「医療映画のようで根本のテーマは介護か」いのちの停車場 木根間さんの映画レビュー(感想・評価)
医療映画のようで根本のテーマは介護か
【箇条書き】【役名略】
•原作の大事な部分カット
•テンポがはやすぎる
•登場人物多すぎるが故にエピソードが浅い
•映画の尺に収めるなら、登場人物を絞って掘り下げたほうがよかったのでは。
•よって柳葉さん、伊勢谷氏、小池さんは不要だったと思う
•石田ゆり子、泉谷しげる、子供のエピソードを掘り下げて欲しかった。
•松坂桃李がバカすぎる。子供の抗がん剤治療で辛い、頑張りたくないと言っているのを聞いていたくせに、死にそうになると車を売ってまで新薬を試せと医者にせがみ、すぐ我に帰る。アホか。
•序盤の点滴シーンもアホか。そのへんは原作ではちゃんと書いていたのに端折ったせいでただのアホに見える
•おそらく正義感が強い不器用な人ということを書きたかったのだと思うが空回り。
•医学部は卒業したけど国家試験落ちたという解釈でいいのかな、映画でそこに触れないのもおかしい。話がわからなくなる。
•広瀬すずと西田敏行さんのラストシーン、え、あれだけ?あのセリフがラストでいいの?
•途中の映像ちょっと酔った(お正月のシーン)
•脚本はおそらくもっとあったのだと思うが、監督が色々とカットしたように感じた。
•監督のカットの仕方が下手。原作読み込んでもっと頑張れたはず。せっかくいい役者さん揃えているのにいまいちな仕上がりになってしまった。上から目線のようで申し訳ないが、プロとして製作しているのだから…。
今後に期待。
私の解釈では吉永小百合さんのラストシーンは、擬似家族を捨てて犯罪者になること、医者のキャリアを全て捨てること覚悟し、これからやるぞ、というシーンだと思う。あの聡明な医師がそうしてしまうほど介護疲れは深刻な問題なのだ、ということが根本のテーマだと読み取った。
あの状態で朝日を見ただけでやっぱりやめようとなるとはわたしにはどうしても思えない。
曖昧なまま終わったのは確かに消化不良だが、今の日本映画ではこれが限界。今後日本にとって安楽死がどう扱われていくのか、それによって作られる映画の形も変わる。
関係ないことだが、伊勢谷氏のシーンで世界一キライなあなたにのルーとウィルの出会いのシーンが思い浮かんだ。
舞台挨拶の対応が素晴らしかったです。