スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のレビュー・感想・評価
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正しさでは救えない問題
全体的に見やすい映画だった。髪の毛がくるくるとした患者が愛くるしく、所長の婚活や、取り巻く問題など見やすく表現されていた。
事あるごとに「正規の手続きに違反しているのでは?」と職員が問いかけるが、「それじゃあ、閉鎖します!あとは政府がなんとかしてくれるんですよね?」というシーンが非常に共感できた。正規の手続きではないセクターが受け皿にならざるを得ない現実をうまく表した作品だと感じた。
蚊帳の外から彼らを批判するのは簡単だ
「最強のふたり」のような感動コメディを期待してみるとやや期待外れかもしれない。 実際の自閉症患者やその家族も多数出演しているが、彼らと接する職員たちの日常は果てしなく骨が折れるし自己犠牲を伴う。それでいて見返りは少ない。そのような日常が淡々と繰り返される。エンターテイメントとしては面白い類ではないかもしれないが観るべき映画である。 政府の監査官の言い分も間違ってはいない。無認可で一般社会ですら就労が困難な若者を支援員にあてるのはどうなのかというのはごもっともだ。だが施設を閉鎖したところで福祉にも医療にも政府にも見放されている40人以上の子供達を明日からどうするのか。その代替措置すら用意しない政府の尻拭いをするのは患者達に理不尽に殴られても彼らを決して見捨てない人々である。患者達の親や医師たちが政府はブリュノたちのような無認可の施設職員を頼りにしていることを何より恥じるべきなのだ。 人々の正義感や使命感、そして途方もない自己犠牲によってのみ生かされている人間がいるのだ。今この瞬間も。 追記:ブリュノ達と比べてColabo批判をしているレビューが見受けられるが、ブリュノ達の組織は無認可だし、赤字経営なので雑会計でいえば似たようなところだろう。蚊帳の外から支援者を批判する人々が今現在困っている人々に対して何か手を差し伸べることはない。 行き場のない少女たちや自閉症患者の支援も、自己犠牲や使命感なしで出来ることではないのだ。支援の必要な人たちがえてして犯行的であるように、支援者にとってはあまりに見返りがないからだ。Colaboを批判する暇があったら女性たちに嫌がらせしたい一心でバスカフェを妨害する奴らを批判しろ。
大変なお仕事
「最強のふたり」の監督コンビによる作品。ジャンルがコメディってなってたので、楽しい作品なのかと思ってたら全然違ってました(^_^;) 誰もがお手上げなほど重度な自閉症患者を受け入れている人たちの実話を元に描かれた作品。とても笑って見られるような内容ではないです… とはいえ、こんな大変な仕事の中でも楽しみを見つけないと続かない。働く人たちが楽しそうにしている姿が印象に残りました。 ♪音楽も良かった(^^)b
社会が見捨てた自閉症児達とケア施設のプロ二人、若者達の日常を描く
コラボ問題を想起させる
DVDを借りた時、意図は何もなかったが、昨年末から炎上している若い女性救済組織と銘打つNPO法人Colaboの問題を思い出す作品だった。対象的なのは、どちらも監査されてやばいのは同じながら、Colaboが税金を雑に使っており、援助不要な女性を餌にしていると民間人から批判されているNPO法人なのに対して、作中の『正義の声』は、国と社会が無視する援助を必要としている自閉症児を少ない予算でなんとかやりくりし、救っていこうとする組織であることだ。今回この作品を視聴しおわり、弱者に寄り添うのは利権屋だけではないことに希望を感じた。ブリュノの姿を見て、内実伴う慈善組織というのものはSNSで広告を行わず、日々地道に我々の見えないところで眼の前の問題と共存しながら解決の為に奮闘しているんだろうなと信じたくなった。ニュースでは汚いものや上辺の広告が溢れていてそんな暇なく地道に活動を続けている人の出る幕は無いんだ。
