「デンマーク愛」アナザーラウンド matsuさんの映画レビュー(感想・評価)
デンマーク愛
クリックして本文を読む
アカデミー賞の、授賞式でトマスビンターベア監督が話したスピーチがとても印象に残っており、公開されたら必ず観に行こうと決めていました。
公開期間にタイミングが合わなかったのですが、たまたま期間限定で上映されている映画館があったこともあり、無事スクリーンで見ることがでしました。
作品はドキュメンタリーのようなデンマークの日常を切り取った内容で、アクション系など刺激を求める方には物足りない所もあったのかなと思います。
しかし、平凡な教師を演じるマッツと、その教師仲間達の血中濃度を検証する実験は、見ているうちにどんどん惹き付けられるものがありました。
何気ない毎日の中で誰しもが抱える葛藤や悩み、その中で懸命に生きている人々。まさに人生とは、生きるとは?を考えさせられる作品でした。
リアルな日常を陰影効果を使いながら写し出している所や、登場人物の内面を表しているような音楽(ピアノ)の使い方が絶妙だと感じました。
そして、ラストのマッツのダンスにはこの作品に関わったすべての人とデンマークへの愛がとても感じられました。
母国を愛する力が一つの作品になり、明日への活力になる。当たり前だと思っていたことが制限され、新しい生活が求められる世の中だからこそ、何気ない日常へ目を向ける機会をもたらしてくれた、そんな映画だと実感しました。
コメントする