「美化されないヤクザ映画」ヤクザと家族 The Family トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
美化されないヤクザ映画
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冒頭、綾野剛がシャブの売人に暴力を振るう場面。久々に感じた生々しい狂気。娯楽とは異質の狂気。その瞬間この作品は期待出来ると感じました。
今までのヤクザ映画はアウトローの美学を描くなど美化された作品が多かったけど本作は全く別。
ヤクザとして人の道を外れた生き方をして来た人間がことごとく全てを失う。映画的なご都合主義的展開はなく主人公が(単純な意味で)救われる世界は存在しない。
この世界は全ての人がハッピーになれるような優しい世界では無い。そんな世界で自分はどう生きるか。
藤井道人監督作品の人間に向けられた真摯な目線が好きです。「デイアンドナイト」でも感じたビジネス前提の作品では得られない人間への深い眼差し。
個人的にはここ最近の綾野剛主演作で一番好きです。
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