アンモナイトの目覚めのレビュー・感想・評価
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#31 アンモナイトとメアリーの心
を掛け合わせた映画。
母親と2人暮らしで誰にも心を開かないメアリーの魅力に、ロンドンから静養にやってきた富裕層の妻シャーロットが気づき、2人は愛し合うようになる。
ただの岩や石ころの中からアンモナイトを発見するように、シャーロットに発見されたメアリー。
言いたいことはわかるが2人が幸せに生きていくのは現実的ではない。
ラストがスペイン映画みたいにどっちとも取れる終わり方で、白黒はっきりさせたい私はなんかモヤモヤする。
もう一つの『人形の家』
覚え書き
イギリス?19世紀?前半を観ててもっと北なのかと思ってました。イギリスの中でもたぶん北側の田舎街なんだろうか?
前半の鬱展開の中でさえもシャーロットの美しさは際立つ。メアリー、学者さんで貧しい家庭環境、境遇からなんだろうけど相当な偏屈!あの教会のおばさん?意味深な存在。(後にだいたいのことはわかる)そんなメアリーでも好いてくれる男性もいるようだがやっぱりメアリー自身が拒絶してる。
シャーロットの夫もなんかおかしくない?化石好き?功名心?どちらにしてもなんでこんなやつと結婚したんだろな!(まあこの人のことはあんまり描かれてない)
シャーロットも生まれや育ちがよくわかんないけどたぶんお嬢さんだよね?寂しさや知らない土地での心細さ、静養するにはあそこは向かなそうだけど。
メアリーとシャーロットの共依存なのかもしれない。メアリーの偏屈さから考えれば結末も。
シアーシャローナンがとにかく終始とんでもなくかわいい。
稲妻メアリーって言われてもね
地質学界で有名な観察眼を持つ一般人メアリーと、彼女のもとに預けられたうつ病を患う学者の嫁のお話。
イングランド南西部のライムレジスで化石を拾い、土産物屋を営む母親と2人暮らしの主人公のもとに、化石を発掘する姿をみせて好奇心を引き出して欲しいと預けられたシャーロット。
人嫌いで最初は疎ましく思っていたけれど、シャーロットが倒れたことを切っ掛けに変化が訪れるというストーリー。
この作品が事実に則しているのかは知らないけれど、メアリー・アニングって実在した方なんですね…というかこれって伝記のアナザーストーリーみたいな位置付け?
助けられて心を開き、心を開かれてそれに応えたってことで、アンモナイトの目覚めはシャーロットの承認欲求から産まれたものってことですかね?
終盤のエリザベスとの件以降は理解できるし悪く無いけれど、メインどころのパッションはイマイチ理解できなかった。
たぶん男には難しいんだろうなぁ…。
名女優2人の存在感が凄い
美しいアンモナイトを発掘
男には感得できない窮屈さ
たぶん、私のような凡庸な男の目線だと、あまり楽しめない映画だと思います。
決して開放的な明るさを感じることのないイギリス、ライム・レジスの自然を背景に描かれるのは、これもまた、決して開放的とはいえない環境の中で生きる女性たちだからです。
男にとって、頭では理解できても身体的には感得できない窮屈さ。
直情的に抱き合うシーンですら、纏わりつく衣服がなんとも面倒くさい。
どんなに環境に恵まれていなくても、泥臭くて地道な行程(仕事でも生き方でも)を通じて得られる〝矜持〟
それを恋愛感情のある同性からも理解されないことの歯痒さやもどかしさ。
もちろん、数行の言葉だけでは表現できない諸々の窮屈さについて、数え切れないほど感じてきた経験のある女性が世の中にはたくさんいらっしゃると思います。
自分のことのように身につまされるであろう窮屈さを知る方にはとても直観的、身体的に響く作品だと思います。
英語が読めない私には、作中の手紙やエンドロールで使用される美しい筆記体のアルファベットが、そのような心中を、感情を抑えながら切々と訴えているようにも見えたのでした。
恋愛下手が面倒くさいのに引っかかると大変なのよね
古生物学の先駆者メアリー・アニングを題材に同性愛モチーフの映画を作るとか、一体どういう発想やねん。。
恋愛下手が面倒くさいのに引っかかるって、それこそ古今東西あるあるなんだけど、男女関係ないのねえ。しかしそのまま溺れてしまうには、彼女は聡明すぎたのかもしれぬ。自らの仕事に誇りを持つ女性だからこそというのもある。
それはそれとして。
わざわざメアリー・アニングを材に採った以上、監督はただ同性愛を描きたかっただけのはずがない。
実際、化石発掘者として今日得ている名声とは裏腹に、名だけは僅かながら得られても困窮した生活を送っているメアリーの姿は描かれているので、少なくとも伝記映画としての役目は果たしている。
