アンモナイトの目覚めのレビュー・感想・評価
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友情の話と思っていたら苦手な展開だった
シアーシャ・ローナンが出演しているので鑑賞
一方で主人公のケイト・ウィンスレットはタイタニックのころからやや苦手な俳優
スタートしてすぐに大英博物館に大型鳥類の化石が収蔵されるシーンから。元々のタグには発掘者として主人公の名前が記載されているが、博物館のスタッフにより差し替えられてしまう。
18世紀のイギリスの田舎町。海岸の近くで泥にまみれながら、時には滑落の危険もあるがけによじ登り化石を含む岩石を集める男勝りの主人公。
まだ女性の地位が低く、研究者として認められることもなく、亡き父が営んでいた化石の収集店を引継ぎ、時々やってくる収集家向けに大型化石の発掘とクリーニング、観光客向けには小さな化石を組み合わせたアクセサリー等をつくりながら老いた母と細々と暮らしている。
このお母さんがまた過去がありそうで、気難しく、娘には辛くあたり、さらに何故か8体の動物のフィギュアを入念に磨き続けている。
そんな時に、ロンドンからやってきた収集家から気鬱気味の妻を数週間預かって欲しいとの申し出。なんとも面倒な話なのだが、高額な報酬を提示され嫌々引き受けることとなる。
あまり前情報を入れずに映画を見たいたちで、鑑賞前は女性同士の友情の物語と思っていたのだが、結果的には「燃ゆる女の肖像」と同じく女性同士の秘めた恋愛の物語であった。
正直苦手である(なら観るな、というところだが、気づくのが物語の中盤となるパターン)。
純粋な感想でいくと、なぜ主人公と預かった妻が恋に落ちたのか、(実在の人物をモデルにしているから説明は不要というパターンなのかもしれないが、)結構唐突に、しかもすごく深い女性同士の恋愛に展開した理由が理解しにくかった。
これはお互いに男性優位社会に不満や横圧されている者同士が、妻の夫が不在となったことで開放されたから?とも考えられるが、だからといってそこから同性間で肉体関係を持つほどまで展開するのか?と感じた。
さらに映画のシーン作りだが、関係を持つシーンが結構ハードな描写となっていることにも疑問を感じる。
お互いに知名度の高い女優同士のそのようなシーンを入れれば、どんなに講釈を垂れてみても、どうしても興味本位に扱われるだけだと思われる。そこまでのリスクを承知の上であのような脚本としたのは何故なのか?と感じた。
預かった妻は夫から呼び戻され、主人公の母は突然亡くなってしまう。
葬儀の後、妻からの手紙を受け取り、離ればなれになった二人が、立場を代えてロンドンで再会するが、主人公は妻の申し出を拒み、一人大英博物館に向かう。
そこでかつて自分が発掘した化石の展示ケースを見つけ、中を見ている時に、ケースの向かいに妻がやってくる。対峙する二人。そこで映画は終了。
なぜ主人公は妻の申し出を拒んだのか。主人公は男社会の理不尽さ、トラウマを持つ母からの拘束、人間関係が濃密で精神的な自由を得られない田舎暮らし、それらからひと時逃れる対象としての妻との恋であったことに気がつき、妻からの申し出は再び異なる形での束縛に過ぎずそこからは自由でいたかった、という解釈をした。
ただそうであれば、いずれ時間があれば友情という形で解決できるかもしれない。ラストシーンはその余地を残したということかもしれない。
世界には男性と女性しかいないのに、なぜか女性には不遇な社会が続き、もう一方の当事者である男性は本質的な問題に気づかない、気づく能力が無いということなのだろう。
恋に落ちたらみんな一緒
ケイト・ウィンスレットを男性に置き換えたら、良くある恋愛映画なんだよね。そう観えるように、撮られてるんだと思う。
ヘテロ男性とヘテロ女性の恋愛で、色んなドラマが描かれるように、同性愛カップルでも色んな恋愛ドラマが描ける。主人公に同性愛者を選んでも、だからといって、そこに深くこだわって描かなくても良くて、普通に描けばいい。そう思って観たの。
話の中で「頼ってちょうだい」って女の人とワケありそうなんだけど、なんだろうと思ってたら、最後にきて「そういうことか!」って分かるの良かったよ。
あとラストは「オレでも、そこで待ち伏せるな」と思ったね。そして幕の引き方も、このごろ余りみないやり方だけど良いと思ったよ。
う〜ん
実際の人物に焦点を当てた映画のように見えて違うね
決して裕福ではない家の出の女性考古学者に光を当てたかったのか?
