「君は天然色について語りたい」私をくいとめて masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
君は天然色について語りたい
よく私の馬鹿レビューを覗きに来てくれました。レビューが遅くてごめんなさい🙏
色々思うところが有って原作を買って読みました。理由はのち程語ります。
さて皆様は「君は天然色」と言う曲を知っていますか?タイトルは知らなくても日本人なら誰でも知っている名曲です。
♫くちびる つんと 尖らせてー
1981年にリリースされた大瀧詠一さんの名曲です。今もCMのタイアップに使われています。大瀧さんは旅立ちましたが楽曲は永遠の命を得ています。凄いですね。
ここから大瀧詠一さんについて語り・・・ません。
終わらないからです。ただ山下達郎さんと佐野元春さんを世に送り出してくれてありがとうございます。
「君は天然色」が収録されているアルバム「A LONG VACATION」ですが全曲、松本隆さんが作詞しています。つまり世界観は松本隆なのです。
1980年6月、隆の6歳下の妹、由美子が虎ノ門病院に緊急搬送されました。しかし・・・同年6月13日に旅立ちました。享年24歳。
小さい時から由美子は病弱で世話をしていた隆は大変な衝撃を受けます。後に世界から全ての色彩が消えたようだったと語っています。
♫思い出はモノクローム 色をつけてくれ
大瀧詠一さんから次のアルバム(A LONG VACATION)の作詞を依頼されていました。しかし隆はショックで、歌詞が書けなくなっていたので断りました。しかし大瀧詠一さんはこう言いました。
いいよ、俺のアルバムなんて、半年でも1年でも待つよ。今回はお前じゃなきゃダメなんだよ。
由美子の気持ちはこうでした。売れっ子の兄には心労をかけたくない。逝くならひっそりと逝きたい。
♫別れの気配を ポケットに隠していたから
半年経ちました。隆は万感の想いを込めて、作詞に没頭して大瀧詠一の新アルバムの作詞をしました。タイトルは・・・
「A LONG VACATION」
そうです。由美子を音楽の中で世界に連れ出したのです。死んだんじゃない永い休暇だよ。カナリア諸島でもどこだって連れてってやるよ。そんな寓意を込めました。
なんかネガがポジになる。あるいはポジがネガになる。いやどっちでもいいんです。ノー天気な曲でもいいんです。受け手の自由ですから。
はい。私が気になったのは「君は天然色」をフューチャーしたのは大九明子監督かまたは原作の綿谷りささんなのかか?
しっかり書かれていましたよ。綿谷りささんの小説に。歌詞まで書いている。「カナリア諸島にて」の歌詞も書いている。嗚呼・・・わかっているんだね。この曲は実は鎮魂歌(レクイエム)だと言う事を。主人公は飛行機の中で命を失う事を覚悟した。つまり自分への鎮魂歌(レクイエム)です。
枕を終わります。いや枕なのか?どうなのか?
主人公 みつこ(のん)はお一人様ライフを満喫しています。年齢は31歳。なんとも微妙な設定。若くもなくおばさんでもない。同年代は結婚、妊娠、出産、育児、
どうなんだ?同調圧力なのか?周りもうるさいぞ!
ただみつこには救いが有ります。脳内相談役の
A (中村倫也 声のみ)
顔は出しませんが的確なアドバイスを送ります。そりゃそうだ自分だし。A はアンサーのA .お一人様のA 。
みつこは取引先の多田くん(林遣都)が気になります。みつこより3歳年下です。多田くんも私を好きかも?何故なら托鉢でみつこの料理を貰いにくるから。
ある時、多田くんを自室に上げて一緒に食事をとる事になりました。多田くんといいかんじ。ただそれだけです。うーん、もどかしい。
翌日、会社の先輩のノゾミさんに報告します。するとストレートな一言。
やった?
演じる臼田あさみさんはいいなあ。架空OL日記のイメージそのまま。とにかく明るい。少し浮いているカーター(若林拓也)が近づくと挙動不審になります。乙女だねー。
みつこはお一人様で温泉に行きます。風呂上がり宴会場で芸人さんがお笑いをやっています。トリはなんと
あの吉住さんです。シュールで面白い。しかし酔客に絡まれ大変な目にあいます。みつこは切れました。馬鹿野郎!嫌がってるじゃねえか!やめろよ❗️と言い・・・
ません・・・
裏でぶち切れますが相手は A 。側から見ると独り言ですが・・・私の敵は私です。ファイト!
