぎて逆に荒唐無稽さが際立つ。ひたすら退屈な映画。
今もどこかで
同じようなことが起き得る。
貧富の差が激しい南米、中南米。(メキシコ想定)
リッチ層、調子に乗ってると痛い目に遭うぞ。
貧困層の使用人を優遇しないと牙を剥かれるぞ。
というようなメッセージ?
国内の階級(インドのように明確なものはないが)による反乱。
とはいえ、これは酷い。
地獄絵図である。
使用人達の逆襲は暴徒化した下層(多分)兵士によって先導されたものなのか?
どんな風に先導したのかよくわからない。
少なくともクリスチャン(使用人の息子)は知っていた?
不機嫌そうにパーティーを手伝ってたおばちゃん達もタイミングを見計らっていた?
嬉々として金目のものをバッグに詰め込むシーンは反吐が出そう。
心優しいマリアンヌ。
元使用人の奥さんのためにパーティーの途中で外へ出たことは、逆にすぐに殺されずに済んでよかったかとも思えたが…そんなことはなかったか。
手術代20万ペソってどのくらいの金額だったんだろ。
富裕層数人のポケットマネーを合わせれば出せる金額?
保釈金(払うのも腹立たしい!)を払って解放された後の射殺…もう絶望感しかない。
マリアンヌがかわいそう過ぎ。
クーデター。
日本とは無縁と平和ボケの私達は思うけど、今も世界のどこかで起きてることだからね。
怖い作品だった。
リアルな話し
この映画、メキシコの近未来となってますが、これ現実でしょ!って感じました。 丸山ゴンザレスさんがメキシコ、コロンビアによく取材に行ってますが、ほんとに現地の警察に軍が腐ってます。まともな警官、軍人もいますが。コロンビアだったか、鉱山の違法採掘が摘発されたはずが、しばらくするとまた違法採掘されている。抜き打ちで摘発のはずが、数日前には情報が漏れていて、それも警察だったか軍だったか、上層部が漏らしているらしい。 メキシコでも警官の上層部がカルテルと癒着していたり、この映画見てたら、これ現実だよね。と。 『音の谷ラテンアメリカニュース』を見てください。ほんと、麻薬カルテル絡みの◯人、身代金目的の誘拐、ゲリラによる警官殺害、誘拐、少女がレ◯プされて◯された。カルテルの◯害方法が恐ろしい。ここには書けないレベル。 どれだけ毎日人が亡くなっているか。ほんと日本でも沢山事件はおこっていますが、比じゃありませ ん。丸山ゴンザレスさんがメキシコ行った時、普通に道端に◯体が転がっていました。メキシコのとある女性市長がカルテルに襲われ、旦那さんが亡くなり、市長が重症をおって助かったけど、その後2度目の襲撃で亡くなったと。日本に生まれて良かったと思う反面、他国では日常茶飯事で恐ろしい事がおきているんだ…と考えさせられる映画だなと思いました。
ポスタービジュアルがミスリード
蛍光緑のポスターで勝手にパンデミックものかエイリアン的なのを想像してましたが、もっと社会的なやつでした。冒頭の雰囲気はとても良い。元使用人が病気で金の普請に来る、金持ちたちは適当にあしらおうとする、確かに8年前に働いてたってちょっとつながり薄すぎるよね、でもきっとこの金持ちたちにとっては小銭レベルじゃない?20万を出し渋ってたけど娘の身代金80万はその場で出てきたもんね。冒頭贅を尽くしたパーティをしている金持ちたちが襲われるのは本当に小気味が良かったです。元使用人を追い返した家族に反発したマリアンがそれを逃れたのもとても良いよ。最後その善人たちが助からないというのもシニカルで良いと思う。でもいまいちニュー・オーダーというその体制がよく分からんかった。最後死刑を見届けてたのってビクトル?この金持ちを誘拐して資金稼ぎするということがニュー・オーダー?でも人質みんな殺されてるっぽいし。細かい描写や人物像はとても丁寧で見やすいのに、ストーリーの幹の部分がなんかぼやけすぎてて消化不良した。