それではこの赤裸々な性描写必要だったのかな?
二人の女優は一生懸命演じたと思うが
燃ゆる女の肖像の二番煎じみたいな感じがしたな
海、岸壁、二人の女、同性愛
雰囲気が似てるよね
ハリウッドでよくあるどこかの映画会社が企画すると
他の会社も似たようなのを作る...の再来かなぁ?
古くはデプス、リバイアサンの深海物
ディープインパクト、アルマゲドンの隕石物
といったようにパクるところには際限ないよね
正直化石に焦点は全然当たってなくて
ただの同性愛の恋愛物って感じ
最近LGBTとか話題になるしとりあえず作っておこうか?
みたいな低次元のノリを感じるのは私だけだろうか?
同性愛ものの映画増えたけどそこまでみんな観たがらないと思うよ?
正直、無理に同性愛の性行為を描写しなくていいと思ったな
女性の同性愛者は興奮するのかもしれないけど
その性的嗜好にだけフォーカスするんなら
ポルノで十分じゃない?
もっと色んな人が観る映画としてしっかり考えて欲しいわ
険しい寒さと泥にまみれながら、海辺で化石を発掘するメアリー。 閉ざ...
険しい寒さと泥にまみれながら、海辺で化石を発掘するメアリー。
閉ざされた心がシャーロットの美しさと寛容さで次第に打ち解ける、その繊細なやりとりが見どころだった。
実在する人物だというのでメアリーとシャーロットの事を少し調べてみたが、少ないながらも長い間憶測されていた彼女達の情報を知ることで、より人となりや歴史的な背景も興味深く感じた。
そして、伝記ではなく脚色である脚本の豊かな想像力とセンスに驚く。
この監督、前作も牧場で泥まみれで仕事する2人の心の触れ合いを繊細に描いていたが、泥まみれで一緒に労働する、どんな言葉より垣根を越える行為なのかもしれない。
口数少なく目で会話する2人、静かな恋の雰囲気だったのに、ベッドシーンだけは大胆で呆気に取られた。
波とエロスとアンモナイト
19世紀イギリスを舞台にした古生物学者とお金持ちのお嬢さんの同性愛もの。
静謐で繊細で時に大胆、波の音が印象的で、音楽や台詞など、余計なものを削ぎ落としたシンプルな作品。
寡黙で大人しい人が一度スイッチか入るととてつもないエネルギーを放出させる。それは仕事だったり、恋や性生活や感情面でも。
「おやすなさい」のキスから火がついた二人の関係性、メアリーの内に秘めた激しい情熱とエロスをケイトが巧みに演じている(タイタニックのローズを演じてから二十数年も経っているとは感慨深い)。
階級社会かつ、女性の地位が低かった100年前、彼女たちがいくら素晴らしい功績を残そうが名前を消されてしまうことに驚く。
近年よくあるような同性愛カップルの愛をロマンティックに美しく描いた作品とはちょっと異なり、ラストの展開ではちょっと拍子抜け。さらに二人の性描写は結構リアルなので、一緒に観る相手によっては気まずくなるかも
(長いドレスを捲り上げてのシーンは斬新である)。
波の音に掻き消されそうなほど静かな物語
個人評価:4.0
この物語をこの2人が演じてくれて本当によかった。ローナンとケイト・ウィンスレットでなければ、ガラスの様に壊れやすく、波の音に掻き消されそうなほど静かな物語を演じきれはしなかっただろう。
生なる声よりも、死に満ちた化石に耳を傾けるメアリーに対し、宝石の様に輝く若いシャーロット。お互い欠けた心を補完し合うその様が、憂いながらも、まるでクラシック音楽を聴く様に心地よい。
化石と冷たく固まった心をメタファーのように対比させ、純文学の様な作品。
ただ恋愛を語るにはさらに踏み込んだ展開が必要なので、あくまで化石と心の比喩を描いた作品だと感じる。
飽きさせない
73本目。
シアーシャ・ローナンが出ているだけで、いい作品と思い込んでる自分。
実際そうだったけど、会話が少なく落ち着いた作品で苦手とは思ったけど、表情を読み解いて行く行だけでも飽きさせない。
【奥底に眠るもの、自立】
東北の中央を南北に貫く奥羽山脈は、東西圧縮で隆起した数百万年前の地層だ。
僕の友人のお父さんは、建設省(当時)のお役人で、ここのトンネルや道路工事を管理していて、土砂から見つかる貝の化石をよく家に持ち帰っていた。
