「刑務所の暮らし」ヤクザと家族 The Family lacage555さんの映画レビュー(感想・評価)
刑務所の暮らし
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刑務所では、ヤクザの受刑者の場合、親族以外は誰も面会できないため
山本賢治に家族はいないので14年間外部との接触は全くなかったという。
ヤクザではないけれど後ろに警戒すべき組織があるような受刑者もそうかもしれない。
その昔、学生運動で逮捕された人に面会するため拘置所に行ったことがある。
クリスチャンの恩師がその人のメンタルを支えようと何回も通っているのを知り
友人から一緒にと誘われた。
実際行ってみると面会は二人までということで、恩師は何回も来てるからと遠慮し、
友人と私だけで会った。
友人は、家でケーキを作り庭の花を摘んで束ねてきたが、
そういうのは禁止になっていて、拘置所の外にある指定の店で買い物をし
相手の名を書いて先方に届けてくれるように頼む。
でも手紙のやり取りはOKで何回かした。
しかし刑が確定し刑務所に移ると、家族以外面会禁止となり手紙のやり取りもできなくなった。
そのため支援者の一人が書類上結婚して夫婦となり、パイプ役となって情報が伝わってきた。
そんなパイプ役のいない山本は14年間、閉ざされた世界で、どう生きていたのか?
「由香、14年間お前のことばかり考えていた」というのは、それが支えだったのだろう。
そして刑を終えれば、きっと弟分の細野は飛びついてくるし
親父をはじめ組の人間たちが大歓迎してくれるし
煙たがっていた中村だって喜んでくれる。
それらの妄想が潰えた時の山本の気持ちを思うと辛い。
最後に細野に「ごめん」と言ったのは
彼の幸せを壊してしまったことへの謝罪とともに
彼に罪を犯させ、収監されれば、自分と同じようなことが
繰り返されることへの謝罪でもあったのだと思う。
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