「受刑者の更生を通して、人生を考える」アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台 ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
受刑者の更生を通して、人生を考える
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ネガティブで、後ろ向き発言の多い俳優が刑務所で演出家に?
いやいや始めた仕事なのに、何かが彼に舞い降りてきたんだね。
彼は受刑者の罪に興味がない。
何をして刑務所にくることになったのか、ではなく、目の前の男たちに興味をもったところが、彼の凄さ。
人と物語を繋ぐように見ているんだな。
だから決してネガティブな人じゃないんだ。後ろ向きでもない。
ただ、人生に躓いてもがいてる。
それを受刑者と重ね合わせていたのかも。
それに、彼らが逃げないと信じてた。
人は信じられると、応えようとするものだ。そこにこそ、更生のヒントがあるはずなのに、いまだに刑務所も少年院も変わってない。
さいごのオデヲンは、演出家のために用意された劇場。
彼のひとり語りだけで、オデヲンの観客を惹きつける語りが、彼のそれまでの人生を開花させることになる。人生、何が起きるかわからない。
謝罪のためにステージにたち、逃げ出したい想いのなかで、演劇や戯曲への情熱を語る姿は輝いている。
正直、受刑者である演者たちは、燃え尽きていたのだと思う。やりきった!それでよかったんだろう。さいごの晴れ舞台は演出家のために。
なんて、シャレたオチなんだろう。
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