「【なんとも贅沢な時間】」ようこそ映画音響の世界へ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【なんとも贅沢な時間】
映像音響は、リアリティと想像力、アナログと先端テクノロジーが調和したものなのだと改めて感じる。
ワクワクする時間だった。
個人的には、5.1サラウンドの初の映画が、「地獄の黙示録」で、冨田勲さんのシンセサイザーの「ホルスト・惑星」にインスパイアされて、取り入れられたと聞いて、なんか嬉しくなった。
僕が、中学の時、初めて買ったクラシックレコードが冨田勲シンセサイザーの惑星だったからだ。
それから、僕はエレクトリック音楽に興味を持って、YMO、そして、今はPerfumeもお気に入りだ。
また、相当長い期間、映画がモノラルだったことも初めて知った。
地獄の黙示録が公開された1979年は、ウォークマンの初号機が発売された年でもある。
僕は、本当はアルバイト禁止なのに、単発のアルバイトをちょいちょい許可してもらって、お小遣いと合わせて、親に頼み込んで分割で、これを買ってもらった。
付随のデモテープの自動車が左から右に駆け抜けていく空気をつんざく音を聞いて興奮したことを覚えている。
映像もそうだが、音も記憶や興奮を呼び覚ます。
これからも、見たことや聞いたこともない世界に、僕達を連れて行って欲しい。
この作品、取り上げている映画も、皆がよく知ってるメルクマールとなるものばかりだ。
キューブリックが後に駄作と言った「スパルタカス」も、戦い前の兵士が大挙する場面を音とともに改めて見ると、やっぱり、この映画はすごいと思わせてくれる。
この映画音響の作品自体が、僕達の昔観た映画の記憶と興奮をさまざまな角度から呼び覚ましてくれる。
多くの映画ファンが心から楽しめる作品だと思う。
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