「奇跡的な二本のヤクザ映画」ヤクザと家族 The Family うどん人さんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡的な二本のヤクザ映画
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この映画と同時期に公開されている「すばらしき世界」は同じように、殺人を犯し服役した元ヤクザの厚生を描いている、その点では非常に似ている。主人公は両方とも血縁者がいない。それでも「すばらしき世界」では厚生を助けようとしてくれる周りの人々がいる。この映画では血縁ではないが擬似家族のような集団があり、孤独ではない。一時は厚生に向かうというのも両作共通している。
いい方向に向かいかけた時にネットの書き込みが全てを暗転させる、その点がすごくリアルで悲しい。「ヤクザの人権なんかとうの昔に無くなってる」と言う悪徳刑事の言葉が重い。一番の悪は誰なのか?と訊かれている感じがした。
何箇所かミスリードの場面があり、観ている人はびっくりするだろう。
二本のヤクザ映画が同時期に公開され両方とも傑作というのは奇跡に近いと思った。
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