「作品名に込められてる意味って」ヤクザと家族 The Family C0mariさんの映画レビュー(感想・評価)
作品名に込められてる意味って
クリックして本文を読む
もしかしたら、The Family をタイトル末尾に付けた理由についてわかったかもしれない。
主人公山本には、ヤクザと”家族”の関係を結んだが、親父からも言われて組を抜けることを選んだ。
そして、ホステスの由香と”家族”になったが、それはSNSへ投稿された写真一枚で崩れた。由香からは土下座でもう会わないでほしいと。
家族ってなに?への切り込みがなかなか面白かった。
ヤクザと契りを結んだ家族も、子どもを通したつながりだった家族からも遠ざかることとなり、
最後は、一般的に家族とは言えない、関係の遠い翼のために決着をつけに行く。
多分山本にとっての”家族”は、契りや法律などの縛りのある家族ではなく、家族=自分の居場所となるところ、人なのであって、それがThe Familyなのではないかと思った。
翼に若いときの自分を重ねた山本は、先回りして自分の手を汚すことで翼を救う。
善では人を救えないと悟って、悪で人を救うというねじれも気にしないのは、きっとThe Family のためだからだろうなと。
色々とリアルにはありえないし、男気の言葉で片付けられたくないような心地よくないシーンもあったけれど、目をつむることにする。
その救いは、ラストの翼から自身の子へと引き継がれるような予感で終える。
それは、血で血を洗うことの悲痛なねじれに終止符を打ってくれるような、人の死や悪で人を救うねじれの連鎖が山本によってなくなったような、希望なんだろうと思って少し救われた気がした。
コメントする