「誰もがおひとりさま」私をくいとめて いたるさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もがおひとりさま
「私をくいとめて」観ました!
31歳おひとりさま女性のひとりを望みつつ、恋をした現実と理想を描いたドラマ。
「勝手にふるえてろ」の原作・綿矢りさ、監督・大九明子の最新作。
ヒロイン31歳おひとりさま女性・黒田みつ子をのん。
年下営業マン・多田くんを林遣都。
みつ子の親友・皐月を橋本愛。
これだけで最高なキャスト。
31歳おひとりさま女性・黒田みつ子はおひとりさま生活に慣れすぎて、脳内に自分のことを否定せず、求めてるアンサーを返してくれる脳内相談役Aがいた。
土日は1人でお出かけしたり、掃除や料理などをして満喫している。
誰もが1人を好むが、誰もが孤独を嫌う。
その孤独を補うためにもAという存在が必要なみつ子。
Aは自分であるが、Aがいなくなることを恐れ、行動に移せない。
そんなある日、年下営業マン多田くんとご近所が判明。
そこから謎のご飯をお裾分けする関係に。
そんなおひとりさまの日常。
序盤はみつ子の生活模様が分かり、多田くんとの関係にもやもやしている。
中盤で2年前に結婚した皐月との関係性により、みつ子とAの関係が分かる。
そして終盤にて行動を移すといった構成。
一見いらないような皐月との再会なども全てに意味がある。
皐月に会った際に、お互いの気持ちが理解できているのが、親友であり、支え合ってたことが分かる。
その中でAの完璧なアンサー。
また皐月という支えがいなくなった時、不安な時に代わりにAという存在がいた。
恋をして新たな支えができた時にAも消えてしまうのではないかという不安。
自分では決めれないからAと相談してきたみつ子。
しかし、Aも自分自身であり、今までもこれからもAではなく、みつ子自身で決めてきたことが分かる。
またみつ子の感情が周りの電気の点滅具合で表現されてるのも分かりやすい。
多田くんが来た時にはまだもやがありながら、帰る時に電球を変えることでもやがなくなっている。
またLINEの返信に対して、みつ子が1周くるっと回ることで電気の点滅具合の変化など見ていて気持ちいい。
飛行機での音楽の演出は良き過ぎる。
さらに皐月との関係性。
一目見ただけ、一声でお互い理解しあってる感がいい。
2人で泣くのが良い。
あまちゃん以来の共演であるのんと橋本愛というキャスティングがまた良い。
タイトルの「私をくいとめて」が来た時の最高潮。
ここで来るのかと思う。
またAのなんでもできるというのは、みつ子自身がまだまだなんでもできるという可能性を秘めている気もする。
1人でなんでも楽しんでいる側からしたら凄く分かる内容にも。
誰もが1人になりたいし、孤独を嫌う。
誰もがおひとりさまであり、誰にでも当てはまるような、そんな映画。
「みんな生まれながらのおひとりさまなんだよ。人といるためには努力が必要。」
独身女性の先輩の言葉が実は凄く刺さる。
全キャストがハマっていた。
のんとみつ子の可愛さが溢れてた。