「煙」ヤクザと家族 The Family ONAKAMAさんの映画レビュー(感想・評価)
煙
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素晴らしい作品でした。圧倒されました。
時代の描き方が上手で、携帯や服装然り、タトゥーをいれている人が銭湯に入れているなど、ヤクザなどの特定の人物が時代の流れに影響されている部分が描かれており鳥肌が立ちました。
最初からヤクザではなく、血の気が短く自分の父親を許せない主人公がシャブの売人をボコボコにするところから物語は始まりますが、甘ったるい実写化作品が多い日本映画では久々に観れた荒々しさでした。こんなにも早く手を振るうとは…と驚かされました。それと年齢の分け方が上手で、髪型だけでなく顔立ちや仕草で歳を取った様子で見せているので違和感なく見れました。
親父に拾われ、女を好きになり、復讐を果たすという流れは山本賢治の素直さがもたらした全てで、本当にいい人なんだなと思うばかりです。そして14年の月日を経って出てきた世界はもう別物。かつての柴咲組はほぼ壊滅。かつての子分は別の職に就いていた。そして由香の元へ行き普通に戻ろうとする。でも、この時代特有のSNSでのインターネットタトゥーは強烈なもので、平和すらも死んでしまいました。最後の最後は実の父親と同じ死に方、しかもかつての子分が恨み節を吐きながら。見ていて辛かったです。
希望を残すラストながらも、ひたすらに物語は残酷でした。主題歌のFAMILIAが全てを包んでくれました。本当に素晴らしい映画を見ました。ありがとう。
鑑賞日 2/1
鑑賞時間 12:05〜14:30
座席 G-9
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