大九明子監督は元女芸人です。優しい視点が滲み出ています。お笑いに性差はございません。いつの日かM1で女性が優勝する日が来ます。きっと。
年末のある日、みつこは学生時代の親友皐月からイタリアに誘われます。皐月はイタリア人と結婚してローマに住んでいるのです。しかし・・
みつこは飛行機が死ぬほど苦手。あんな重い物が空に浮かぶのはおかしい!わかる。私も苦手だもん。
ふと窓の外を見ると化け物が翼の上でエンジンを破壊してるよ。見ないふりしてカーテンを閉じます。しかし気になり少しカーテンを開くと・・・
化け物が窓の外に‼️目が合った‼️
それトワイライト ゾーンの2万フィートの戦慄だよ‼️
すいません。みつこは恐怖にかられパニックになります。そこに声が聞こえてきます。そうです A の声。
落ち着くのです❗️まずそのイヤホンを耳につけるのです❗️音楽を聴くのです❗️
チューニングから ドラムカウント 豪華なイントロ
♫ くちびる つんと 尖らせて
出ました!「君は天然色」
鮮やかな場面、ポップな演出です。楽しい。面白い。一生忘れない。でも・・・あれ?私の頬が濡れている。なんでだ?
イタリアに着きました。そこにいたのは なんとゆいちゃん!
違います。皐月です。演じるのは橋本愛ちゃん。朝ドラのあまちゃん以来の、のんちゃんとの共演です。潮騒のメモリーズです。盟友です。
いや折角、頬が乾いたのに・・・またかよ❗️許してくれよ❗️私をくいとめてくれよ❗️
橋本愛ちゃんはのんちゃんの事を玲奈ちゃんと呼んでいます。かってはのんちゃんは能年玲奈でした。本名を奪われてのんになったのです。
千と千尋の神隠しかよ‼️
芸能人は名前が命。海月姫は2014年公開ですので丸6年ぶりの主演です。(星屑の町はゲスト)
閑話休題、みつこと多田くんの恋はどうなるのでしょうか?シャイな二人です。ナックルボールのように行き先がわかりません。幸せな結末(はっぴいえんど)がくるのでしょうか?
最後のロケ地もいいなあ。原作では浦安のテーマパークでしたがロケは無理だし。最近違う映画で見た気がします。
のんちゃんの透明感は健在です。北欧を思い出しました。フィヨルドの少女。いや北欧行った事ないけど。
あー楽しかった!fun✖️4
のんちゃんは爆発的な演技力があるのでやっぱり映画館で会いたい。神隠しのように消えないで欲しい。
♫ もう一度 そばにきて はなやいで うるわしの
Color Girl
とにかく長文でごめんなさい。
読んで頂きありがとうございました。
masami さん テアトル新宿、とってもいいシアターです。「星屑の町」もここで観ましたが、のんさんを劇場あげて応援しているのかなぁと。自分も新宿で「参戦」します!
結構気に入って観終わった作品なのでみんなの感想をと思ってよくよく読んでみると、やはりレビューの多さが作品の良さを物語ってると思いました。
でもそれにもましてmasamiさんのレビューに☆5つです!
ばっちり大瀧詠一世代の私にとっては目から鱗のお話です。といってもこの映画を観たのが遅かったのでNHKで今月やってた 『NHK MUSIC SPECIAL 松本 隆 50年 ~時代と人をつないだ作詞家』の中でご本人がエピソードを語られていたのでよくmasamiさんは早くからご存じだったんだな~って大瀧詠一愛、松本隆愛をとても感じました。
トリビュートアルバムも昨日届いたので車の中でヘビーローテーションしてます。メロディ先行で聴いていた自分ですが松本隆さんの各曲の詞をしみじみ聴くと深いい内容で今更ながら松本隆さんの才能に驚くばかりです。そんな松本さん、大瀧さんがコラボした『A LONG VACATION』は素晴らしいはずです!またこちらもずっとお気に入りアルバムでしたが再びヘビーローテーションになること間違いなしです!
素晴らしいレビューをありがとうございました。感動です!