僕はそれを、その友人と、僕の見つけた土器の破片とたまに交換していたが、それは、今、僕達が見る貝とほとんど同じような感じだった。
これに対し、北上山地は、ユーラシア大陸から切り離された何億年も前の古い地層で、その東北部に位置する宮古周辺ではアンモナイトが見つかると聞いたことがある。
イギリスでは確か同性愛が法律で禁じられていた時代があって、1800年代は、そうした時期だったのかもしれない。
古生物学者としての仕事にひたすら向き合ってきたメアリー。
裕福な家に嫁ぎ抑圧された生活を送って来たシャーロット。
アンモナイトは、ふたりの意識の奥底に眠る同性愛の心のメタファーだろう。
化石の発掘や、洗浄など地道で、ある意味、退屈な作業も、実は、この頃の女性の抑圧された生活そのものを表しているのではないだろうか。
しかし、見落とされがちな、気が付かないところには重要な化石が眠っているように、自分にも気が付かない秘めた意識があるかもしれないのだ。
イギリスの田舎の寂れた家でのレズセックスは激しくも、どこか切なさが残る。
エンディング。
シャーロットの申し出を拒絶するメアリー。
この作品には、女性同士が恋に落ちるという同性愛の物語に、女性の自立とは何かという問いを更に投げかけているのだ。
#31 アンモナイトとメアリーの心
を掛け合わせた映画。
母親と2人暮らしで誰にも心を開かないメアリーの魅力に、ロンドンから静養にやってきた富裕層の妻シャーロットが気づき、2人は愛し合うようになる。
ただの岩や石ころの中からアンモナイトを発見するように、シャーロットに発見されたメアリー。
言いたいことはわかるが2人が幸せに生きていくのは現実的ではない。
ラストがスペイン映画みたいにどっちとも取れる終わり方で、白黒はっきりさせたい私はなんかモヤモヤする。
もう一つの『人形の家』
自由な鳥を 金色の鳥籠に閉じ込めないで
その台詞を聴いた時 これは性の従属を捉えた 『人形の家』だと感じた。
それにしてもフランシス・リーは 同じテーマで制作された『燃ゆる女の肖像』を知った時 大変に驚いたであろう
あの映画にはフランス的なエロティシズムが燃えていたが、この映画にはファン・アイクの絵のような禁欲的な世界で 炎のような恋 が出現していて感心した。
いずれにしても これでマクドーマンドのオスカー三冠は絶たれたと思う。
覚え書き
イギリス?19世紀?前半を観ててもっと北なのかと思ってました。イギリスの中でもたぶん北側の田舎街なんだろうか?
前半の鬱展開の中でさえもシャーロットの美しさは際立つ。メアリー、学者さんで貧しい家庭環境、境遇からなんだろうけど相当な偏屈!あの教会のおばさん?意味深な存在。(後にだいたいのことはわかる)そんなメアリーでも好いてくれる男性もいるようだがやっぱりメアリー自身が拒絶してる。
シャーロットの夫もなんかおかしくない?化石好き?功名心?どちらにしてもなんでこんなやつと結婚したんだろな!(まあこの人のことはあんまり描かれてない)
シャーロットも生まれや育ちがよくわかんないけどたぶんお嬢さんだよね?寂しさや知らない土地での心細さ、静養するにはあそこは向かなそうだけど。
メアリーとシャーロットの共依存なのかもしれない。メアリーの偏屈さから考えれば結末も。
シアーシャローナンがとにかく終始とんでもなくかわいい。
稲妻メアリーって言われてもね
地質学界で有名な観察眼を持つ一般人メアリーと、彼女のもとに預けられたうつ病を患う学者の嫁のお話。
イングランド南西部のライムレジスで化石を拾い、土産物屋を営む母親と2人暮らしの主人公のもとに、化石を発掘する姿をみせて好奇心を引き出して欲しいと預けられたシャーロット。
人嫌いで最初は疎ましく思っていたけれど、シャーロットが倒れたことを切っ掛けに変化が訪れるというストーリー。
この作品が事実に則しているのかは知らないけれど、メアリー・アニングって実在した方なんですね…というかこれって伝記のアナザーストーリーみたいな位置付け?