作品の率直な感想は、ドキュメンタリーによった作品であるため、面白みはあまりなかもしれないが、自閉症児を通じて社会的弱者との関わりを視聴者に問う良作品であるため、見る価値はある。
作中とうして白髭のブリュノの奮闘には頭が下がる思いがしたし、少し抜けたところがあるマリクだが此処ぞという所で『寄港』で活動する若者たちを導く姿もかっこよかった。二人に負けず作中で光っていたのは黒人の若者ディランだ。彼はヴァランタン(ヘッドギアを付けた男の子)と真摯に向き合い歩み寄り失敗しながらも成長していく。その姿に感動した。
マリクが遅刻したディランを叱るときに言っていた言葉の内容が印象に残る。内容としては、自閉症児たちが、落ちこぼれの自分(『寄港』で活動する若者)たちの居場所を作ってくれているという内容だ。たしかに、と思う。解決したい問題というのは実は自分の存在価値を高めてくれるものであり、それは一方的なものではなく双依存的だ。自分はこの作品を見ていて少し自閉症児の方にジェラシーを感じることもあった。それだけ彼らが問題はありつつも密なコミュニケーションを取りながら人間はあるあるべきというような人と人との触れ合いを体現できていたからだと思う。
タイトルがよろしくない
タイトルは、vs政府みたいな感じですが、ストーリーはそうではないです。 結論、政府がもっとしっかりしろよという感じですが。 フランスでも結局は日本と一緒なのかとおもいました。 認可とか無認可とか、それを取り締まったり審査したりと。 それって本質ではないのに型にはめようとして、優柔も効かない。根本的な課題は、何も解決しないのに。 実在する2人の主人公は、信念もありすごいとしか言えないです。
どんなに困難でも、俺たちは見捨てない。
『最強のふたり』のオリビエ・ナカシュ監督が、ケア施設で働くふたりの男たちの 実話をヴァンサン・カッセル主演で映画化。 自然体で、美談にしてない所が一番良かったと思います。 自閉症児や統合失調症児を、社会が受け入れにくい現実を キチンと描写しています。 《電車の緊急停止ボタンを何度も押す少年》 ………やはりどう考えても迷惑だし危険です…… 《歩道を人やモノにぶつかりながら、孟スピードで走る少女》 ………こどもやお年寄りと衝突したら、怪我させてしまう………… 自閉症児をケアする無認可の施設〔正義の声]を経営するブリュノ (ヴァンサン・カッセル)は今日も大忙し!! 受け入れを断られる問題を抱えたケースも受け入れるので、 定員オーバーに、資格のない職員もいる・・・加えて赤字経営なのだ。 受けいれる青少年は、皆、病気が重い。 (皆一様に自分を語る言葉を持たない・・・) 世話するブリュノは、怒った顔を一度も見せない。 「何とかする!」が口癖。 ブリュノが落ち込んでいたら、[正義の声]は正義を失なう。 ブリュノ(ヴァンサン・カッセル)の忙しさは半端ない。 携帯が鳴りっぱなし。 そして問題は次から次へと、持ち上がる。 ユダヤ式のお見合いをするブリュノに、家庭を持つ時間は、 とてもなさそう!! ある日、厚生省の査察官が入って、その結果次第では〔正義の声]の運営が 危ぶまれることに・・・ ・・・・《閉鎖の危機》・・・が目前に迫ります。 正直言って、整理整頓されて観やすい・・・ そんな種類の映画ではありません。話があちこちに飛びます。 しかも訴えるテーマは限りなく重たい。 ブリュノは社会から見放された子供たちに、極限まで優しい・・・ なぜ、そんなに優しくなれるの? ブリュノと働くみんな。 なぜ、そんなに献身的なの? そしてブリュノの友人・マリクも・・・。 マリクは、彼らが自立するための社会復帰の仕事を紹介する[寄港]の経営者。 ラストで見せるブリュノの涙。 こんなささやかなご褒美・・・で、いいの? このご褒美がブリュノの生き甲斐・・原動力なの? 《誰かが担わなければならないこと》 『母さんを叩いたら、ブリュノに会えない』 ディランも、みんなもブリュノが大好き!!
