「シンプルな大人の官能映画」シンプルな情熱 ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルな大人の官能映画
ポスターの美しさに惹かれて鑑賞。
主演のレティシア・ドッシュは、以前「若い女」で崖っぷちに立たされた若くない「若い女」を演じ、うまい役者さんだなという印象を持っていたので、今回はつらくて切ない女心をどんなふうに表現してくれるのか楽しみに行った。
異国の異性とひょんなことから出会って、どうしようもなく惹かれてしまうということはよくあること。海外在住時、そんな男女をたくさん見てきました。言葉も文化も違うから、相手がよく理解できない、でも、だからこそなのか、その外見や仕草、声、相手の存在そのものに強く惹かれてしまう。そしてそれは執着となってしまう。
映画では、ほぼ情事のシーンばかりですが、原作では会えない時間に彼をひたすら思う気持ちを綴ったものだそうですね。あえて、まったく違う側面から映像化したことが面白いと思うし、とても美しい画に仕上がっていた。
女性がみてうっとりするような官能映画じゃないかな(もちろん男性にも体験してほしい)。と同時に、心理的には恋の痛みをヒリヒリと感じさせる、ホロ苦い大人のドラマなのです。
よくある(と言っては唯一無二の体験をした作者本人には失礼ですが)男女の出会いと別れを描いて、その筆力でベストセラーにしたという原作を読んで、恋愛の甘さと苦しみを2度味わいたいと思います。
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