「いろんな意見や考えを生みそう」スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな意見や考えを生みそう
最強のふたりは大好きで年に一度は見たくなる僕にとって大切な作品である。同じ監督という事もあって必然と期待値が高まりすぎてしまったのか少し期待してたのは違ったかなというのが率直な感想。
この作品に限らず「障害」というのをテーマにするのはやはり難しさはあるのか。この作品で描かれているのは自閉症の児童達がメインである。もちろん彼らを必要以上に特別な目で見てるつもりはない。ただこの作品で描かれているように彼らを特別視せずに健常者と共に生活できる社会を求めるには逆に彼らを特別扱いしすぎてる場面もあるように感じてしまい疑問を抱いてしまうシーンが度々ある。
特に印象的だったのは電車や駅にある非常ベルを押して逃げるシーンだ。この作品は実話ベースであり、もちろん現実はどういう対応をとっているのかは知らないが、この作品内では鳴らす事に具体的な注意などなく一緒に逃げるシーンが描かれている。この辺りは文化の違いなのかわからないが、彼らを理解しようとする心に水を差され気持ちが作品から心が離れてしまった。
ホテルの窓からレンジを投げるシーンもそうだが、一般人に傷をつける可能性があるシーンに対してのフォローがないのは終始引っかかる。
もちろんいいシーンも多いのだがこういうシーンが僕は目につきあまり心に響く作品ではなかったかなというのが率直な気持ちである。
かといって彼らを否定するつもりは全くない。作品の感想と彼らへの理解は全く持って別物であり、監督同様彼らが特別扱いされ溶け込みづらい社会を改善していく事の必要性は同じ気持ちである。
価値観や考え方の違いからこの作品は個人的には合わなかったが、現実の一部を知る貴重な時間ではあった。