「スパイの妻? ルパンの妻じゃね」スパイの妻 劇場版 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
スパイの妻? ルパンの妻じゃね
蒼井優と高橋一生のコンビはラブドールの映画以来。黒沢清監督おめでとうございました。
面白かったげど、731部隊がらみじゃ、ちと笑えない。森村誠一の「悪魔の飽食」売れましたね~ 10年前まで持っていたけど、ブックOFFに売ってしまいました。二束三文で。
告発する意思もどこまで本気か?みたいな。所詮、商売人だからね。ジャーナリストじゃないし。儲けた金を宝石や時計に替えて渡航費に。けちな時計じゃ重くて大変です。
高橋一生はテレビドラマでの役どころだとストーカーとか女々しい役がけっこう嵌まっちゃうから、やっぱ嘘くさい。
フィクションなんだから、終戦になったとか、福原なにがしの死亡が記録されたけど、偽造書類かも知れないなどの最後のテロップはいらんな。
せっかく日本映画らしく、波の寄せる砂浜で蒼井優を泣かせたんだからそれで終わりでいいじゃん。
亭主をとことん疑い、売国奴とまで言っておいて、それでもロスについて行くお金持ち女の浮わついた感じ。最後の無声映画フィルム上映後の蒼井優は良かったよ~ 精神病院(癲狂院)に入っても、毅然としていなさる。タダモンじゃない。コンフィデンス夫婦?
あのちっちゃい船じゃサンフランシスコには行けないし、インドのボンベイも無理。なんか、ルパン三世の最後みたいと思った。銭形警部が悔しがるシーンが浮かんでしまった。銭形は言いたかっただろう。売国奴の非国民って。
しかし、映画愛が根底に溢れているので、これらは全部帳消しにしてあげます。面白かった。
テレビ東京の深夜ドラマ「まどろみマーメイド」のあの娘出てきた。昔、満州にはあんな感じの女の子いたなと思わせるキャスティングでした。軍医の愛人とか言ってだけど、実験ノートを持ち出させたと言うことは、高橋一生がたぶらかしてさせたんだから、あやしいに決まってます。甥っ子はそれを見ていて羨ましかったにちがいない。あぁ、可哀想に爪を剥がされて。歯に見えたけど。それも子供の乳歯みたいだった。
最後のテロップは、夫のことだから死亡も偽造に違いないと確信し、会えるかどうかも分からないのにアメリカまで追いかけて行くのね、と感激したんですが。あの船でどこかに行って、そこから大きい船に乗り込むんだと思いましたけど・・・
でも、夫がペテン師だと考えるなら、「まんまとやられましたわ、お見事です!」と呆然と海を見つめて終わった方がいいですよね。はぁ~、いろんな見方が出来るんですね。勉強になります。