骨(1997)のレビュー・感想・評価
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スラム街のリアリズムを理解できるかが評価の分かれ目!!
今作はリスボン郊外のスラム街・フォンタイーニャス地区に住む実際の人々をキャスティングしてるだけあり、より底辺の困窮ぶりをリアリティを持って描いている所が最大の見所かと思われるが、キャストが素人(?)だけあって、セリフは少ない、ただひたすらに傍観者的にフィルムを回す等、そういった手法を善しとするか否かが作品評価の大きな分かれ目になる気がする!!
自分としては後者、ドラマチックな演出も無い為、淡々とただ退屈を感じる時間が過ぎました。
先日観た「溶岩の家」もそうでしたが、個人的にはペドロ・コスタ監督の作品、リアリズムを追求した映像で自分的には辛いです!!
最後、ガスレンジの火はついています
例によって前後関係の説明はなく、とても不親切です。それでも「溶岩の家」よりはストーリーは拾えたし、ミニマムな空間ながら劇的なできごともあったので、最後までついていけました。
若い父親の長い長い歩行のシーン、黒い袋はまさかと一瞬ぞっとしましたが、次の物乞いのシーンで、(暗澹たる場面ながら)逆にほっと安堵しました。
昨今のニ元論ではあまり語りたくないのですが、「女の連帯」と「男の愚かさ(2人しか出てこない)」は意図されていますよね。
若い父親は途中ちょっと父性に目覚めたのかなと期待したのですが、やっぱりダメだったか。
一方で女性同士の眼差しは常に優しい。ラストでの唯一の微笑み&微笑み返し、声に出した笑いは、本作で二度目の安堵を私にもたらしました。
観るのに骨が折れる。
「血」「溶岩」見てなかなか本意がわからないからパンフ買ったら三作合本で、見る事にした。
「血」はモノクロスタイリッシュに、
「溶岩の家」は火山礫の島でギリギリ生きてる人達を何もない島というまな板に乗せて、
「骨」今度はリスボンのスラムで、
ペドロコスタはずっとギリギリ底辺の人間を描き続けている訳だが長編3作目にして背景を整理せず、混沌のなかにカメラを持って飛び込んだようだ。
あんまり観客のための起承転結的なドラマに興味がない監督で、スラムで起きた小さな出来事を時間軸に生きてる人間の垢みたいな物を整理して並べている感じだ。常連が多い役者チームだが皆んなキャラ濃い、眉毛濃い、男か女かわかんない、、という障害を超えて頭を整理しながら見なければいけないのが、なかなか大変である。登場人物の関係もだいたい同じ構図、ギリギリ生活の人と異邦人。優秀な役者と敢えての素人。話が街中になったせいで多少スピード感は出た気がする。イネスデメディロスは今回ちょい役だが画面で光る子だな。
3本みてこの監督の非凡さとストイックさ、で何に興味があるのかがわかった。好きな監督かと言うとそうでもないけど、、凄いことは間違いない、他の作品もたぶん観る。
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