「新感染ファイナル・エクスプレスの「続編」と呼ぶには残念ながら程遠い」新感染半島 ファイナル・ステージ yookieさんの映画レビュー(感想・評価)
新感染ファイナル・エクスプレスの「続編」と呼ぶには残念ながら程遠い
最高の韓国製ゾンビ映画の爆誕に沸いた前作と同じ監督が制作したとは信じがたい、駄作。IMAXレーザーで鑑賞したが、CGがあまりにもCGすぎて、映画というよりゲームを見ているような感覚で正直のれなかった。CGを作り込んでいるにも関わらず、何が起こっているのか分かりずらいアクション。本シリーズの高速ゾンビのスタイルは継承されているが前作と比べゾンビの動き・襲い方のルール設定があまりにもご都合主義的すぎる。細かい演出など指摘せざるを得ない箇所が本当に多
かった。それが面白い綻びになっていればよいのだが、残念ながらそうではなく、笑えるシーンも殆ど無かった。登場人物が多すぎて、それぞれの設定も薄く、無駄に感じる。
MAD MAXやBABY DRIVERなどをやりたかったのは分かるが(これらの映画が大好きなだけに・・・)CGでガチャガチャと描いてしまっては、あまりにもチープに見えてしまい、実写を追求している2作品への敬意が足りないのではないか、とまで言いたくなる。
何よりもこの映画で自分が好きになれないところは、子供達の描き方だ。最初の登場シーンで、彼女達がゾンビをそれこそゲームの中で敵を倒すように、楽しむように殺していく姿を見せられる。でも彼女達は4年前までは普通の小さな子供だったはずだ。ゾンビになってしまった隣人かもしれない”人”をあっさりと時に笑みを浮かべながら殺す。これは作中のかくれんぼごっこを楽しむ631部隊となんら変わらないではないか・・・?それがひとたび”ノーマル”な家族になると別れに涙を流している・・・感情移入できるわけがない。一切感動できずに、劇場を後にした。
昨今の韓国映画はクオリティが高いので、全体的に期待値を上げすぎているところもあるかもしれないが、本当に残念な作品だった。