「タイトルなし(ネタバレ)」海の上のピアニスト イタリア完全版 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
ジェリー・ロール・モートンはJAZZの発明者じゃない。そんな事は誰でも知っている。
言うなら、ラグタイムのピアニストでアレンジャーだと思う。
それは兎も角、主人公が勝った時に引いていた曲はリムスキー・コルサコフの「クマンバチの飛行」そのもの。これがまた我が亡父が大好きな曲で、我が家に唯一存在したクラシックレコードだった。でも、僕はこの曲よりも一緒に収録されていたグリーグのペール・ギュントの「朝」と「オーゼの死」がやたらと刺さったと記憶する。
クラシック音楽に於ける「ヴィルトゥオーゾ(技巧者)」とJAZZのインプロビゼーションは違う。勿論、クラシックのカデンツァとも違う。
この映画見て思い出したのは「セッション」かなぁ。本来のJAZZは技巧ではないと言うことだ。勿論、まだ、スイング・ジャズすら現れていない時代だから仕方ないが、本来はコーン(トランペット)とかとセッションをする事でJAZZは開花する。
そもそも、JAZZと言う表現も差別を意味する。それだけはくわえておく。正確に言えばJAZZではなくて「ブラックミュージック」と言うべきだと思う。
いわば先祖返りした南アフリカにダラー・ブランド(アブドゥーラ・イブラヒムでご存命)と言うピアニストがいる。彼のブラックミュージックはジェリー・ロール・モートンの欠片も無い。JAZZの究極とは言わぬが、JAZZから派生した音楽なのだが、西洋音楽の欠片も無い音楽が、しばしば顔を出す。僕はそれを血の繋がった知り合いから聞かされて、度肝を抜いた記憶がある。
さて、映画は1999年の上演になるが、ミレニアムを目論んだストーリー展開になっていることは間違いない。この映画の中で、20世紀は「イカれた世紀」と言っている。だが、言うまでもなく、21世紀はもっといかれた世紀で幕を切る事になる。まだ、それを知らぬ時代だったんだ。
エンリオ・モリコーネを評価する事に全く異論はないが、過大評価ではないかと考える。イタリアにはもっと偉大な作曲家がいる。ニーノ・ロータである。双方には、業績数は同じくらいあるが、エンリオ・モリコーネの作曲した映画はやはりB級作品が多いと思う。「荒野の用心棒」が世界的な名画ではないのは言うまでもない。
すみませんが、本レビューには異論唱える方多いと思います。
ただマサシさんが、私なんかよりずーっと音楽🎵に造詣が深いとは思いますが。
もう一つの方、ピアノソロだけでなくお客さんの前ではオーケストラでしたよ。