「深まる謎」スパイの妻 劇場版 erikoさんの映画レビュー(感想・評価)
深まる謎
とにかく役者たちの演技の凄さと
衣装、美術の美しさにずっとため息がもれました。個人的にヒロイン蒼井優さんの衣装もですが、高橋一生さんのスーツやコートの着こなし方に目が離せません。自己への尊厳や威厳のある、当時の日本人に想いを馳せました。
その着こなし方、優雅な身のこなし方は相当に訓練を積まないと出せないもの。
それだけで見る価値はあると思いました。
後半、亡命のために聡子は優作に利用されたのだと解釈されているレビューを拝見しましたが、ある意味そうであって、真相はそうでは無いと感じました。
すべては優作の計算通りなのだと思います。
妻に危険を及ばせないための。
謎をもつ役柄は高橋一生さんに適役でした。
そして一体、どこからどこまでが計算だったのかと思いを馳せると、ずっと色々なシーンがグルグルと思い出されます。もう一度観直したいです。
原作は読んでいませんが、ミステリーと言うだけあり、面向けでは外資業で、実は最初からあの会社自体がスパイのためのものだったのでは無いかというのが私の見解です。
優作の甥が、満洲から帰ってきてから宿で作家活動をすると決めたこと
連れ帰った女が死んだこと
満洲に持っていった映画制作の為と言っていたカメラなど…
色々と謎が深まります。
決めては宿で、聡子が甥に言われた言葉です。
「何も知らない見ていない。
そう言うものにしか見出せない光がある」
(台詞は全然違うと思うのですが)
この一言と、大事なノートを聡子に渡したこと。
これは外で見張っていた機密を守ろうとする国家の者たちから、外へ出すため。
なぜ急に会社を辞めて、作家活動を?
面向けの意味と真相の距離を感じました。
最初に聡子の同級生だったという
東出さん演じる軍の偉い人が、会社までやってくると言うのも…
まだまだ色々思い出して考えてみます。
衣装と人物の美しさに、つい
パンフレットも買ってしまいました。
しっかりと読んで追記できたらします。