「ハラっぽくて破綻してる脚本をぶっとばす土屋太鳳の怪演」哀愁しんでれら motoyukiさんの映画レビュー(感想・評価)
ハラっぽくて破綻してる脚本をぶっとばす土屋太鳳の怪演
土屋太鳳の腹をくくった怪演がみられる
1.音楽だけが何か起こりそうで、エピソードはどれも、どこでもありそうなことの連続。子どもが引き起こしたかもしれない事件ぐらい。そんなことで、主人公が狂うとは思えない。
それなのに、主人公は狂って、最後に、人類史上絶対あり得ない犯罪を犯す。
この破綻した脚本をもろともせず、土屋太鳳が演じ切っている。
退屈な脚本も土屋太鳳を見て時間をしのぐことができ、最後の破綻した脚本も、狂った土屋太鳳を見て過ごすことができる。
2.下衆なエピソードを土屋太鳳が全力で演じている。
おちんちんを切ってしまえと言わせる
ケーキの飾りのクリームをぺちょぺちょなめる
性欲を全開に男を求める
これらは、主人公の小春の人間設定上必要性がないか、むしろ妨害電波みたいなものになってる。
こんな下衆で生活力あふれる女が、あれだけのことで狂うとは思えない。
さらに渡部監督は、土屋太鳳を研究して、土屋太鳳にやらしてみたいことを多用
馬を愛する土屋太鳳に、馬は好きかと聞いて、馬の真似をさせておいて馬刺しを食べさせる
無類の焼肉好きの土屋太鳳に、子供よりも焼肉を選ばせて、食べることしか能がないと叱責する
映画の中で好きな子をいじめるというヒカリのエピソードがあるが、渡部亮平監督は土屋太鳳が好きなのかとさえ思った。
見てみたい土屋太鳳、みたいな感じ。見てみたかったんだと思う。
というわけで、どんな破綻してる脚本も、ハラっぽい脚本も、もろともしない腹が座った土屋太鳳を見ることができる。
ついでにヒカリ役の女の子がとってもよい。田中圭は安定。
そもそもおとぎば話につじつまなんてない。と思って、演技を楽しみたい。