「1989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺...」血 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
1989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺...
1989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺人を補助する/見過ごす/手を下す青年が、弟にはそれを告げないまま過ごそうとするが、弟を強引に預かろうとする叔父や父の借金を脅迫的に求める二人組に遮られる。恋人の助けを借りてなんとかこの試練を潜り抜けようとするが、という話。
物語の展開を追うのは容易ではないので、言語化できない場面が続いて眠くなるのは致し方ないが、とにかく画面が美しい。すでに冒頭のシーンで、父と青年が向かい合い、父親が青年の頬をおもいっきり張って歩き去り、青年は三輪自動車で追いかけるのだが、カットバックされる二人の大写しの顔の陰影、背後の地平線、足元のぬかるみ、など感嘆するほかない。
死んだ父親を墓地に埋めようとするシーンでは、「まっくらだ」と登場人物たちが言うのだが、画面には思いっきりライトが当たっていたり、恋人とで会ったらいきなり女のほうが気絶していたり、「映画だなあ」という場面の連続。
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