「色気に溢れるその踊り」アナザーラウンド 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
色気に溢れるその踊り
もともと僕は「人生少し酔っぱらってるくらいがちょうど良い」って思ってたりします。
だからこの作品はすごく気になっていました。
トレーラーの時点で「ハングオーバー」のようでなく、もっとシリアスなテイストなんだろうなとは思ってました。
マッツ・ミケルセンの見せる表情がそんな感じで、やはりそんな作品。
冴えない毎日をただ繰り返すだけになっていた、中年の仲間達が試した密かな実験。
最初は冗談めいていた事も、それによって生活は一転鮮やかなものに。
しかしながら、やはりすぐ転げ落ちるようになってしまう。
でも、今置かれた状況を変えようと苦しむのは、いつの年齢でもままあることなのでしょう。見ていて少し辛かったです。
社会や家族、そして友人まで壊した後にやっと気付き始める。
そうして迎えたラスト、ありのままに向き合えるようになり、まさに花開いたようなダンスは圧巻。。
スクリーンに映る卒業生のように心踊り、色気に溢れるその踊りに見惚れていました。
まさに「人生に祝杯を」な、シーンでしたね。
甘美な酒もあれば苦々しい酒もある、光も影もある人生をアルコールに照らし合わせたような作品でした。
そして撮影直後に無くなってしまった監督の娘アイダさん。どうか安らかに。
コメントする