わたしは金正男を殺してないのレビュー・感想・評価
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かなり興味深かった。
日本では、国際ニュースが本当に少ないからガラパゴス感半端無い。こんなことになってたの、知らなかった。
NHKあたりで流してもらいたい。
すごく意義のある映画だと思った。
しかし、美味い話には裏があるなぁって思う。結末を知らずに観たから、2人がどうなってしまうのかドキドキしながら観た。
本当の意味でのハッピーエンドでは無いかもしれないけど、無事に殺人罪にならなくてホッとした。
世の中の不条理を考えるとモヤモヤするけど、自分は自己顕示欲もあまり強く無いタイプだから、ひっそりと日々の幸せを感じて生きていければいいなぁ、と思った。
同じ人間でも、どんな残酷な事をしてでも権力を握って世の中を支配したいという人がいて、そうしないと幸せを感じられないとか逆に不幸だなぁとしかわたしには思えない。向こうからしたら、わたしの方が可哀想なんだろうけど。
普通の女の子だよね。
彼女達は目的、対象の人物を概要を知らなかったというが、金銭欲しさに何となくは把握していたんじゃないか、という思い込みが正直、鑑賞前にはあった。テレビ報道も彼女達のその後を追ったものは少なかったし。ただ、驚いたことに本当に何も知らなかったという。それは前日までなんてことない内容のインスタを更新をし、実行当日に一丁羅のTシャツ(lol)を着てくるということでもわかる。といっても実行する彼女達が気付かずに暗殺遂行してしまう計画ってよく練られているかというと違くて、なんか大学のサークルノリというか、とてもお粗末でしょうもない感じがするんよね。だからやりきれない。
あとはこの映画に限らず、こうした弱き者に寄り添う人権派弁護士を見ると、ああ、どの国にもこういう人たちがいることは救いだよ、と泣けてくる。
司法とは?
担当していた弁護士さんが「司法とは何であろうか?と考えさせられる(事例である)」と熱く語っておられた場面が思い出されます。彼ら弁護士さんの働きが国を動かしたんじゃないかとさえ信じています。仮に日本で同じ事件を起こして、日本国の司法と国家は、同じように被告らを救えただろうか?と勝手に想像していました。そして同時に、日本人拉致被害者のことも思い出されたのでした。日本国は彼らを救えるだろうか?国家っていったい何なんだろうか?
【”ブラックホールのような国”にスケープゴートにされた二人のアジア人女性が巻き込まれた”事件”の前後を描いたドキュメンタリー作品。】
ー2017年にマレーシア・クアラルンプール空港で起きた、”あの暗殺事件”は、内容は殆ど知っていた積りだが、このようにドキュメンタリー作品として観ると、彼の国の恐ろしさと、アジア諸国との微妙な関係を改めて窺い知れる作品。-
・”物理的”に”あの男”を殺害したインドネシア人のシティ・アイシャとベトナム人のドアン・ティン・フォンが”ブラックホールのような”彼の国の工作員たちに、事件に利用される巧妙な手口。
ー”イタズラ動画”を撮るから・・”とかなり前から用意周到に張り巡らされた罠。-
・”男”が暗殺された理由は、当時から言われていた事がそのまま、語られる。特に新事実はない。
ー”カインとアベル”どころではないぞ・・。その計画性を考えると、”恐ろしきかな、太った小男・・。”-
・インドネシア人のシティ・アイシャは検察側の控訴取り下げになった理由と、ベトナム人のドアン・ティン・フォンは控訴取り下げにならなかった理由。
そして、ドアンがベトナムに帰国後、SNSに投稿された誹謗中傷の嵐。
ー”ブラックホールのような”彼の国とアジア諸国との関係性も、明確に語られる。
それにしても、マレーシアの司法制度も中々に杜撰であるな・・。-
<”クアラルンプールの闇”に巻き込まれた二人の女性の人生を狂わせた事件を克明に描き出したドキュメンタリー作品。>
事実は小説よりも奇なり
北朝鮮の金日成の長男、キム・ジョンナム暗殺の顛末。
基本的にはドキュメンタリーだが、映画仕立てで理解しやすい構成になっている。
なお、この映画はアメリカ製作みたい。
容疑者として逮捕されたのは、インドネシアとベトナム出身の20歳前後の少女2人。
舞台はマレーシア、当然仕掛けたのは北朝鮮人。しかも、この北朝鮮人は日本人を騙ったりしてる。日本人の感覚としては、あんな見え見えの嘘が通じるのか?と思うのだが、同じアジアとは言え、他国のことは意外とよくわからない。日本人でも中国や韓国のことを、よく知ってるようで知らないわけだし。
