「とても良いドキュメンタリー作品ですが、音の良い映画館で観たい作品です♪」ようこそ映画音響の世界へ 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
とても良いドキュメンタリー作品ですが、音の良い映画館で観たい作品です♪
以前に音関係の仕事をしていた事もあって、音響関係には興味があって観賞しました。
で、感想はと言うと、これは良い作品で良いドキュメンタリー作品ですよ♪
映画の世界で音響の成り立ちの歴史とその説明が紹介されていますが、とても分かりやすく、それでいて楽しく観賞出来ました♪
また、有名な作品が随所随所に紹介されているのも分かり易くて良い。
特に「スター・ウォーズ」が映画音響のターニングポイントになっている事や黒澤明監督の「七人の侍」が紹介されているのはなんか嬉しくなりました♪
映画の歴史を紐解いていくと、先ずは映像ありきで、音はその次。まだ映像と音の融合がされていなかった時代にはオペラの様なシステムがされていたと言うのはやはり興味深い。
日本では「活動弁士」がセリフとナレーターを兼任する形の時代がありましたが、良い音で観客を感動させたいと言う思いがギュッと詰まっているんですよね。
現在も著名な監督たちは音への拘りを早くから認識していても、製作側には音への拘りを理解していない方も多いと言うのもビックリ。極端な話「無くても良い」と言う認識の偉いさんも多く不遇な扱いをされている。
でも、いろんな監督がインタビューで「映画の感動の半分は音による物」と言うのは物凄く共感出来ます。
個人的には映画は可能な限り劇場で観たいし、家でDVDとかを見る際には、音響も拘りたい。
なので、自宅にはテレビとAVアンプやサブウーハー、センタースピーカーを組み込んだオーディオシステムを組んでいますが、モノは古くても、やはり音が良いんですよね♪
今はもっとコンパクトでお洒落なのもありますが、一個ずつ予算の範囲で拘って組んだ音響システムにはやはり愛着があります。
あくまでも個人的な感想ですが、小さな画面のPCの画面やスマホで「映画を見た」と言うのにはちょっと抵抗感があります。あくまでも個人的な拘りですが、そんな拘りなんかが映画製作の技術の進化を促していると思っています。
生音から始まり、録音の技術が発達して、オープンリールから現在のデジタル録音の進化は改めて見ると圧巻の一言。
特に今の映画制作での数百トラックの細かな編集は見ているだけでも頭が痛くなる感じですw
でもそれだけ繊細な拘りがあるからこそ、映画の感動があるんですよね。
特に興味深かったのは「トップガン」の戦闘機の音が本物では退屈な感じから、様々な動物の声をミックスダウンして作りあげた事。
劇中でも語られてますが、音響は遊び心と言うのは物凄く実感出来ます。
とても良いドキュメンタリー作品かと思いますが、一つ難点と言うか、リクエストを言えば、こう言う作品だからこそ音響システムの良い映画館で観たかったかな。
都内では3館で上映されてますが、どちらもミニシアター系の映画館なのでもう少し音響設備の良い所の方で観たら面白かったのかなと。
IMAXと言った音響システムの良いので観ると面白そうだし、個人的には都内では「TOHOシネマズ新宿」「グランドシネマサンシャイン」「新宿ピカデリー」「TジョイPrince品川」なんかで観れたら良いなあと思ったりしました。
ですが、音に拘りがなくて、「極端な話、映画の音響なんて、音が聴こえたら別に良いジャン」と言う方には響かない作品かもですw
・自分でコンポ(オーディオシステム)を組む事に興味があった。もしくは今も趣味はオーディオの方。
・過去に「FMレコパル」「サウンドレコパル」と言った雑誌を愛読されていた方。
・音編集のソフトをある程度使いこなせる方。
こう言った方々は興味津々に観賞出来るかと思いますw
特に自分でオーディオシステムを組んだ事があって、アンプ、スピーカー、スピーカーケーブルにお金をかけて、「ダイヤトーン」「JBL」と言う単語にピクッとする方は絶対必視w
音への拘りって、言い出せばキリがないんですが、拘れば拘る程、楽しくもなっていく。
そんな拘った方々の努力の積み重ねと愛情が感じられる作品です。
楽しく映画音響の勉強にもなるし、何よりも肩肘を張らずに観れる作品ですので、興味がある方は是非是非な作品です♪