やってる事は素晴らしい
彼らのやってる事は素晴らしいし、 文句の付けようもないし、心から応援したい。 ただ映画としてはどうだろうか? 問題提起にはなっていたと思うけど、 ドラマがないと言うか淡々と彼らの大変な日常を 見せられて、 結局監査は免れたけど何の解決にもなってないのでは? で終わってしまった。 世間の風当たりは厳しいし、 政府が金を出すわけもない、 ただこの施設には自閉症の子どもたちが集まり、 働いてる人たちの日々は続くと言う 負の連鎖しか見終わって想像出来なかった。 自閉症だからダメなのではなく特別な個性であり、 また居場所も働く場所もない若者が 自閉症の子どもたちがいるからお前の居場所が出来たん だろ?と言う視線は温かく素晴らしいなと思いました。
この2人こそ最強の2人
就職支援と引き取り先のない自閉症の施設。 この二つを結びつけた仕事。 これを始めることに対して利益主体ではなく心の結びつきを大切にしてやっている2人。 レビューがとても難しいですが感じることは多々ありました。 この映画は観る人の受け取り方に正解はない映画であると思います。 見た経験、これから考えることに非常に意味が深い映画だと思います。 多くの方に見てほしいと思いました。
邦題そのまま
自閉症の人たちを受け入れる、無認可施設が舞台。 そこに厚生省の監査チームがやってきてさあどうなる?と。 この施設の状況を、日本の保育園に置き換えると少し身近かも。 ニーズはたくさんあるのに、認可施設のキャパシティは限られている。 誰かが受け入れの手を差し伸べないと、家族は働くことすらできない。 そんな様子をエピソードを織り交ぜながら進む話。 若手職員がちょっと目を離した隙に、通所者が逃走してしまう。 それだけ気を抜けない仕事だ、っていうことを表してました。 写真左のヴァンカン・ラッセル。いつもはワイルドな役が多いけど。 今作ではいつもにっこり&話は最後まで聞く、ソフトな感じと。 終盤厚生省の監査チームに、啖呵をきるところ。だよねえ。 ただ90分ほどでまとめた方が、ぎゅっとしてたかもね。 ⭐️今日のマーカーワード⭐️ 「チャンスは心の中にある。誰にも替われない」
福祉のあり方…
他の施設で入居を拒否された自閉症や、親にまで見捨てられた、問題がある子たちを無認可ながら15年にわたり受け入れ続けるブリュワ、ドロップアウトしてしまった若者の就労支援を続けるマリク、プライベートの時間も削りながら、彼らを突き動かすものは何なんだろう。私には福祉の精神というものが全くなく、周りに福祉系大学に通学していたり、福祉関係の職に従事している友人がいるが、その心持ちは尊敬の念に値するし、それだけにこの映画を冷静に見れなかったかもしれない。ラストの方に描かれたベルを鳴らさず電車に乗れたこと、ヘッドギアを外すこと、共にサッカーをすること、前進するのに物凄い労力と時間が掛かるが、共に喜びを分かち合うこと、その子の自立や、その家族の真の支えになること、これが目指すところであり、喜びなのかもしれない。当然、人間が相手なので、画一的ではなく、ルールに反し、受け入れられない子供たちが出てくる。管理する側の国としては後からトラブルが起きたら、大問題なので、無認可機関を調査はする。しかし、現実は待ったなしで追い付いていない。家族や病院でさえ、彼等のような機関を頼らざるを得ない。後から云々というのを考えている前に大問題が発生している。認可無認可問わず、入居者への虐待などニュースを見るが、なぜそういうことが起きてしまっているのか、その先にある現実を見据えなければならない。実話だけに静かながら、映画はその本質を突いている。ヴァンサン、レダ二人の静かに熱い演技が良かった。
タイトルなし
実話をもとに 無許可で赤字経営の問題を抱えながらも 自閉症の子どもたちのために尽力する 2人の男の奮闘を描いた作品。 監督•脚本は #オリヴィエナカシュ と #エリックトレダノ #ヴァンサンカッセル と #レダカテブ が モデルとなった2人の男性を演じた 2人は施設を訪れ彼らと一緒に過ごしたという 共演者には自閉症の子どもたちも起用 原題 Hors normesは [規格外]を意味する 他者への愛 献身について描かれた作品 目を背けず一緒に生きていこうという メッセージがこもっている 素晴らしい作品でした
愛と信念
本来は行政が受け皿にならなければ行けないところを、行き場がないから、愛と信念を持ってやっている。 誰でも出来ることではない。 もっとしっかりした地位を与えるべき。 どこの国でも行政って似たようなものだな。
