劇場公開日 2021年1月1日

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「平凡なB級ゾンビ映画になってしまった」新感染半島 ファイナル・ステージ RFさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5平凡なB級ゾンビ映画になってしまった

2021年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作から4年後、香港に逃げたジョンソクは感染半島から来たことで差別を受け、惨めな生活を送っていた。そんな折、放棄され廃墟となった韓国から大金を盗み出す計画をもちかけられ・・・

前作はAmazon Primeで視聴済み。ストーリーの繋がりはほぼない。前作のほうがはるかに面白いので観るならそちらがおすすめ。
前作は新幹線の中でゾンビ化が起こり、居合わせたファンドマネージャーの主人公が家族を守るストーリーだった。ファンドマネージャーという高給取りであることから疎まれたり、自分だけ助かろうとする人がいたりと、登場人物の描写はリアルだった。ゾンビ化そのものは荒唐無稽だったとしても、そこには「作品内リアル」があった。

ところが、今作は主人公が無敵のイケメンであることから明らかなように、完全にミーハー向け。2億5千万円目当てにゾンビだらけの韓国に戻るという動機からして共感できず。
他にも、動かないゾンビに平気で触れて襲われそうになる、物理法則を無視したカーチェイスシーン、4年もゾンビから隠れて暮らしてるのに身ぎれいな女の子、都合よく現れたり消えるゾンビなど作品内リアルが崩壊してしまっている。
悪役は小悪人という感じで魅力を感じず。ゾンビよりも人間のほうが怖いということが全く伝わらない。ウォーキングデッドのニーガンや総督のほうがずっと怖かった。
味方の死も感情移入していないもんだからまったく悲しくなかった。

前作よりお金がかかっているのは間違いないのだが、それが面白さにはつながらず、廃墟のCGやカーチェイスシーンに消えてしまったようす。ありきたりなB級映画になってしまっている。

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RF