助けられて心を開き、心を開かれてそれに応えたってことで、アンモナイトの目覚めはシャーロットの承認欲求から産まれたものってことですかね?
終盤のエリザベスとの件以降は理解できるし悪く無いけれど、メインどころのパッションはイマイチ理解できなかった。
たぶん男には難しいんだろうなぁ…。
名女優2人の存在感が凄い
若手代表のシアーシャ・ローナンともうベテランの域のケイト・ウィンスレット、二大名女優の熱演が見応えがありました。
19世紀に実在した化石採集者で古生物学者メアリー・アニングを描いたシリアスで重厚な人間ドラマです。
昨年公開の「燃ゆる女の肖像」に雰囲気は似ていますが、
生活、職業、同性愛、嫉妬、現代に向けたメッセージもあり興味深かったです。
ラスト近くの二人に立場の明確な違いが解放なのか隔離なのか観た人の判断で印象は別れそう。
直接的な同性愛シーンにはドキッとしました。大人の映画としてお勧めします。
19世紀を舞台にした今につながるお話。
言葉を多用して解説するのも野暮であると思わせられる、臨場感と絵画的フレームの両立した映像の構築美に圧倒される。2大女優の共演は濃厚で見応えあり。メアリー(ケイト・ウィンスレッド)の醸し出す年輪の深さが1枚上手だったかな。衣装の華美さも種類も全く対照的なのだけど、今風に言えば持たざる人の「ミニマムファッション」の方が人の記憶に残る機能美の極致である。
同時代の画家・ターナーの作品を思わせる海、場所は違えど『ピアノ・レッスン』を思い起こさせる暗い海岸、今でも英国人に内在化してそうな階級意識に基づくシンプルなプロット。
アンモナイトのメタファーは見る人に委ねられる。気の遠くなるような年月、ずっとそこにあったものに気づき、丹念に手をかけて驚くような価値を見える化する。その主体はアカデミックのど真ん中にいる人ではない。名誉は忘れられ、全てはお金に換算されていく。
単純な男尊女卑社会においてこそ共感しあえる同性愛の安らぎ、とだけ見て本質を見ないのはもったいないように思う。後半、無意識の差別構造は入れ子になっていることに軽くショックを受ける。籠の中の鳥にあっさり戻ったシャーロット(シアーシャ・ローナン)は「たかが使用人よ」と、メイドをあっさり切り捨てる。ラストにかけての二人の意識差が哀しい現実を見せてくれるけれど、アンモナイトを間に置いた二人のラストカットに希望を見たと思いたい。自由か金色の鳥かごか。ノマドランドを思い出した。
互いの気持ち
田舎にいた時、ロンドンで再開した時の2人の気持ちが微妙に違う感じがよくわかります。結局は互いに引かれあっているのだから、元には戻ると思いますが、恋愛は二人のベクトルの向きと強さがあった時に成立するのでしょう。
ケイトとシアーシャの対照的な組み合わせ凄い サイコー😍💓💓
19世紀のイギリスが舞台。ケイト・ウィンスレット扮するメアリー・アニングは実在した古生物学者らしい。
映画のあらすじには「人間嫌い」とあったが、そんなではないと思う。人付き合いが苦手なだけと思われる。ひとつ秀でた才能がある人にありがち。イクチオザウルスの化石を発見し、完璧な標本を作っても手柄は男のものになってしまう世界や華やかな社交界が嫌いなのだ。まあ、いろいろあって腐っちゃって、ひねくれちゃっている。40過ぎで独身だし。病気で高齢の頑固そうな母親とふたりの暮らしだし。アンモナイトの化石を観光土産に売って、爪に灯をともすようにして、質素に暮らしている。
そこへ現れたのが、いかにもミーハーっぽい化石収集家の男とその若い奥さんのシャーロット。ふさぎ込んでいる奥さんの転地療法がてらロンドンからメアリーのいる南西部の海辺の小さい町に遊びに来たらしい。しかし、シャーロットが具合が悪いのは旦那のせいのよたうだが、それに気づく筈もなく、化石に夢中な夫はメアリーに妻をあずけて、ひとりで出掛けてしまう。シャーロットを押し付けられたメアリーは海岸での発掘や貝殻拾いにシャーロットを連れていくが、自分の仕事や家事があるので迷惑なんだとあからさまに言ってしまう。海岸での座りションベンのシーンはちょっと衝撃的。こっちのほうが、びっくりして座りションベンしそうになった。