「映画音響入門」ようこそ映画音響の世界へ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画音響入門
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監督のミッジ・コスティンさんや製作・脚本のボベット・バスターさんは映画学校(USCシネマティックアーツスクール)の教授でもありますので、さながら映画音響の入門書の趣に仕上がっていますね。サイレントからトーキー、モノラルからステレオ、ドルビー立体音響へと映画サウンドの足跡を多彩な作品の引用で振り返ります。
音響といっても録音、整音、効果音、音楽、ミックスダウンと幅広く、機材も日進月歩ですので全てを網羅するのは大変です、そこで本作は主に創造的な分野に注目、インタビューを交えサウンド・クリェーターたちの仕事ぶりにフォーカスをあてています。
コッポラの「地獄の黙示録」で初めて5.1chに挑戦したウォルターマーチさん、「スターウォーズ」のベン・バートさん、ピクサーでアニメに生気を吹き込んだゲイリー・ライドストロムさんらが登場。レジェンドといっても裏方、授賞式くらいでしか、お顔を出しませんので初めて知りました。
「地獄の黙示録」にシンセサイザーのパイオニア冨田勲さんの作品( ホルスト 組曲 惑星の4ch録音盤)が影響を与えていたとか、チューバッカの声が動物園の熊だったとか当時の裏話が面白い。自ら出資までしてステレオ製作にチャレンジしたのが「スター誕生」のバーブラストレイサンドさんだったとは驚きました、歌手だけに音への拘りが強かったのでしょう。
多くの先人たちの努力や挑戦のお蔭で趣や臨場感に富んだ映画を愉しめているのですね、ありがとうございました。
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