「声・背景音・音楽」ようこそ映画音響の世界へ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
声・背景音・音楽
ドキュンメタリー作品は知識が求められたり集中してみないと楽しめなかったり少し見る前から勝手にハードルが上がってしまう事は僕は時折あるが、この作品においてはそういう心配なく比較的頭空っぽにしてみられるドキュメンタリー作品に思えた。無論知識があり集中して細かく見るに越したことはない。
近年はデジタル化が進み、ハリウッド作品なんかもCGをかなり使用しときにはそれが作品の個性を失ってるなんていう記事を目にした事もいくらかある。
僕は00年代以降の作品を好み触れることが多い為そういう記事を目にすると気持ちはわからなくもないくらいで読んでいたがこの作品を見ると、むしろ個性は強くなってるんじゃないかと思ったりもする。
もちろんデジタル化が進んだことによりいわゆる中での作業が増え、映像に手を加えることが増えたのは事実だろう。劇中でも語られてたが、ただやみくもに手を加えては返って観客の心に水を差し離れてしまいかねない。
その一部として今回は「音」という部分にフォーカスを当て解説されるわけが、この「音」だけでもより効果的な「音」を追求し実現しようと多くの努力がなされてる。その姿を見ているとより個性的で創造力が求められており決して個性を失ってるようには思えなかった。
CG技術もそうだが近年は日に日に完成度の高い作品がなされている。これは僕たち観る側も段々と見慣れていき潜在的により完成度の高い作品を求めている事は間違いない。
より完成度の高い作品を実現する事において映像美や映像による迫力だけではなく、こうして「音」という部分でも作品をサポートし時には映像以上の迫力を表現し我々を満足させ楽しませてくれている。
この目には見えないいわゆる補助的な存在にも多くの人が携わり支えているわけだからとても感心する。
最後に音響に携わっているスタッフの人たちが語るシーンがあった。誰一人ネガティブな発言はなく、みんなが楽しくて加えて仕事となるのだから幸せだと口を揃えて発していた姿に心を擽られた。
分からない単語もいくつかあったが、細かく追求する事なくても映画制作の裏側の一部を体験できる作品として誰もが楽しめる作品ではないか。