「下村勇二と坂口拓の熱気と狂気の結晶」狂武蔵 ケンイチさんの映画レビュー(感想・評価)
下村勇二と坂口拓の熱気と狂気の結晶
『VERSUS』(2001)がマイ・フェイバリット映画の1つです。当時個人的に仕事が辛い時期だったのですが、偶然レンタル屋さんで『VERSUS』に出会い、作品の持つ熱量と破天荒さやクレイジーっぷりに私も奮い立ちました。そしてそれ以来、スタッフ・キャストの皆さんを密かに応援してきました。
要するに私は「TEAM VERSUS」推しです。
TEAM VERSUSの皆さん、あふれる実力・感性、努力、情熱で見事にご出世なさったり、たまにヤラカシちゃったりしてますね。
あらからおよそ20年。
ようやく公開された『狂武蔵』は「TEAM VERSUS」メンバーである下村勇二監督と坂口拓さんが練り上げた熱気と狂気の結晶だと思いましたよ。
本作はもはやドキュメンタリー映画!
77分のノーカットシーンも私はまったく退屈しませんでした。
こういう作品作る人を「映画バカ」と呼ぶのでしょうか。もう色々と突き抜けてて、ホントにイカれてるけど、ギッラギラの灼熱映画でした。
それと実は、この作品のカメラマン、下村勇二と坂口拓に次ぐ第3の功労者な気がします。そしてきっとカメラマンさんもかなりイカれた方なのではないかと想像します。撮影監督は長野泰隆さんという方のようですが、この方がカメラのオペレーターだったのでしょうか…。
この作品、撮影は結構前だったようですが、今となっては働き方改革とかやりがい搾取とか新しい概念が定着しちゃってますし、坂口さんは肉襦袢を使わなくてもゼロスできそうな貫禄ですし、TEAM VERSUSの皆さんも今ではもうそれぞれにお立場がありますんで、流石にもうこういう作品は作れないのでしょうね…(笑)
(こう言っとけば、この人たちはもっと凄いことやってくれそう)