「むこうとこちら」人数の町 すけさんの映画レビュー(感想・評価)
むこうとこちら
人数の町とは「居場所がない人が、生きていける場所」として存在していた。その場所はただ「にんずう」でさえあれば衣食住が保証されるというもので、内実は戸籍の売渡や、投票率の操作、ニュースのデマ動画撮影などに利用されている。名前はなく、fellowという呼び名はにんずう同士で、補佐役にはtutorという呼び名が使われている。争いがなく平和な世界を謳っているが、ただギリギリの人間が生き延びるための施設で、感情をなくした先の街なのではと感じた。それは外からの人間から見たら顕著であったと思う。最後のシーン、中村が「自由だからだよ」と言っていたが、彼は結局人数の町に戻らざるを得なかった、ということは渇望した自由を得られなかったゆえのものなのか?それにしては満足そうな表情をしていたのが気になった。途中から、むこうとこちらのどちらが良いのか分からなくなってきた。
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