敬意を込めて
前に勤めていた会社で、同じ部署に障害者雇用で採用されたチームがあった。 この映画を観て、そのときのことを鮮明に思い出した。 みんなとても純粋で、一生懸命で、食べることと楽しいことと、賑やかさが好きだった。 チームの責任者が言っていた。簡単に自立なんて言って、勤め先がないのにどうやって自立するんだ!と。 ずっと、働くことは無理だと言われてきた人が雇用されていた。自立は諦めてくださいと言われていた人と、私は同僚だった。 お母さん達は泣いていた。 この子がお給料でご飯に連れて行ってくれたと、 そういうことに懸命な人は、日本にもいるんだよ。 ありがとう思い出させてくれて。 この文章は明らかにこの映画の感想ではないけど、この映画には大切なことが詰まっている。 小学校の頃にクラスメイトだった、今なら支援学級だと理解できるほんのちょっとだけ変わった女の子のこととか。 付き合い方が分からないだけで、敬遠してはいけない。 人間としては素晴らしい人と向き合わないのは勿体ないよ!!! 何が出来るかは分からないけど、何かをしたい。 そう思っていたことを、思い出させてもらいました。
便乗がよくない
最強のふたりは、my面白い映画ランキングに連ねる名作なので、それにおんぶに抱っこな感じのキャッチコピーはやめてほしいなぁ コメディタッチで毒もありつつも自閉症に前向きに向き合う物語〜 なんて完全に勘違いしてみたので、重々なテーマにどんより〜 決してつまらなくはないんだけど、障害をかかえてる人間の行動への対応がなんだかそれでよいのかな?と価値観の違いを感じてしまいどうにも冷めた目で見てしまった。 電車の非常ベルなんてイタズラのレベルを超えてるなぁ。
面白おかしいだけが映画じゃない‼️尊敬と要望を込めて、敢えて満点です‼️
内容は浮き沈みや意外性が無く娯楽度は低く、観ていて辛くなるばかりです、色んな意味で。 でも、現実が等身大に表現されていて、好感が持てるし、参考になります。 いかに、フランスや日本、いや、世界中の政治や行政が理不尽の塊であるかを、思い知らされることになるでしょう。 ある境遇を描いたものですが、よく考えたら明日は我が身です、いつ怪我や病気でこんな姿になり酷い目に遭わさせないとも限らない。 コロナのご時世でも、日本でも理不尽な対策で弱いものだけが割りを食う悲惨な現実を目の当たりにして、この映画を観ていると臥薪嘗胆して生きていかねば、そう思い固く手を握りしめるばかりです。 テレビでは生活保護費を不正受給されたり脱税した芸人が大きな顔をしてのさばる世の中でもあります。 こんな映画を採算度外視して製作、公開することに拍手です。 この映画を目に焼き付けて、生きてください、ぜひ。
予告編のそのまんま
予告編みたら いいシーン全部突っ込んであって、 見終わった後で見て良かった、と思った。 良くも惡くもそのまんま。 実話なんだからしょうがないかもしれないが、想像できる範囲内でのエピソードしかなく、映画として何を見せたかったのか、ちょっと疑問が残った。 根本的な解決に程遠いのが辛い。
引き取って
ブリュノとマリクの信念と行動に頭が下がる思いで鑑賞しました。役人(政府)の上から目線と他人事の物言いが、『自助』と言い放つ日本の政治家を連想させます。そもそも障害者が暮らせる施設や支援がきちんと整っているならば、民間の助けを必要とはしません。まさしく、ブリュノの言った『(できるものなら国が)引き取って』。 人は明日障害者になる可能性もあるし、歳を取れば誰もが障害者です。自分以外の家族が障害者になる可能性もあるし、突然生活に困窮する場合もあります。つまり、今は健康でお金を稼ぐことが出来ていても、誰かしらの助けが必要になる日が来るかもしれません。仮にお金が沢山あったとしても、社会的な居場所がない人生は辛いです。 ブリュノやマリクがこの支援に携わることになった詳細は分かりませんが、信仰を持っていること、移民(マイノリティ)であることに関係があるのかもしれません。 日本でも様々な分野でブリュノやマリクの様な活躍をされている方がいますが、なかなかクローズアップされることがありませんよね。お金も儲からないだろうし。でも、人が人を助ける事が尊敬される世の中であって欲しいと思いますし、その様な社会を作りたいです。
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