劇場公開日 2021年6月25日

  • 予告編を見る

「素敵な作品でした!」夏への扉 キミのいる未来へ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素敵な作品でした!

2021年6月29日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

知的

幸せ

イオンワンデーフリーパスポート4本目

事前情報はほとんどなしでの鑑賞でしたが、ラブストーリーを絡めたSF作品で、最後まで楽しく鑑賞できました。本作では、コールドスリープ、時間転移装置、アンドロイドなどが登場し、それらが当然のことながら物語のカギとなるので、SF好きにはたまりません。

優秀なロボット開発者である高倉宗一郎が、信頼していた仲間に裏切られ、開発中のロボットや研究成果などを根こそぎ奪われたあげく、強制的にコールドスリープさせられる。30年後に目覚めた高倉は、時間を超えて、奪われたものと失った未来を取り戻すというストーリー。鑑賞後に知ったのですが、原作は60年以上前のSF小説らしいです。それこそ、タイムマシンで作者に観せてあげたくなるほど、おもしろい作品でした。

この手の物語でありがちな小難しい技術や理論の説明はほとんどないので、すんなりと作品世界に入っていけます。また、タイムトラベル要素があり、前半の伏線が回収されていく感じも心地よかったです。タイムパラドックスや時間軸の問題など、多少理解が追いつかない部分もありましたが、テンポよく展開していくので、さほど気になりませんでした。ラストも感動的で、思わずうるっとしてしまいました。

主演の山崎賢人くんは、なんだか久しぶりにスクリーンで観ましたが、以前より落ち着いた感じでいい役者になった気がします。ヒロインの清原果耶さんは、安定の透明感でぴたりとハマり、藤木直人さんは、難しいアンドロイド役を好演していたと思います。脇を固める、眞島秀和さんや原田泰造さんもよかっですが、今回注目すべきは夏菜さん!宗一郎の婚約者からの憎々しい豹変ぶりが印象的でした。彼女の新たな一面を見た気がします。

どんな逆境にあっても、諦めずに前を向いて、今の自分にできることをする、「夏への扉」にはそんな意味が込められているのかなと感じました。素敵なタイトルです。

おじゃる