劇場公開日 2021年8月27日

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「マンドレークが可愛い」劇場版 アーヤと魔女 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0マンドレークが可愛い

2021年9月1日
PCから投稿

アーヤが可愛さで人を操るのに長けて、ずる賢いのが鼻につくけど、マンドレークのツンデレ具合が可愛いのでOK。
このところ、実写・アニメ問わず、トヨエツが続いていて、どのトヨエツもいいキャラで魅力的なのであった。

ただ、「これから何かが始まる」「キャラ紹介編」みたいな終わり方で物足りないままエンドマーク。
さほど3Dアニメに違和感は感じなかったものの、エンドロールに描かれたイメージボードっぽいイラストが一番面白い部分に感じ、2Dで「こっちのストーリーが観たいなぁ」「こっちこそジブリっぽい」と思いました。

予告編からわかるように、黒猫・魔女・葉っぱの包み・カリオストロっぽいカーチェイスなど、意図的に宮崎駿の過去作の要素・パーツを使い、無難にそつなくまとめた感じ。
3Dであることよりも、どことなく突き抜けていないような印象が拭えない企画と脚本に問題があるんじゃないかと。
『コクリコ坂』の進化型を期待して行ったが、『ゲド戦記』に感じた「小ささ」の延長にも思えました。

また、劇場で観てから録画しておいたNHK放映版を見たら、細かい部分のアップデートはあったけど、ストーリーは大筋で同じ。
すでにテレビで観てしまった人たちにとっては、劇場まで観に行く動機が少々弱いのかもとも。

素敵なキャラたちを作れたんだから、テレビ版に相当する部分はダイジェスト的に圧縮して、むしろ「その先」の可能性を示すように別のエピソード中心に作り込み、作品世界に引き込んで欲しかったようにも思いました。

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コージィ日本犬