しかし、この「イタズラ動画を撮る」という仕掛けを半年以上前から仕込んでいるのがスゴイ。何度も練習をさせて、しかも、2人は全く顔を合わせることなく、本番の1回だけでキム・ジョンナムを殺害する。VXガスで。手にかけて顔に塗るという手口も酷い。実行犯であるこの少女達の安全など、微塵も考えていない。
さらに、この後の裁判の顛末もなんとも酷い。
結局司法は容疑者を有罪にして面子を保ちたいだけ。証拠などどうでも良い。まぁ、司法の酷さに関しても日本も負けてはいないが。ただの官僚である検察官が、起訴するかしないかの起訴権を独占している国など日本くらい。一審を行う前のゼロ審を行っているようなもの。だから有罪率が99.8%なんてバカなことになる。まさに中世。
閑話休題。。
この裁判、結局はインドネシアとベトナムの政府筋から横槍が入って終わる。起訴を取り下げるという結果で。マレーシアの司法って何のためにあるのだろう、と思わせる。アジアは全般的に司法が酷い国が多いってことか。。
2人が助かったのは本当に良かった。
しかし、8人の北朝鮮人の容疑者は1人も掴まっていないし、マレーシアの北朝鮮大使館もそのまま。現在も国交を続けている。
要するに何も解決していないし、今後することもないだろう。
この事件の顛末は、この映画を観てようやく知った。
当時はニュースでかなり扱ってたけど、その後の話など日本のニュースでは扱わないので。
事実を知ることはそれだけで意味がある。
拉致問題が解決していない国に住んでる日本人は観るべき映画だ。
※追記
サイト運営側に一言。
何故か漢字で「キム・ジョンナム」と書くと、レビュー書く際に入力エラーとなる。意味がわからない。この単語がNGなのも意味不明だし、そもそもそれだとこの映画は論じられない。一体、何に対して気を使っているのか・・。
そんな覚悟しかないなら、こんなサイトは運営しないでほしい。
R・I・P
誰にも咎められる事なく好き放題な独裁者
綱渡りの達人
非情なリアリスト
もはや三代目を止められるのは祖父、父と同じく
自身の不健康のみ。
パワーバランスの犠牲となり二年の月日劣悪な環境に閉じ込められた二人に幸あれ。
ベトナム人が帰国後叩かれまくりなのが御愛嬌。
人事とは思わず、より自己防衛の意識を
非常に見応えのある作品だった。
この事件は日本でも多く報道されていた為知っている人は数多いと思われる。
しかしながらこの事件の詳細について詳しく知っている人は少ないのではないか。
この作品で事件の全てを理解できるとは言い難いが、それでも事件の詳細、細部、そして核心に触れる事はでき改めて北朝鮮の脅威を感じさせられる。
北朝鮮の工作員の罠に嵌り犯人に仕立て上げられたシティとドアンの2人の若い女性。
彼女らは長い年月を経て無罪を勝ち取ったわけだから今更彼女達が事件を事前に知っていたかどうかについてあれこれ是非を問うつもりはないが、少なくともこの作品を見る限り、あらゆる証拠証言からみても事前に犯行を知っていて動いていたとは思えない。
もちろんそういった事実を伝える為の作品でもある為疑いたくなるようなシーンはない。
ただ彼女らが全く問題ない行動を送っていたのか…それは違うようにも感じた。知らなかったとはいえ少なくとも金氏を殺害してしまったのは彼女達の行動が原因ではある。
見知らぬ人物を安易に信じ、目先のまとまったお金に目が眩んだ事が嵌められた原因の一つである事は事実だろう。
もちろんどんな理由があろうと人を陥れて、犯人に仕立て上げられる事は許される事ではない。
ただこの作品を観て一番感じたのは、この事件の関係者の良し悪しよりも自己防衛の大切さである。
SNSの発展により、色んな人々と関わる事が安易な時代になった。もちろんそれらがポジティブな結果をもたらす事の方が多いとは思うが、時としてネガティブな出来事に繋がる事もあるだろう。
便利なツールをネガティブな事を想定し、また否定する事で使わない事はもったいない。積極的に利用していくべきではあると思うがだからこそ同時に自己防衛の意識を高めていく事はこれからの時代ますます必要になっていく事であろう。
もちろんこの事件のように世界的な事件に巻き込まれる事は早々ないと思うが、物事を安易に受け止め関わる事が自分をネガティブな気持ちにさせ、それが自分をそして家族や周囲を傷つけてしまう誘惑はいくらでもある。
それらに敏感に、そして正しい判断を下し避けられるようにするには自己防衛意識こそが何より大切だとこの作品を観て更に痛感した。
結果として金氏の死は犯人を起訴することなく、国際政治に巻き込まれて闇に葬る形で幕は閉じた。
金氏にとっては報われない結果となったが、彼の死を無駄にしないためにもこの作品を通じて、各々がポジティブな考えを持ち、そして行動に繋がれるといい気がする。
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