まあ嫌な気分にはなります
最後も口封じで〇〇とか、捕まってレイ〇されるとか嫌な事の連続なんですが特に余韻も無く、うわああああああああって感覚もそこまで無いし、あーそうなっちゃうんだな!くらいの感じでした。 胸糞系の作品ですが韓国の一部の作品に比べると酷い話ではあるけどパンチは弱いですね。
北野武の近作の緩さが哀しい。
必見。 この重量の悲劇と憎悪の折り重なりが今昔の戦争の火種なら、 私の無邪気な反戦など軽薄軟派。 我が国では起きない(と思いたい)激辛の修羅場。 乾いた暴力の下敷きだろう北野の近作の緩さが哀しい。 首をこのテイストで撮ったなら。 高橋ヨシキ氏推薦作。
86分に凝縮されたディストピア
最初の幸せな時間からの、暴動が起こるまでの時間がちと長く感じたけど、貧困層の暴徒がお屋敷に入り込んできたと思ったら使用人もバッシバシに裏切ってお宝持って逃げるし妊婦だとしても容赦なく殺すし、おおおおお…ってなったのも束の間、昔の使用人が妻の手術費をどうにかしてくれないか、、というお願いを主人公の家族全員が体よく断ろうとしてるのに、あたしがなんとかする!と使用人の男の子を連れて出て行く。
正義を貫いたから家での残虐な暴動に巻き込まれなかったんだね、よかったねーと思いきや、もっとひどいやん。
金目当ての下級兵士に誘拐されて、布団もないアスファルトの床で雑魚寝、レイプされるわ、拷問されるわ、お風呂は水をホースで浴びせられるだけ、という信じられない地獄に突き落とされ、兵士同士の抜け駆け施策に主人公も使用人も使われて、結局色気を出しすぎた兵士のせいで地獄の生活場も無くなってよかったねーと思いきや。
主人公をやっと家に連れて帰ってくれるのか、そこだけハッピーエンドか、うんうんと思いきや。
身内の不祥事は隠せ、と言わんばかりに善人の使用人の家で守るべきはずの軍人が主人公を射殺、息子はその隠れ蓑にされて射殺され、お母さんは公開処刑。
もう、なんなのよ…
結局軍事国家になると、暴力を支持できる人が一番強いんだな。
で、あんなに暴動起こしててもブルジョワのお家の方はちゃんと守られてるってところに、暴力とお金の切っても切れない関連性が垣間見れる。
ライムスターの宇多丸さんがオープニングの絵のタイトルをラストにドンっと出すのがスマートだ、と言ってたけど、読めなかった…!なんてタイトルだったんだろか。
追記:初めてトラウマ級に脳みそにこびりつく作品だった。
理不尽で不愉快極まり無い恐怖
物語のダイジェストをオープニングで流す断片的な映像に混乱しながら劇中では映されない場面も数々、本作と同じ製作年のメキシコ映画『息子の面影』と同様に大丈夫か?メキシコという国は!?と半信半疑ながらも不安になる、起こる事柄が理不尽極まりない不愉快さで観ていてイライラしながらも胸糞悪い感情がラストのオチでピークに突入してしまう、非現実的でありながら近い将来の日本が陥りそうな気さえする、戦中、戦後でも有り得たようなそれと近い何かはあったんじゃない?? ミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』並に救いようの無いショッキングな内容とそれよりも歯痒い下々の叛逆から金持ちの傲慢さ、それだけでは済まない国家権力という悪魔そのものに敵う余地などまるで無く発散できない怒りが込み上げてくる、本作の監督であるミシェル・フランコの作品を初めて観たがハネケみたいに嫌ぁなのばっかり撮る感じなのか?他も観て確かめたくなったり。
