「言葉が宝」十二単衣を着た悪魔 ねこ山さんの映画レビュー(感想・評価)
言葉が宝
「十二単衣を着た悪魔」を見ました。現代のダメンズのフリーターが、源氏物語の世界へタイムスリップして、弘徽殿女御という強い女性と出会い成長するという物語。
黒木瞳監督の演出に関しては、職業監督ではないので、映像表現や構成に物足りなさを感じたものの、監督が今作で最も伝えたかったことは「言葉」の数々であったのではないかと思いました。その点では、成功していて、登場人物の様々な言葉が胸をつき大いに泣きました。次作はテクニカルサポートをしっかり付けて、女性視点の作品を作り続けて欲しいと思います。
出演者は皆さん素晴らしく、弘徽殿女御の三吉彩花さん、雷の母親役の戸田菜穂さんが美しくて、伊藤沙莉さんは愛らしく、山村紅葉さん、笹野高史さんは面白かったです。主役の伊藤健太郎さんは、あんなにダメダメな役でも、どこか愛嬌があって、流されて生きているようで徐々に成長する様が、まさに雷を生きているよう。
この作品、ドラマ化してもらえたら、より丁寧にエピソードや雷の成長が見られるんじゃないかとも思いました。その際は、伊藤健太郎さんの雷でお願い致します。いつかそんな日が来ることを祈っております。
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