スカートで手を拭いて、その手で惣菜パンを2つにちぎり、片方をシャーロットに差し出すが、シャーロットはそんなものは食べられませんといったように無表情。綺麗なドレスを着たシャーロットをやぶにらみするようなシーンも。次の日、仕方なく、ホテルから海水浴(?)に出たが、体力がないもので波に揉まれてしまう。次の日、メアリーの家の前にたどり着くやいなや意識を失ってしまうシャーロット。呼ばれた医者は木製の聴診器みたいなものをシャーロットのお腹にあてている。妊娠を疑った様子。高熱で意識のないシャーロットの看護を頼まれたメアリー。ひとりの村人(のちのち重要人物と判明)を訪ね、軟膏(ハッカ入りのメンソレータムみたいな?)を買い、シャーロットの背中や鎖骨あたりに塗ってあげる。まるで、愛撫。うなじから肩にかけての美しさ。メアリーは寝ているシャーロットの後ろ姿をスケッチする。高熱にうなされていたシャーロットはメアリーの献身的な看護により奇跡的な回復をとげた。目覚めたシャーロットはメアリーの家のピアノを見つけて、弾いてみる。それを隠れるようにして、黙って見つめるメアリー。
少し、元気になったシャーロットは家事の手伝いを申し出るが、ニンジンの皮もむけない。石炭をとってきてと頼まれるが、バケツを持ったとたんによろけて転んでしまう。顔に炭をつけたシャーロットがメアリーのもとに戻って、一瞬微笑んだと思ったら、急に嗚咽。貝殻を縁にあしらった鏡作りをやってみたいというシャーロット。シャーロットにベッドを提供して、自分は椅子で仮眠状態のメアリー。ようやくそのことに気がついたシャーロットは一緒に寝ましょうと言って、ふたりは
背中合わせで寝るのだった。
そんなおり、例の若い医者がシャーロットの具合を見にと言いながら、自宅でのチェロ演奏会のパーティーにメアリに招待状を持参した。音楽に造詣の深いシャーロットと一緒でないのなら、行かないと言い張るメアリー。ふたりはドレスアップして、馬車に乗ってパーティー場へ。社交的なシャーロットと対照的にそういった場所が苦手なメアリーは外に出て、タバコを一服。チェロの演奏が始まると軟膏をくれたご婦人に誘われるように最前列に座って、演奏中なのに、にこやかに歓談するシャーロットの後ろ姿を一番後ろの席から落ち着かない様子で見つめるメアリー。嫉妬で狂いそうになっている。演奏会の途中で、堪らなくなり、とうとうシャーロットを残したまま、雨のなか一人で帰宅してしまう。あとから帰って着たシャーロットはなぜ私を置き去りにしたのかと涙目。
海岸で化石探しに同行して、シャーロットは崖に大きな化石がありそうだとメアリーに言うが、大きすぎて、運べないとよいうメアリー。構わず素手で掘り返そうとするシャーロット。それを見たメアリーもとうとう一緒になってほり始める。泥まにれになったふたりの手がひとつの石を撫でるように交錯する様が官能的。打ち上げられたボートの板を外して、石をその上に乗せて一緒に運ぶ二人。作業場で少しずつ石を削るメアリー。頸椎の化石が現れる。疲れて寝てしまったシャーロットが目を覚ますと、イクチオザウルスの頭が現れていた。黙々と作業を続けるメアリー。明日は残りの化石を探しましょうというシャーロット。あなたはもう寝なさいというメアリー。おやすみなさいとメアリーにキスをするシャーロット。どんどんディープキスになってゆく。メアリーも答える。スカートをたくしあげる、下着を下ろすシャーロット。のけぞりながらのシアーシャ・ローナンの喘ぎの演技。なんか見てはいけないものを見てしまった感じ。
化石を買いに一人の男が来店するが、
交渉ベタで値切られてしまうメアリーに代わって、メアリーの長年の経験と才能、丁寧な仕事ぶりの労力に見合う報酬を支払うべきだと滔々と客に述べるシャーロット。シアーシャ・ローナンの顔がこのころになると、以前と見違えるほど明るくなって、健康的にふっくらとしてきている。最初のほうはわざと痩せて役作りしていたんだなと思った。
海辺にふたりでピクニックに行くシーン。それまでの曇り空で、冷たそうな海のシーンばかりだったのが、明るい日差しをうけて、ふたりの笑顔がまぶしい。海に入ってシャーロットを誘うメアリー。
