劇場公開日 2021年8月27日

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「こいつ…生きてやがる(表情筋的に)!!!」劇場版 アーヤと魔女 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こいつ…生きてやがる(表情筋的に)!!!

2021年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

NHK版は未視聴。完全に初見。

正直、かなりビビりました。あの平面の魔術師だったジブリが、ここまで進化するとは。
いくつか3DCGアニメの作品も観ているのですが、ここまでキャラクターの表情がバラエティに富んでいる作品、そうそうお見かけしたことがない。
階段を上る時のアーヤのくそ憎たらしい表情、完全にリアルクソガキが悪だくみを考えてる時の表情筋で、マジでたまげました。
ジブリ、やりますねぇ!

だいたいの内容。
12人の魔女から追われる身となったアーヤの母は、娘を守るために彼女を孤児院に置き去りにする。
孤児院ですくすくと育つアーヤ。金髪美少年と人の好い院長を手下につけながら、孤児院で自由気ままな生活を送る。
自分の思い通りにならないことが、何より許せない。そんな彼女の目下の悩みは、たまにやってくる『親』達による子どもの選定会。
これまであの手この手を使いながら『親』達からの選抜を逃れてきたアーヤだが、ある日とうとう謎の紳士(デカい)を引き連れた女性(デカい)によって、選ばれてしまう。
ドチャクソ嫌気が差しながらも、一応は従い、女性の家の元に行くアーヤ。
実は女性の正体は、謎の薬物を売って生計を立てる魔女だった―

主人公が〇ぬほど性格が悪いと評判の今作ですが、原作ではどう描かれているかは知りませんが、子どもをショーウィンドーにあるモノのように選別する大人たちの姿を毎日のように見ていれば、そりゃ性格もヒネるに違いない。
ただこの主人公の良いところは、与えられた世界が理不尽なものと知りながらも、敵と思う相手に対して(いつか自分に従わせてやろう)と挑む精神を忘れないことでしょうか。
そのためなら、多少は譲歩してもやぶさかではない。
…すっげえ神経図太いです。

なんか最近、映画でも小説でも『大人向けにカスタマイズされた理想の子ども』みたいな気色悪い子どものイメージばかり見てきたので、久々にちゃんとしたクソガキが観られて安心しました。
ありがとう、吾朗。

ストーリー的にいろんなものを端折ってる感が否めないので星4ですが、ただ無駄に尺を長引かせて置いてけぼりにされてもこまるので、これはこれで。
唯一残念だったのは、この作品は子ども向けだろうに、くそコロナのせいで土日にもかかわらず、子どもの姿をほとんど見かけなかったことです。コロナ、本当にお前、はよいなくなれ。

BONNA