「激しく感動した。嗚咽を漏らした。」ヤクザと家族 The Family エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
激しく感動した。嗚咽を漏らした。
これは一人のヤクザの運命をセンチメンタルに描いた傑作。
主人公の山本賢治(綾野剛)がチンピラからヤクザになった1999年。賢治は柴咲組の組長(舘ひろし)と契りを結び親子になった。
賢治が組の中心となった2005年。大切な女性となる由香(尾野真千子)と出会い順風満帆に思われたが、敵対する組の組員を殺し収監された。
そして2019年。賢治が出所すると世の中が変わっていた。柴崎組は数名の組員を残すのみで以前の勢いはなかった。
この3章が凄かった。滅びゆく柴崎組。昔ながらのヤクザは存在できなかった。由香と再会した賢治が本当の家族を持つことを手を合わせて祈ったのだが。
終焉に向かってなす術がなかった。止められなかった。涙が止まらなかった。ここに映画のマジックが在った。
「青の帰り道」「デイアンドナイト」「新聞記者」「宇宙でいちばんあかるい屋根」そして今作と藤井道人監督の快進撃が続く。彼、まだ34歳なのですね。嫌になります。
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