しかし、シャーロットの旦那から帰ってこいとの手紙が届く。ショックで寝込んでしまうシャーロット。メアリーの顔を見ないで、すみれの刺繍のハンカチを差し出す。
その夜の二人のベッドシーン。
ケイトとシァーシャのフィジカル的にも対照的な組み合わせ、凄い。サイコー😍💓💓
そのあとのピロートークでの字幕。
サリーは男漁り(あさりー)が大好きで、極太男の膝に股がると、あっサリーイカないで~ と言ったとさ
だったっけ? 魚屋の駄洒落か? ちょっと意味不明。
そして、とうとう別れのシーンが訪れる。夫が差し向けた馬車に乗り込みむシャーロット。じっと、堪えるメアリー。
母親の死後、船に乗って、はるばるロンドンのシャーロットを訪ねるメアリー。女中の前でも憚らずキスするシャーロット。
ただの女中よ。気にすることないわ。発言。女中さんが、どことなく、倍賞千恵子にそっくりだった。
シャーロットのあるサプライズに怒りを抑えられないメアリー。ずいぶん、用意周到ね。仕組まれたって感じ。嵌められたって感じ。こんな小娘に好きかってにされてはたまらないという自尊心がむくむくともたげた瞬間なのだろう。骨董品の陳列棚に私も閉じ込める気? そして、自分の名前のラベルをはるんでしょ。そういう展開でのケイト・ウィンスレットの凛とした感じがものすごくステキ。年齢に開きのある女性の同性愛が繰り返されるストーリーでもあったわけだ。メアリーは自分の殻に閉じこもって、相手を拒んでしまう。
陳列ケース越しのラスト。メアリーの目付きとシャーロットの顔が初めのシーンに戻ってしまったように感じた。
あの医者はメアリーに気があったと思うし、冒頭、道端で婦人たちと立ち話をしている医者を家の中からそっとメアリーが見つめるシーンがあるので、メアリーも気があったんだと思う。人生、なかなか思うようには行かないということか?
セリフが極端に少なく、静かなゆったりとした音楽に、潮騒の音だけなのに、全然眠くならない。目覚めっぱなしだった。
脚本も気に入った。フランシス・リー監督いいね👍 満々満足な夜でした。レイトショー復活してよかった。
ケイト・ウインスレット。愛を読むひともすごいよかったですけど、今回、私のお気に入り美熟女リストにみごと殿堂入りを果たされました。おめでとうございました🎊
美しいアンモナイトを発掘
ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナン。
女優2人の演技の凄さがこの作品の見どころ。
特にケイト・ウィンスレットの抑えに抑えた演技は
もう円熟味を増した超ベテランの域に達しています。
化石を発掘するメアリーは化石のような生活から
シャーロットに出会い、発掘され
美しいアンモナイトのように磨かれました。
ラストシーンは・・・あえてあの様な状況にすることで
映画を観た者の感覚に任せ、発掘する気持ちに。。。
男には感得できない窮屈さ
たぶん、私のような凡庸な男の目線だと、あまり楽しめない映画だと思います。
決して開放的な明るさを感じることのないイギリス、ライム・レジスの自然を背景に描かれるのは、これもまた、決して開放的とはいえない環境の中で生きる女性たちだからです。
男にとって、頭では理解できても身体的には感得できない窮屈さ。
直情的に抱き合うシーンですら、纏わりつく衣服がなんとも面倒くさい。
どんなに環境に恵まれていなくても、泥臭くて地道な行程(仕事でも生き方でも)を通じて得られる〝矜持〟
それを恋愛感情のある同性からも理解されないことの歯痒さやもどかしさ。
もちろん、数行の言葉だけでは表現できない諸々の窮屈さについて、数え切れないほど感じてきた経験のある女性が世の中にはたくさんいらっしゃると思います。
自分のことのように身につまされるであろう窮屈さを知る方にはとても直観的、身体的に響く作品だと思います。
英語が読めない私には、作中の手紙やエンドロールで使用される美しい筆記体のアルファベットが、そのような心中を、感情を抑えながら切々と訴えているようにも見えたのでした。
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