【”新しい秩序。”社会派ミシェル・フランコ監督が”格差社会を解消しないとこの映画の様になるかもしれないよ・・。”と物凄いシニカルな視点でメッセージを発信した恐ろしい作品。】
ー 冒頭は、格差社会の上位と思われる人たちが、主人公マリアンの結婚式を祝いに来ている。皆、瀟洒な衣装に身を包み談笑している。
だが、その外部では暴徒化したメキシコの軍勢が今までの社会秩序を崩壊させるが如く、非道極まりない行いをしいていた。-
◆感想・<Caution!やや内容に触れています。>
・社会派ミシェル・フランコ監督の言わんとしている事は良く分かったが、観ていて相当にキツイ映画である。
・マリアンは式を抜け出して、元召使のロランドの娘、エリサを助けに町に車で出るのだが、アッサリ暴徒化したメキシコの軍勢に捕まり、非道なる仕打ちを受ける。
ー 善が機能していない事を、示している。-
■因みに、リドリー・スコット監督の「悪の法則」では、メキシコの麻薬カルテルの異常なる残忍さが描かれている。
ペネロペ・クルス演じる美女が恋人の弁護士が麻薬カルテルと接触してしまった事から、トンデモナイ事をされるのだが、ブラッド・ピットが演じた男が”メキシコ人の一部は人間の姿をしているが、中身は別の生き物だ。”と言う台詞がある。
何故か、今作を観てその台詞を思い出してしまったよ・・。
<舞台はメキシコであるが、もしかしたらどの国でも起きてもオカシクナイ気がする映画である。
マリアンにとって、人生最良の日となる筈の日が、最悪の日になるというシニカルな展開も、鑑賞後の実に嫌ーな感じに輪を掛けて来る作品である。>
社会問題への注意喚起と、それに対する民主主義的な解決を願う監督による作品
メキシコのリアルな社会課題が描かれていると聞いて映画館へ足を運んだ。 冒頭の結婚パーティーから圧巻。貧富の差、富裕層内での癒着、お金のやり取り、コカインなど薬物との共存、子供に対する親の権力など、リアル。 その上でクーデター。 富裕層から急に身柄を拘束される側になる人々の様子や、クーデターを起こした軍も結果的に権力に癒着していく様子が生々しい。 ミシェル・フランコ監督の民主主義による解決を求める声が詰まった映画だと思う。
中々の胸糞具合
ひとつも救いの無いディストピアムービー。 格差の抗議運動が暴徒化、合わせて軍事クーデターという、天国から地獄に急転直下するような作品。 無秩序の中駆け抜けるような全編パニックで、地獄絵図を延々と投げつけれらます。 不快になるようなアイディアがものすごく、ルイヴィトンの店舗前なんて強烈な絵面でした。 派手な演出の中にも、全くありえないことでは無い恐ろしさがありました。 久しぶりに中々の胸糞具合でしたね。
面白いとは言い切れないが特別さは感じる
これは衝撃的でなかなか興味深い作品ではあるものの、娯楽性という意味では少子物足りないものがあった。 貧困層が富裕層に対して牙を剥く対立の物語ではあるけれど、その奥には暴力による新しい秩序の構築がある。平たく言えばクーデターだ。 これら一連の展開が容赦なく描かれ、一筋の救いもないところが本作の魅力といえよう。 いうなれば、善が悪に蹂躙されるだけの作品だ。 そこに慈悲や躊躇いのような葛藤がないところがすごい。力あるものがさらなる力を手にするため、その障害となるものは全て駆逐する。人間をいとも簡単に処分する。人が人ではない、何か物かのように。 力のない者が淡々と塗りつぶされていく様を見るだけでドラマ性が薄く、すでに書いたように娯楽度は高くない。 それでも、次々に襲いくる容赦のなさに恐怖を感じ、作品に特別さを見出す人の気持は分かる。
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