劇場公開日 2020年11月6日

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「私は面白かった!」十二単衣を着た悪魔 まんぼうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0私は面白かった!

2020年11月9日
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源氏物語の世界にタイムスリップ!?と聞いてファンタジーものかと思いきや、登場人物それぞれの心情を描いたヒューマン作品であった。

その中心にいるのが、強い女性の弘徽殿女御(三吉彩花)と現代からタイムスリップしてきたネガティブ男子のフリーター伊藤雷(伊藤健太郎)。

女御は強い、だがその反面誰にも心の寂しさを見せることができない孤独感を抱えていたように感じた。だからこそ、自分とは真逆の伊藤雷の登場により女御は雷に心を許し(それを象徴するシーンがある)、人としての自分を知る。

一方、伊藤雷。
後ろ向きで、現実を受け止めようとせず、人のせい環境のせいにして生きてきた若者。
そんな雷が、苦しみながらも逞しく生きる女御と出会い徐々に自分と向き合い始める。
そして運命の出会い。

三吉彩花の美しさは圧巻であった。
また彼女のエクボで、普段はみせない弘徽殿女御の可愛い一面が表現されていた部分もとても良かった。
もっと演技をみてみたい、注目の演者である。

最後に伊藤健太郎。
素晴らしかった。これに尽きる。
間の取り方、目の動き、惹き付けられた。
演技力だけでなく、彼には天性の感性があり、俳優としてのポテンシャルはとてつもなく高いと感じる。
この芽が決して摘まれることなく、大きな花を咲かせられるよう、いち鑑賞者として願う。

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ごうりょ