CB様コメントありがとうございます😊いやいや、いつもですが枕が長くて怒られたらいやだなあ、そんな感じですよ。しかし褒められるのは感謝の言葉しかございません。はい。大瀧詠一と松本隆は本文中には言ってないんですが大好きです。
凄い凄い凄い凄い凄い!!!!
ほとばしる大瀧詠一愛、松本隆愛、そしてそれらと並ぶ本作への愛。綿谷さんへのリスペクト!
masamiさんの数ある傑作レビューの中でも、頂点に近い力作でしょ! 映画と同じくらい楽しめちゃいました。入場料払わなくてすみません。高齢者だからただで許して。
中ちゃん様コメントありがとうございます😊いえいえ私もですよ。なんかフォローしている気がしていましたよ。失礼ながら落語と赤塚不二夫先生が好きなのかなあー
とお察しします。
あとわかります。軽い文書ですが楽しんでもらえているのか?
褒められると豆柴くらい喜びます。U^ェ^U
フォローありがとうございました😊実はずっと前から楽しく拝見していました。今回のレヴューは、特にじんわりきました😭文章書くのって身を削る作業なので大変だと思いますが、楽しみに待ってます。
りやの様コメントありがとうございます。松田聖子さんですか・・・松本隆と松任谷由実。
松のトライアングル❗️ユーミンの名義は違いますが・・・
一番好きなのは赤いスイトピーとB面の制服‼️
A 面で恋をして B面で魂が震えました。
もりのいぶき様コメントありがとうございます。こんな長文を読んで頂いた上、コメントまでしてくれるとは・・・
私はこのアルバムを聴くたびに心のなかで、泣きます。好きすぎてそんな思いをこのレビューに込めました。
ゆり。様コメントありがとうございます😊なんか登場する方がみんな優しく優しく・・・単なポップなだけじゃない。深いですね。
♫生きているだけで 不思議だ
カナリア諸島から
masamiさんへ
大瀧詠一の君は天然色、大好きな曲です。
この作品を観たからか、今マイカーにはA LONG VACATIONの CDが入っています。
佐野元春、山下達郎、も大好きな歌手です。
松本隆の詩は松田聖子によく提供されてますね。
この一曲の背景、広がる世界を教えていただきありがとうございます。
のんは能年玲奈で出て欲しいと思います
masamiさんへ 大瀧詠一のCD、うちにあったよなあと探してみたら、正に、『A LONG BACATION』が出てきました。そして、まだ開封していませんでした💦すみません、すべての大瀧ファンに謝ります。セールでまとめ買いしたうちの1枚でした。で、改めて聴きました。明るい曲調だけど、裏話を知ってから聴くと感慨深いです。映画が作れそうな話ですね。
masamiさん、お邪魔します。
「君は天然色」
とてもアップテンポな曲ですので
そのようにして生まれた曲とは知りませんでした。
というか
アルバム全体がそうして出来たのですね。
改めてしみじみと聴いてみようと思います。
※masamiさんのレビュー自体★5つです。
今晩は
面白くも、拝読していたら結構、沁みてしまいました・・。
私は、ナイアガラ世代ではないのですが、あのあたりのアルバムは全て聴いており、意外だったのは幼き子供たちが「A LONG VACATION」を始め、ほぼ全アルバムが好きで、家族旅行の時は車内で流していました。
名曲は世代を問わないのだなあ・・、とも思いました。
今作、面白き映画でしたね。
とても、好きです。
では、又。
松本隆愛にあふれるレビューありがとうございます。
今度聴くときには注意深く聴いてみることにします!
俺はどちらかというと、「トワイライトゾーン」に反応してしまい、シーンが思い浮かんできました。ついでにマンハッタン・トランスファーの曲も人前で演奏したことがあるので懐かしく感じてしまいました。ネイティブだと「マンハッ・ン」です。
「愛しのカレン」派のBloodです。そう言えば「カレン」も亡き人を偲ぶ歌詞に読めない事もないですね...
そんなBehind the storyがあるなんて知りませんでした。柄にも無くシンミリしてます。ちょっとお腹減って来たってのもあるけど。
日本のロック史に残るあの名盤にそんなエピソードがあったなんて!
このレビューのそこら中に漂う大滝詠一愛!松本隆愛!
さり気なく彼らの曲をしのばせるなんて憎い!憎すぎます!
あー、楽しいレビューありがとうございます