劇場公開日 2021年1月29日

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「熱量あふれる渾身の一作」ヤクザと家族 The Family 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5熱量あふれる渾身の一作

2021年2月6日
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鑑賞方法:映画館

血縁を失った主人公がヤクザとなって、「家族」を求め、そして失う姿を描いた3つの時代にわたるクロニクル。
何よりもオリジナル脚本でここまで描き切ったことに感嘆する。
薄青を基調とした色彩構成、空撮・クレーン・移動・長回しなど、美しくかつダイナミックな撮影と演出力で、一瞬の隙も緩みもない。
綾野剛はもちろんのこと、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉から脇役に至るまで、役になりきって、熱量が凄い。特に、磯村勇斗には目を見張る。ラストシーンでは涙が止まらなかった。
ここ数年の日本映画の中では出色の出来。藤井道人渾身の一作。このまま日本映画を背負う存在に育っていってほしい。

山の手ロック