そこには、今、高名な女性古生物学者と聞いてわたし達が想像するような優雅さや颯爽とした感じは微塵もない。ただ明日の糧にも困るような、生活に喘ぐ母親とメアリーの姿が赤裸々に描かれている。
19世紀は階級差別と女性差別が公然と行われていた時代だ。古生物学の基礎を作ったと言っても過言でないメアリー・アニングもまた、そのような過酷な時代に、本来であれば富と名声が得られるはずの貴重な発見を次々と行ったにもかかわらず、正当な評価を受けられないジレンマを抱えていたはずだ。それでも、彼女がその仕事に誇りを持ち、情熱を注ぎ続けたのだ。
そして史実として、メアリー・アニングとシャーロット・マーチソンが親しい間柄であり、一時期一緒に暮らしていたのはどうやら事実のようだ。
もちろん二人が同性愛の関係にあったかは今となっては分かろうはずもない。しかしながら、メアリー・アニングの生涯を描く映画を作成するにあたり、恐らくは生活苦と本来の栄誉を得られないジレンマの中で数少ない彼女の幸福な期間として、制作陣がこのエピソードを採ったのは、二人の関係性にスポットを当てたかったのだろう。
その上で、後の評価として、女性の時代を切り開いた先駆者としてのメアリーを表現するにあたり、同性愛という要素を加えることが、監督にとっては極めて自然であるべき姿だった、ということなのだろう。それが描き方として正しかったかどうかはさておき。
なお、同性愛を描く映画と知って、百合的な情感溢れる描写を期待して劇場に足を運んだ人がいたとしたら、幻影を打ち砕くような直截的なあられもない性愛描写に愕然としたかもしれない。そちらはそちらで極めて濃厚かつ明け透けでございました。
早くも今年No.1⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ウィンスレットに萌えた。彼女もよかったけど、ウィンスレットはサイコ...
名女優ふたりにここまでさせた監督を尊敬する。
メアリーの手
メアリーの手はいつも働いている。動きやすいようにスカートをまくり上げて縛る、化石を探す、掘り起こす、磨く、スケッチをする、詩を書く。卵を取ってくる、ジャガイモの皮をむく、海岸でおしっこをして手を適当にスカートで拭く、煙草を吸う。シャーロットの看護をする、額に腕に濡れた布を置く、シャーロットの額に手をあてる。母親に死に装束を着せる。その手はごつくて爪の先はちょっと黒い。いい香りがしそうで白くてすべすべしたシャーロットの手とはまるで異なる。
ウィンスレットは完全にメアリーだった。無口、無愛想、笑わない、高い矜恃とまっすぐな視線。彼女の心の動きは、眼差しと赤みがさす頬が教えてくれる。
シアーシャとウィンスレットのベッドシーンは凄くリアルでありつつ素敵だった。こんなの見たことなかった。
メアリーの母親は子どもを10人生んでそのうち8人を亡くした。彼女が一つ一つ大切に磨いている8個の小さい置物は、亡くした子どもの一人一人なんだろう。
シャーロットは教養があって頭も良くて社交的で美しい。でも人参の皮もむけないし、石炭を運んでくることもできない。上流階級で、働く必要がなくて、暇で退屈を持て余している。だから、最後にとんでもない間違いをした。メアリーのことをわかってなかった。それでも博物館で見つめ合う二人の姿は深くて美しかった。
ケイト・ウィンスレットは、「タイタニック」の印象(ガタイがでかいなど)が強すぎて、その後、見ていませんでした。でも、「おとなのけんか」「コンテイジョン」そしてこの映画と見て、素晴らしい役者!とやっとわかり、好きになりました。これからも彼女を見ていきたい。
シアーシャ。石炭ひっくり返して顔が真っ黒。そのままキッチンに戻ってメアリーを見て、ちょっと笑ってから、あまりの情けなさに泣くところがすごく好きです。そのシアーシャの表情を思い出すだけで、自分まで泣けてくる。
タイトルなし
ケイト・ウィンスレットの演技を観るための映画
閉鎖的な舞台、少ない登場人物、淡々と進むストーリー、偶然ひとつ屋根の下で暮らすことになった2人の女性が恋に落ちる展開などから、最近観た「燃ゆる女の肖像」を思い出さずにはいられなかった。あの映画の主人公2人もすごく良かったけど、この映画のケイト・ウィンスレットの演技は圧巻で、特にシャーロットへの想いや嫉妬がこれでもかと伝わってくる目や表情での演技が素晴らしかった。物語がシンプルで派手じゃない分、彼女の演技力と存在感がより一層際立ち、それを観るためだけでも映画館に足を運ぶ価値があると思わせる映画だった。あと「アンモナイト」というタイトルからは想像できないほど、シアーシャ・ローナンがびっくりするくらい綺麗で、彼女の美しさをあらためて再認識させられた映画でもあった。
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